- 更新日 : 2024年8月8日
デザイン料の仕訳に使える勘定科目まとめ
名刺やホームページなどのデザインや企業ロゴを業者に依頼したときは、デザイン料が発生します。デザイン料は広告宣伝費や業務委託費、支払手数料などの勘定科目で仕訳をすることが可能です。それぞれの勘定科目をどのように使い分けるのか、また、商標登録するときの資産としての扱い方も解説します。
目次
デザイン料を仕訳する場合の勘定科目
デザイン料は「広告宣伝費」や「業務委託費」、「支払手数料」などの勘定科目で仕訳をすることが一般的です。どの勘定科目でも問題ありませんが、次に同じ状況でデザイン料が発生したときは、一度使った勘定科目を使って仕訳をしましょう。帳簿に一貫性が生まれるだけでなく、見やすくもなります。
デザイン料を広告宣伝費で仕訳する
ホームページなどのデザイン料は「広告宣伝費」として仕訳することが一般的です。ホームページはそもそも企業や商品のPRのために作成されるものなので、デザイン料も含む要した費用は税務上、広告宣伝費に該当します。全額経費に計上できるので、支出時の損金に算入しておきましょう。
ホームページのデザインを依頼し、15万円を口座から直接相手方の口座に入金したときは、以下のように仕訳ができます。
デザイン料を業務委託費で仕訳する
「業務委託費」とは、外部の法人または個人と請負契約を締結して、自社の業務の一部を外部委託して支出した費用に用いる勘定科目です。同じ意味で「外注費」や「外注工賃」などの勘定科目も使えます。いずれかの勘定科目を選んだら、今後は同じ状況では同じ勘定科目で仕訳をするようにしましょう。
Aデザイン事務所にパッケージなどのデザインを依頼し、口座から15万円支払ったときは、以下のように仕訳ができます。
デザイン料 |
デザイン料を支払手数料で仕訳する
デザイン料を個人デザイナーに支払ったときは、「支払手数料」の勘定科目で仕訳ができます。ちなみに原稿料や講演料なども、個人に支払ったときは「支払手数料」の勘定科目で仕訳が可能です。
なお、個人に支払うときは、源泉徴収(10.21%)を「預り金」の勘定科目で差し引いて残額を渡します。フリーのデザイナーに依頼して、15万円のホームページデザイン料を現金で支払ったときは、以下のように仕訳をしましょう。
ロゴデザインの制作費の場合
ロゴデザインの制作料は、20万円未満であれば「広告宣伝費」として仕訳をします。また、全額経費として一括計上することが可能です。
ロゴデザインの制作料が20万円以上のときは、商標登録するかどうかで勘定科目が異なります。
商標登録をしない場合
商標登録をしないときは、「繰延資産」や「開発費」の勘定科目で仕訳をします。減価償却しないので、自由なタイミングで損金計上することが可能です。
商標登録をする場合
商標登録するときは、「商標権」の勘定科目で仕訳をします。商標権については10年間で減価償却する必要があるので注意しましょう。
支払い時
決算時
(1年目/10年償却) |
ただし、20万円以下のデザイン料であれば、商標登録する場合も一括経費計上することが可能です。
支払い時
デザイン料は状況に応じて勘定科目を選びましょう
デザイン料は広告宣伝費や業務委託費、支払手数料などの勘定科目で仕訳をします。いずれも経費計上が可能です。
ロゴデザインの場合、20万円未満であれば広告宣伝費の勘定科目で仕訳をしますが、20万円以上のときは、商標登録するかどうかによって勘定科目が異なります。商標登録しないときは繰延資産や開発費、商標登録するときは商標権の勘定科目を使うことが一般的です。
商標登録しないときや20万円未満のときは一括で経費計上できるが、20万円以上で商標登録するときは10年間で減価償却する必要があります。
よくある質問
デザイン料の仕訳に使う勘定科目は?
広告宣伝費や業務委託費、支払手数料が一般的です。詳しくはこちらをご覧ください。
ロゴデザイン制作の場合の勘定科目は?
20万円未満であれば広告宣伝費、20万円以上かつ商標登録しないときは繰延資産や開発費、商標登録するときは商標権の勘定科目を用います。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
パソコンやマウス購入時の勘定科目と仕訳例まとめ
IT関連の企業をはじめとして、事務処理などのためにパソコンやマウスを購入する会社や個人事業主は多いでしょう。パソコンの購入は金額によって勘定科目が異なり、その後の会計処理も変わってきますので、しっかりポイントを押さえておきたいところです。今…
詳しくみる洗剤を経費計上する際の勘定科目は?仕訳例も紹介
事業のために洗剤や芳香剤を購入した際の代金は、目的によって仕訳時の勘定科目が異なります。例えば、クリーニング店が洗濯洗剤を購入したときであれば、消耗品費として経費計上することが可能です。他にもどのような勘定科目を使用できるのか、具体的な仕訳…
詳しくみる先入先出法での棚卸資産の評価・商品有高帳の記入例 移動平均法との違いも解説
決算においてその事業年度の売上原価を求めるには、今までに仕入れた商品や製品が期末にどれだけ残っているかを調査しなければなりません。 多くは、商品や製品が実際にある倉庫などで物理的に確認する必要があります。 よく簿記の教科書に「先入先出法」な…
詳しくみる前受収益とは負債の勘定科目!仕訳方法や前受金との違いをわかりやすく解説
前受収益、前受金、仮受金など貸借対照表に似たような勘定科目名を見ることがありますが、これらの勘定科目はどれも負債に分類されます。 この記事では、前受収益の意義や仕訳方法、また前受金などとの違いについて解説します。 前受収益とは? 前受収益と…
詳しくみる勘定科目とは?仕訳に役立つ科目一覧をわかりやすく解説
勘定科目(かんじょうかもく)とは、企業や個人が取引を記録する際に使用する分類のことです。財務会計において、取引内容を適切に記録するために、勘定科目を用いて収益や費用、資産や負債などの項目を整理・分類します。これにより、会計帳簿が整理され、財…
詳しくみる督促手数料の仕訳と勘定科目の解説
住民税の納付が遅れた場合、地方自治体から督促手数料を請求される場合があります。督促手数料は経費(損金)として処理してもよいものなのか、判断に迷われる方もいるでしょう。結論をいうと、督促手数料は損金に算入しても問題ありません。今回は督促手数料…
詳しくみる