• 更新日 : 2021年10月28日

お土産代を仕訳する場合の勘定科目まとめ

お土産代を仕訳する場合の勘定科目まとめ

お土産代を仕訳する場合の勘定科目は?

お土産は、相手への感謝の気持ち、ねぎらいの気持ちなどをもって渡すものです。ビジネスの世界でもお土産の慣習があり、取引先への挨拶に手土産としてちょっとしたお土産を持参することもあります。お土産代は、その内容が業務上必要なものであれば、経費計上が可能です。経費に計上する際の勘定科目は、どのような状況でお土産を渡したのか、だれに渡したのか、何を渡したのかで、変わってきます。お土産代の勘定科目として考えられるのは、主に以下の勘定科目です。

  1. 接待交際費
  2. 会議費
  3. 広告宣伝費
  4. 福利厚生費

お土産代を接待交際費で仕訳する

税法上の交際費等は、得意先、仕入先、事業に関係のある者に対して、接待、贈答、慰安、供応(飲食物でもてなすこと)、または類する行為のために支出した額をいいます。ただし、以下に該当するものは交際費等に含みません。

【交際費等に該当しないもの】

  1. 従業員の慰安を目的とした旅行や演芸会などの費用
  2. 1人あたり5,000円以下の飲食費(一定の事項を記載した書類を保存)
  3. カレンダーや手帳など物品の贈与のための費用
  4. 会議で飲食物を提供するための費用
  5. 出版物や放送番組編集のための座談会や取材に要する費用

参考:国税庁|交際費等の範囲と損金不算入額の計算

勘定科目である「接待交際費」は、上記の税法上の交際費等の概念とほとんど同じと考えて問題ありません。お土産で考えると、渡す相手は得意先、仕入先、事業関係者であること。また、接待、贈答、慰安が目的であることで接待交際費になるか判断します。

(仕訳例1)取引先への挨拶のために菓子折り5,000円を現金で購入した場合

借方
貸方
接待交際費
5,000円
現金
5,000円

お土産代が接待交際費に該当する例としては、上記のような取引先への挨拶のほか、自社でトラブルが発生したときに取引先にお詫びするときなどが考えられます。このほか、株主総会で、手土産(自社商品以外)を渡したときも、事業に関係のある者に該当するため、接待交際費として計上します。

お土産代を会議費で仕訳する

会議費は、業務上必要な社内外の会議や商談で支出した費用のことです。通常、お土産代というと接待交際費に該当しますが、会議に合わせて飲み物やお菓子を用意する場合もあります。したがって、取引先との会議にお茶菓子などの手土産を準備した場合は、会議費として処理します。

ただし、高額なものや実態が単なる贈答品の場合は、接待交際費に該当しますので注意しましょう。

(仕訳例2)取引先との会議のために手土産(会議用お茶菓子)3,000円分を現金で購入した場合

借方
貸方
会議費
3,000円
現金
3,000円

お土産代を広告宣伝費で仕訳する

広告宣伝費とは、不特定多数を対象に、自社サービスや商品の宣伝、販売促進を目的に要した費用をいいます。お土産代が広告宣伝費に該当するケースとしては以下のようなケースが考えられます。

■ 得意先に試用品を手土産として持参した
税法上の広告宣伝費と交際費等の区分において、広告宣伝費の有する性質のひとつに以下の性質が挙げられています。

(6) 得意先等に対する見本品、試用品の供与に通常要する費用
引用:国税庁|第1款 交際費等の範囲

上記の性質で考えると、たとえば、得意先に自社製品であるお菓子の試供品をお土産として持参した場合、「広告宣伝費」として処理することになります。

■ 自社名の入ったカレンダーや手帳を持参した
交際費等の説明で、カレンダーや手帳などの物品の贈答は交際費等にはならないと説明しました。カレンダーや手帳のほか、センスやうちわ、手ぬぐいなど、自社名の入った物品を得意先などに手土産として持っていくために用意した費用は「広告宣伝費」に含まれます。

■ 株主総会での手土産
株主総会での手土産は接待交際費に該当することもありますが、その内容が自社製品や自社試供品である場合は「広告宣伝費」として処理します。

(仕訳例3)取引先などに手土産として配布することを目的に、自社名入りのカレンダーを作成した。なお、カレンダー作成に要した費用10万円は現金で支払った。

借方
貸方
広告宣伝費
100,000円
現金
100,000円

お土産代を福利厚生費で仕訳する

福利厚生費とは、従業員の福利厚生を目的に支出する費用です。お土産が取引先や仕入先に対してではなく、従業員に対しての場合は「福利厚生費」で処理します。ただし、すべてのケースで福利厚生費として認められるわけではありません。福利厚生費は公平性が重要ですので、特定の社員に対してのお土産は福利厚生費には該当せず、全従業員を対象にお土産を配布した場合に限られます。
ただし、社会通念上相当な金額を超える場合は、給与課税される可能性があります。

(仕訳例4)従業員に配るために出張先でお土産を購入し、現金1万円を支出した場合

借方
貸方
福利厚生費
10,000円
現金
10,000円

法人と個人事業主のお土産代の注意点

最後に、法人と個人事業主で注意したいお土産代に関する注意点を解説します。

法人の注意点

お土産代の会計上の処理は、ここまで説明してきた処理で問題ありません。しかし、税務上は、「接待交際費」の損金算入(税務上の経費)に制限がありますので、その点に注意しましょう。法人の交際費等の損金不算入額は以下のようになっています。

資本金等1億円以下の法人
以下に示す1と2のいずれかの額を損金算入できません。

  1. 交際費等のうち、飲食費の50%を超える額
  2. 交際費等のうち、800万円(事業月数が1年に満たないときは月で割る)を超える額

■ 資本金等1億円超100億円未満の法人
交際費等のうち、飲食費の50%を超える額は損金算入できません。

■ 資本金等100億円超の法人
交際費等の全額を損金算入できません。

参考:国税庁|交際費等の範囲と損金不算入額の計算

上記の、税務上の接待交際費の扱いを見ると、実質、飲食以外の交際費を損金算入できるのは資本金等1億円以下の中小企業ということになります。ただし、800万円の上限がありますので、無制限に損金算入できるわけではありません。お土産代は、あくまで常識の範囲内に収めるのが適切でしょう。

個人事業主の注意点

個人事業主が経費にできるのは、業務上必要な費用です。取引先や仕入先に対するお土産は経費にできますが、事業主と個人的な付き合いがある、事業と無関係な人に対するお土産は経費にはできません。

また、個人事業主の場合は福利厚生費についても注意が必要です。事業主と親族関係にない従業員へのお土産は福利厚生費で問題ありませんが、同一生計親族が従業員として働いている場合、その親族へのお土産はプライベートとみなされますので、福利厚生費にはできません。

お土産の勘定科目は接待交際費以外のケースもある

お土産代は、渡すお土産の内容、渡す状況、渡す対象によって、必ずしも接待交際費に該当するとは限りません。お土産代が接待交際費に該当しない場合には、会議費や広告宣伝費、福利厚生費で処理することもあります。お土産代で使う勘定科目は、いくつかパターンがありますので、今回紹介したパターンをよく確認しておきましょう。

よくある質問

お土産代を接待交際費で仕訳するのはどんなとき?

取引先や事業に関係のある者に渡す目的でのお土産の購入で、さらに、その目的が接待や慰安、贈答である場合です。 詳しくはこちらをご覧ください。

お土産代を福利厚生費で仕訳するのはどんなとき?

従業員に対してお土産を購入するときは福利厚生費で仕訳しますが、渡す対象が特定の従業員に限定されるときは福利厚生費にはなりません。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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