- 更新日 : 2026年5月12日
フルペイアウトの意味とは?リース取引の基本まで紹介
会計処理上、リース取引は主に「ファイナンス・リース取引」と「オペレーティング・リース取引」の2種類に分けられます。ファイナンス・リース取引に該当するには、「解約不能」と「フルペイアウト」の2つの要件を満たすことが必要です。今回はこの2つの要件のうちフルペイアウトについて、概要と該当するための条件について解説していきます。
フルペイアウトとは
「フルペイアウト」は、会計処理上、リース取引を区分するときの要件の1つです。リース物件の使用により実質的に利益を得ることができ、リース物件の使用にともなう実質的なコストを負担するリース取引を指します。フルペイアウトによるリース取引は、資産を取得した場合と同様の経済的効果や経済的負担が生じると考えられ、多くの場合会計上は売買処理として扱われます。
※フルペイアウトを判断基準とするリース取引については後述します。
この記事をお読みの方におすすめのガイド3選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
新リース会計基準丸わかりガイドブック3点セット
本資料は、2025年3月から順次公開した「新リース会計基準と主要論点が丸わかり!対応ガイドブック」のPart.1〜Part.3の3点セットになります。
新リース会計基準への対応を進めるにあたって「何を」「どのように」運用変更する必要があるか、基礎から実務まで、じっくり見直すことができます。
新リース会計基準に最短距離で対応するなら?
2027年度から適用される新リース会計基準に対応した、クラウド型のリース会計システムです。すでにご利用中の会計システムはそのままに、業務影響を最小化しながら利用することが可能です。
本資料では、特長や各種機能についてご紹介いたします。
リース契約のデータ化・リース識別・契約管理、大丈夫ですか?
リース契約の洗い出しに時間がとられていませんか?
マネーフォワード クラウド契約なら、契約書を取り込むだけでAIが新リース会計基準の要件に基づいてリース契約を自動で識別。
リース契約のデータ化・リース識別・契約管理をサポートします。既存のシステムとも連携してご利用いただけますので、他社会計システムや固定資産管理システムをご利⽤の企業もお気軽にご相談ください。
フルペイアウトの要件
フルペイアウトに該当するかどうかは、一定の要件を満たすかどうかで判断します。会計上の要件と税務上の要件に分けて、フルペイアウトの要件を見ていきましょう。
会計上の要件
会計上、リース取引におけるフルペイアウトの判断基準は「現在価値基準」と「経済的耐用年数基準」の2つがあり、いずれか1つの基準を満たす場合は、フルペイアウトとして判断します。
現在価値基準は、解約不能期間のリース料総額の現在価値が、見積現金購入価額のおおむね90%以上であるとき、フルペイアウトと判断する基準です。現在価値とは、リース物件に対する貸手の利息を割引いたリース料総額(元本)をいい、貸手の利率が不明の場合は、借手の追加借入追加利子率を用いて、リース料総額を計算します。見積現金購入価額は、合理的に見積もられたリース物件の購入費用です。
経済的耐用年数基準は、解約不能のリース期間が、経済的耐用年数のおおむね75%以上であるとき、フルペイアウトと判断する基準です(※ただし現在価値基準が90%を大きく下回る場合を除きます)。経済的耐用年数とは、税務上の法定耐用年数ではなく、利用実態に合わせた物件の耐用年数を指しますが、不合理でなければ税務上の法定耐用年数を用いることもできます。
税務上の要件
法人税法上は、会計上の要件である現在価値基準や経済的耐用年数基準ではフルペイアウトを判断せず、税制上の90%基準に該当するかどうかで判断します。税制上の90%は、リース料総額の現在価値ではなく、解約不能期間に支払う利息を含めたリース料総額が判断の基準です。リース料総額が資産取得のために通常要する費用のおおむね90%を超えるときは、フルペイアウトと判断します。
そもそもリース取引とは
フルペイアウトに関連するリース取引とは、リース会社からリース物件を賃貸借する取引を指します。不特定多数への賃貸借を想定したレンタルとは異なり、リース取引は借手の要望に合わせてリース会社が代わりに物件を購入し、物件を貸し出す取引形態です。
リース取引は、契約上は賃貸借契約が結ばれますが、該当物件の購入と経済的実態がほとんど変わらない取引も行われるようになりました。そのため、取引の実態に合わせて、売買処理と賃貸借処理に区分して会計処理を行うこととされています。
売買処理と賃貸借処理を判断する基準が、この記事でも説明した「フルペイアウト」と「解約不能」の条件です。解約不能のリース取引、かつフルペイアウトの要件を満たすときは、「ファイナンス・リース取引」に区分して売買処理を行います。一方でファイナンス・リース取引の条件を満たさないリース取引は「オペレーティング・リース取引」に区分し、賃貸借契約として会計処理を行います。
リース取引の概要やメリット・デメリットについては以下の記事で詳細を説明していますので、こちらもご覧ください。
リース取引に関連して、リース期間終了後にリース会社へ支配権が戻る「リース投資資産」についての概要や会計処理は、以下の記事で詳しく説明しています。
フルペイアウトはリース取引を売買処理と賃貸借処理に分ける基準
リース取引の会計処理は、取引の実態に合わせてファイナンス・リース取引(売買処理)とオペレーティング・リース取引(賃貸借処理)に区分します。区分時の判断基準になるのが、解約不能とフルペイアウトです。フルペイアウトについては、この記事でも説明したように会計処理上と法人税法上でそれぞれ要件が定められていますので、よく確認しておきましょう。
よくある質問
フルペイアウトとは?
リース物件を取得することで、資産を取得した場合と同様の経済的効果や経済的負担が生じるリース取引を指します。詳しくはこちらをご覧ください。
リース取引とは?
リース会社からリース物件を賃貸借する取引を指します。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 会計・経理業務
経理に愛される電卓は? 二強のカシオ派VSシャープ派が激論
「カシオとシャープ、結局どっちがいいの?」――日本の電卓界で双璧をなしている2社。どちらのメーカーの電卓がより経理業務に向いているのか、経理担当者にとっては永遠のテーマとも言える議…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
棚卸計算法とは?やり方をわかりやすく解説
棚卸計算法は、棚卸資産の在庫や原価の計算に関わる評価方法です。継続記録法と併せて確認しておくことで、棚卸資産評価の理解が進みます。この記事では、棚卸計算法のやり方やメリット・デメリ…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
バックオフィスのツールとは?業務別の種類や企業事例を紹介
バックオフィスとは、営業職やコールセンターなどを後方で支える業務のことを指し、効率化することで業務全体の生産性向上が期待できます。バックオフィスの効率化は、オンラインツールの活用や…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
松山市で経理代行サービスを依頼するには?依頼先や対応範囲、費用などを解説
松山市(愛媛県)で事業を営む方々、日々の経理業務に追われ、本業に集中できないと感じることはないでしょうか。人材の確保や、インボイス制度・電子帳簿保存法といった度重なる法改正への対応…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
“良い税理士”を見極めるたった一つのポイント 「近所」「紹介」の落とし穴も
この記事の読者の中に、税理士を探している方がいるかもしれません。中には知人の紹介やネット検索を頼りに検討している方もいるかもしれないですね。 一昔前と変わり、今はターゲットや専門分…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
役員賞与は税金が高くつく!?
ボーナスと呼ばれる賞与は、もらう側にとって仕事が評価された喜びを高め、モチベーション・アップにもつながります。一方で、支払う側にとっては、そのモチベーション・アップを業績に反映させ…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 管理会計
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 領収書 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引



