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  • 更新日 : 2021年2月5日

支払サイトとは?長いと良いの?意味や計算方法、決め方を解説

支払サイトとは、掛取引や手形とセットで使われるビジネス用語です。

個人で例えると、クレジットカードの請求金額が確定してから、口座引き落としの日までのことです。長すぎると何を買ったか忘れてしまい、早すぎると給料日との関係で困ってしまいます。

この記事では、支払サイトについて、もう少しビジネス的に掘り下げていきます。

支払サイトとは?

支払サイトとは、取引期間の締め日から支払期日までの期間のことです。
ビジネスの現場で、「支払サイト」は掛取引(かけとりひき)約束手形とセットでよく使われます。
掛取引も約束手形も共通するのは後払いで、代金を確定させてからいつ支払のかをハッキリさせなければいけません。このように代金を確定させてから支払日までのことを支払サイトといいます。

支払サイトは取引代金の締め日から支払日までの猶予期間のこと

買い手(支払う側)からすると、支払サイトは猶予期間になります。
掛取引は支払サイト30日で行わることがよくあり、別の言い方で「月末締め翌月末払い」ともいわれます。

「月末締め翌月末払い」の場合、1ヶ月間の月初から月末までが取引期間になり、この期間の注文代金を確定させてまとめます。注文代金の支払期日は翌月末になるため、買い手からすると30日間の猶予期間があり、支払期日までに代金を準備する必要があります。

支払サイトの語源と英語表現

支払サイトの「サイト」は日本独特の言い回しです。
英語で「サイト」は、「Sight」または「Site」の表記です。
前者の「Sight」は直訳で視覚や見えることになり、後者の「Site」は地点や場所、ウェブサイトを意味します。どちらも「期日」や「期間」という意味になりません。

英語で支払サイトをいうと「Payment term」や手形の支払期間を表す「Usance」などが使われます。

支払サイトの決め方・計算方法

支払サイトは業界によって様々で取引先との関係で決まってしまうことも少なくありません。実は、買い手と売り手は支払サイトについて逆のことを望んでいます。

そこで買い手(支払う側)売り手(回収する側)でそれぞれ確認していきましょう。

買い手側の決め方

買い手側は、支払サイトが長いほうが望ましいです。
理由は支払サイトが長いほど、猶予期間が長くなり手元の資金を短期的に運用できるためです。

ただし、買い手側の支払サイトの上限は60日が目安になります。
後述しますが、下請代金支払遅延等防止法という法律で給付を受けた日から60日以下でなるべく早く支払ことになっています。

上記を踏まえると支払サイトは30日~45日程度が目安になり、大きな会社相手では60日の可能性もあります。

売り手側の決め方

売り手側は支払サイトが短いほうが望ましいです。
理由は、売上を早く回収することで資金的に利益を確定させ、次の仕入れや設備投資に回せるためです。
ただし、短すぎると請求書を急いで作ることになり、買い手に代金の確認を急がせることになるので最低限の期間は必要です。

また、支払サイトによって猶予している売上がどの程度になるかを確認しましょう。
支払サイト30日と60日を例に、1月から4月までの売上をシミュレーションすると以下になります。

【支払サイト30日(末締め翌月末払い)の例】

月末前日の未回収の売上月末に回収する売上
1月1月の売上なし
2月1月の売上、2月の売上1月の売上
3月2月の売上、3月の売上2月の売上
4月3月の売上、4月の売上3月の売上

【支払サイト60日(末締め翌々月末払い)の例】

月末前日の未回収の売上月末に回収する売上
1月1月の売上なし
2月1月の売上、2月の売上なし
3月1月の売上、2月の売上、3月の売上1月の売上
4月2月の売上、3月の売上、4月の売上2月の売上

上記のシミュレーションでは、
支払サイト30日の場合、最大2ヶ月分の売上を、
支払サイト60日の場合、最大3ヶ月分の売上を猶予しています。

上記を踏まえると支払サイトは15日~30日程度が目安になります。
毎月の手元資金を確保できる場合は長くても問題ありません。

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一般的な支払サイトは?

ビジネスではよく、支払サイト30日と60日が使われます。
掛取引を前提に確認していきましょう。

一般的な支払サイト「月末締め翌月未払い」(30日サイト)

支払サイトの決め方でも触れましたが、支払サイト30日は、「月末締め翌月末払い」のことです。

この場合、猶予期間である支払サイトが30日あるため、買い手と売り手がお互いに注文内容と代金を確認し余裕をもって請求書や支払明細書を発行することができます。

月末締め翌々月払い(60日サイト)

支払サイト60日は「月末締め翌々月末払い」のことです。

買い手にとっては望ましい期間で、取引先が親会社や子会社等ではない限りこれ以上、長い期間とするのは難しいです。

売り手にとっては、最大で3ヶ月分の売上金額を保留しているため資金不足に注意が必要です。

下請代金の支払サイトは60日以下

下請業者に支払代金は支払サイト60日以下が原則になります。
理由は、下請代金支払遅延等防止法という法律で一定の要件に該当する場合は60日以内のできる限り短い期間内において支払ことが義務付けられているためです。

要件を簡単にいうと、発注側と下請側に資金格差がある場合です。
発注側より小規模な事業者を下請とする場合は上限60日になります。

さらに上限60日というのは、支払サイトが60日ではなく、商品の納品やサービスの給付を受けた日から60日以内のことです。締め日からではないため注意が必要です。

手形の支払サイトは長い

掛取引の支払は通常、現金または銀行口座へ振り込みで行われることが多いですが、業種によっては、手形で支払われる場合もあります。

この場合は掛取引の支払サイトに加えて、手形の支払サイトも加わるため、かなり長い支払サイトになる可能性があります。

手形を簡単におさらいすると、手形には「振出日」「支払期日」「額面」の3つの重要な項目があります。それぞれの概要は以下の通りです。

項目概要
振出日手形を作成し、支払先に渡した日付のこと
支払期日手形の保証人が支払期日
額面支払金額のこと

手形を受け取った場合は、基本的に支払期日前になっています。
支払期日が過ぎないと額面通りの現金を受け取れません。

ただし、手形が支払われない可能性が低い場合は銀行で、支払期日前に現金化することが可能です。支払期日前に手形を現金化することを「手形の割引」といいますが、割引した場合は額面から支払期日までの日数に応じた手数料が差し引かれます。

手形と支払サイトをまとめると、手形の振出日から支払期日までが手形の支払サイトです。手形の支払サイトは業種によって様々ですが30日から120日までと短いものから長いものがあります。

支払サイトは長いほうがよい?

ここまでをまとめると、支払サイトについて以下のことがいえます。

買い手側(支払う側)と売り手側(回収する側)で確認しましょう。

買い手の場合は長いほうが有利

買い手側は、支払サイトが長いほど有利です。
理由は、猶予期間が長く、手元資金が貯まり短期的に運用できるためです。

ただし、長くても支払サイト60日が目安です。下請代金支払遅延等防止法に該当する場合はさらに短くする必要があります。
大きい会社同士や親会社や子会社ではさらに長くなることがあります。

売り手の場合は短いほうが有利

売り手側は、支払サイトが短いほど有利です。
理由は、資金的に確定した利益を早く受け取れるためです。

ただし、短すぎる場合は注文代金の確認や請求書の作成を急ぐことになるため、短い目安として15日程度が無難です。

支払サイトを短縮する方法

支払サイトを短縮する方法は2つあります。
なお、買い手側は遅く支払ことが有利なため、売り手側で説明していきます。

1つ目は、取引先と交渉することです。
交渉条件は事業者によって様々ですが、早く支払ってくれる取引先には値引きをする、売掛金の全部ではなく一部でも前払いにしてもらうなどの条件があります。

2つ目は債権買取(ファクタリング)業者を利用する方法があります。
債権買取業者は、手形の割引と同様に売掛金を期日前に現金化してくれる業者です。
売掛金の一部が手数料として減ってしまいますが、支払サイトを短縮することにつながります。

支払サイトについてご理解いただけましたか?

この記事では、掛取引と手形をメインに支払サイトを説明しました。
ビジネスの現場では、これ以外にも「支払サイト」という言葉を使うことがありますが、「支配期日」や「支払までの期間」という意味は変わりません。

支払サイトについて迷った場合は、代金が確定する日(締め日)と支払期日を確認しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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