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  • 更新日 : 2021年1月27日

売掛金を回収するために知っておくべきこととは

売掛金 回収

売掛金はきちんと回収できている」「売掛金は取り扱ってないから」と、根拠なく安心していませんか? 世間では「売掛金未回収」はよくあるトラブルで、対岸の火事ではありません。また、現在は売掛金を取り扱っていないとしても、事業を行っていれば状況は変わる可能性があります。商売をしている方なら知っておくべき「売掛金」の回収について解説します。

売掛金とは?

売掛金とは、商品やサービスを提供した際、一定期間後に代金を回収する取引で使用される未収入金のことで、分かりやすく言うと「ツケ」のようなものです。「ツケを払ってもらえなかったら……」と想像すると恐ろしいですが、売掛金は、単に回収できるかどうかではなく、きちんと管理できているかが重要なポイントとなります。

売掛金回収で最初に気をつけておきたいこと

売掛金の入金処理を行なうとき、一番大切なのは相手に「遅滞させない」ことです。そのためにも、事業を行なうときは、まず取引先の情報をしっかりと把握しておきましょう。

「いつまでに」「いくら」を把握して、万が一支払いが遅れた場合には、すぐに問い合わせできるようにしておくことが必要です。 また、相手方の業務状況・経営的信用度にも目を光らせておくことも大切です。「取引先の経営が危なくなってきている」「以前は余裕をもって支払っていたのに最近はギリギリ」など、相手先の経営状況を示す情報に敏感であることが必要です。それによって売掛金の期限を短くすることや、貸倒引当金を設定するなどの対策をとることができます。

それでも、売掛金の遅延が発生してしまった場合、どうするか。売掛金を回収するために知っておくべきことをご説明しましょう。

回収が遅れたらやること

未回収の原因は大きく分けると以下の3パターンです。原因によって対策が異なりますので、まずは担当者に問い合わせ、どのケースに該当するのかを見極めましょう。

「理由あり」の場合

「担当者が期限を忘れていた」「支払ったつもりでいた」といった単純なミスのほか、「商品に欠陥があり代金減額を要求している」など、何か理由があって支払わないケースです。単純なミスなら電話一本で解決するはずです。減額請求や返品要求等の場合には、話し合うことで妥協点を見出していきます。話し合いは大変ですが、支払いを拒んでいる理由さえ取り除けば回収は可能です。

「開き直り」の場合

この場合は、開き直り具合を見極めましょう。払う意思があっても、どうしても金策がつかない相手の場合に発生します。今お金がないのか、それともずっとお金がないのか、もうすぐ入ってくる見込みがあり、その時点で支払う意思があるのか、というところまで踏み込まなければなりません。遅れているだけではなく、実際には回収が見込めない場合、「悪意の場合」と同じ手段が必要になるでしょう。

「悪意」の場合

最初から払う気がなく、待っていても回収が難しいと判断した場合です。選択肢はいくつかありますが、まずは、相手に「内容証明」を送ります。

内容証明郵便とは、「いつ・誰が・誰に・どんな内容の文章を送り・いつ届いたか」を郵便局が証明してくれるものです。法的な強制力はありませんが、心的圧迫を与えることができます。

また「時効による売掛金の消滅を防ぐ」ため、あるいは「訴訟に発展した場合の証拠」としても有効です。内容証明郵便の書き方に決まりはありません。「誰に」「どうして」「何を要求するのか」を明確に記載すれば問題はありません。

ただし、書式は定められています。縦書きの場合は「1行20字以内、1枚26行以内」です。手書きの場合は、内容証明郵便専用の用紙が市販されているのでそれを使うといいでしょう。送付方法は印鑑と同じ文書3通(コピー可)を郵便局の窓口へ持参します。

どうしても回収が難しい場合は法的手段

内容証明郵便を送ったり、話し合いをしたりしても売掛金が回収できなかった場合、法的手段に訴えることになります。

調停

簡易裁判所へ調停手続きを申し立てます。その際、回収額の減額や分割払いなど、こちら側にも歩み寄りが必要となります。ただ、裁判所が間に入ってくれるので、妥協点を見出しやすいのが利点です。とはいえ、調停が成立しない場合もあります。

訴訟

最後の手段が「訴訟」です。裁判で争うことになり、弁護士という専門家の力を借りることになるでしょう。当然、弁護士費用が発生しますし、時間も人件費もかかります。回収の見込み額と回収にかけるコストとのバランスを見極めたうえで、訴訟に持ち込むかどうかを決めなければなりません。

時効という注意点

回収のポイントを述べてきましたが、ひとつ注意点があります。それは「売掛金には時効がある」と言うことで、例えば、製造業・卸売業・小売業の場合、売掛代金の消滅時効は2年となります。

消滅時効とは、ある事実状態(ここでは未回収という状態)が所定の期間継続することによって、事実状態に即した権利関係を確定することです。時効完成によって返済を受ける権利が消滅します。前述のとおり、内容証明郵便は時効を中断させる効果がありますので、その意味でも有効な手段です。

また、一部でも代金の支払いがあると「債権の存在を認めた」ことになり、時効が中断します。ここでいう「中断」は文字通りの意味ではなく、それまで進行してきた期間をゼロに戻すということです。

最後に

売掛金は効率よく回収することが必要です。いくら商品を売っても代金を回収できなければ意味がありませんし、回収コストがかかってしまえばその分利益は目減りします。「売上より利益」を肝に銘じ、代金回収まで視野に入れた取引を心がけるようにしましょう。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:加地 延行 (公認会計士 / 税理士)

税理士法人ゆびすい
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