• 更新日 : 2024年11月1日

車両管理台帳はどう作成する?書き方や、記入例を解説

車両管理台帳は、使用責任や整備点検義務などを果たすために、使用中の車両情報や使用状況などを管理するための台帳です。作成するメリットには、コストを削減できる点やリスクを軽減できる点が挙げられます。

無料のテンプレートを活用すれば、エクセルで手軽に作成可能です。この記事では、車両管理台帳の書き方やテンプレートを使った記入例を紹介します。

車両管理台帳とは

車両管理台帳とは、企業が使用している車両の情報や使用状況、保険の加入状況などを管理するためのものです。一般的に、企業は車両管理規定で車両管理台帳の作成など業務用車両に関するルールを定めています。

ここから、車両管理の必要性や、車両管理台帳を作成するメリットなどを確認していきましょう。

車両管理の必要性

従業員が業務中に事故を起こすリスクに備え、企業は登録情報や使用状況、保険加入状況などの車両管理が必要です。車両管理を徹底することで、車両の不備や車検切れを招く可能性を軽減できるでしょう。

なお、万が一従業員が業務中に交通事故を起こして他人に損害を負わせた場合、民法715条などを根拠に、企業が損害賠償責任を問われることがあります。

参考:e-Gov 民法第715条

車両管理台帳を作成するメリット

企業は車両管理台帳を作成すれば車両管理を徹底できるため、事故の発生リスク軽減につながる点がメリットです。車検のタイミングや保険加入期間などを随時確認することで、手続きもれを防ぎます。

コストを削減できる点を見つけやすいこともメリットです。毎月どれだけ走行しているかを把握すれば、不要なコストが見えやすくなります。

さらに、企業が所有する車両のさまざまな情報を管理する「車両管理台帳システム」を導入すれば位置情報を把握できるため、営業生産性が上がるでしょう。

車両管理台帳の作成は義務?

車両管理台帳の作成を義務づける法律はありません。しかし、民法715条で定められた使用者責任や、道路運送車両法第74条の3などに基づく整備点検義務などを果たすために企業は車両管理台帳を作成すべきでしょう。

また、車両管理台帳の作成を怠ると、民法第715条に規定されている「相当の注意」を果たしていないと判断されるおそれがあります。

参考:e-Gov 道路交通法第74条の3

車両管理台帳の保存期間

車両管理台帳の保存期間も、法律上の明確な定めはありません。しかし、後から確認する可能性もあるため、一定期間保管しておくことが望ましいでしょう。

たとえば貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条では、一般貨物自動車運送事業者などに対して記録を1年間保存することを義務付けています。悩んだ場合は、少なくとも1年は保存するようにしましょう。

参考:e-Gov 貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条

車両管理台帳のひな形・テンプレート

コストをかけずに車両管理台帳を作成する際は、エクセルを活用することが一般的です。自分で作成すると手間や時間がかかるため、無料のテンプレートを活用するとよいでしょう。

以下で、「マネーフォワード クラウド会計」が提供する車両管理台帳のテンプレートをダウンロードできます。エクセル形式のため、かんたんに計算できて便利です。

車両管理台帳に記載すべき項目

車両管理台帳に定型書式はありません。しかし、基本的に以下の項目を記載することが一般的です。

  • 車両の情報
  • 車両の使用状況
  • 車両の保険

以下の記載例で該当箇所を確認してください。

車両管理台帳の必須項目

それぞれの概要を説明した後、書き方の注意点を説明します。

車両の情報の書き方

車両情報には、以下の項目を記載します。コスト削減を計画している場合は、走行距離や給与の状態なども記載しておくとよいでしょう。

  • 登録番号
  • 車名・車体番号
  • 型式・色
  • 定員数
  • 用途・使用目的
  • 登録年度
  • 保管場所
  • 購入年月日
  • 購入先
  • 新車・中古車区分
  • 事故歴年月
  • 廃車年月日
  • 購入詳細
  • リース詳細

上記の情報は、車両の特定に必要です。車検証などで確認しておきましょう。

車両の保険の書き方

車両の保険には、以下の項目を記載します。保険証券などで必要事項を確認しましょう。

  • 保険の種類
  • 保険会社名
  • 代理店名
  • 証券番号
  • 保険金額
  • 保険期間
  • 連絡先

保険の種類は、自賠責保険と任意保険で異なります。自賠責保険とは、すべての自動車やバイクに対して法律で加入が義務づけられている強制保険です。任意保険には、自賠責保険でカバーしきれないものを補うために加入します。

保険会社は契約した保険会社であるのに対し、保険代理店は仲介した会社のことです。

車両の使用状況の書き方

車両の使用状況には、以下の情報を記載します。車検証などから情報を確認しましょう。

  • 自動車車検証の有効期間
  • 自動車車検証の車検費用
  • 定期点検整備記録

修理箇所がある場合は、発生経緯も記載しておくようにしましょう。また、必要に応じて車両を使用する部署名や主に運転する人などを「その他」などに記載しておくとわかりやすいです。

記載時の注意点

管理する台数が多い場合、車両管理台帳の作成に手間がかかったり、ミスが起きたりする可能性があります。ミスを減らし、効率的な業務を進めるため、社内で明確なルールを定めることがポイントです。

また、トラブル発生時に迅速に対応できるように、保管場所を決めておきましょう。見やすくファイリングするなどの工夫も大切です。

車両管理台帳を作成して車両を管理しよう

車両管理台帳とは、企業が使用している車両の情報や使用状況、保険の加入状況などを管理するためのものです。法律上、車両管理台帳の作成を義務づける法律はありませんが、従業員が交通事故を起こすリスクなどを軽減するために作成するようにしましょう。

車両管理台帳を作成する際は、車両の情報・車両の保険・車両の使用状況などの情報を盛り込みます。記入漏れがないように、ひな形やテンプレートを活用するとよいでしょう。

よくある質問

車両管理台帳とは何ですか?

企業が使用している車両の情報や使用状況などを管理するものです。詳しくはこちらをご覧ください。

車両管理台帳の作成は義務ですか?

車両管理台帳の作成を義務づける法律はありませんが、使用者責任や整備点検義務などを果たすために作成すべきでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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