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  • 作成日 : 2021年1月5日

利益の意味や定義、種類とは?営業利益、経常利益、純利益の違いも解説

収益から費用を差し引いた残額を「利益」といいます。そして、会社の利益を表す書類が「損益計算書」です。損益計算書には、売上総利益営業利益経常利益税引前当期純利益、当期純利益と、5種類の利益が記載されています。それぞれにはどのような意味があるのか解説しましょう。

利益の意味・定義とは?

利益とは、収益から費用を差し引いたもののことを指します。

利益の内訳は決算書のうち、損益計算書に記載されますので、企業がどのような活動で利益を上げたのか分析することが可能です。

なお、企業会計には「キャッシュ・フロー計算書」といって、現金収入と現金支出を見る財務諸表があります。キャッシュ・フローは利益とはまったく別ものですので注意しましょう。例えば、以下のような点で利益とキャッシュ・フローは異なります。

  • 掛け取引は、利益計算上、債権や債務が発生した時点で収益または費用の認識をするが、キャッシュ・フローでは現金の出入りがあった時点で認識する
  • 設備投資に関して、利益の計算上、耐用期間の範囲内で減価償却を行い費用に計上するが、キャッシュ・フローでは購入時に現金として支出した分を認識する。キャッシュ・フローで減価償却費は認識しない。

利益の種類

損益計算書の区分では利益は、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5つに分けられます。それぞれの違いを以下に説明していきます。

売上総利益

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いたのちの利益です。「粗利益」といわれることもあります。5つの利益のうち、損益計算書上では一番上に表示されます。

売上総利益の計算対象になるのは、営業活動における売上高、売上高に対応する仕入高(売上原価)です。製造業の場合は、売上原価ではなく、製造原価を対応させます。

売上総利益を求める際に注意したいのは、一会計期間中に発生した仕入高をそのまま売上原価としないことです。売上原価は、あくまで売上高に対応する仕入ですので、在庫などを考慮する必要があります。基本的には、売上原価は以下の計算で求めた値です。

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 仕入高 - 期末商品棚卸高

売上原価を求めたら、売上高から差し引いて売上総利益を出します。

売上総利益 = 売上高 - 売上原価

売上総利益については、「」で詳細を解説していますので、そちらもご確認ください。

営業利益

営業利益とは、営業活動による利益のことです。損益計算書上は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いたものが営業利益として表示されます。

販売費とは、商品やサービスの販売などでかかった費用のことです。販売員の給料、商品の発送費広告宣伝費といった直接的に販売に関わるものを指します。

一般管理費とは、企業が営業する上で必要な経費のことです。家賃や水道光熱費交際費など、販売費には含まれない、営業活動に必要な費用を指します。

営業利益は、これらの営業活動に必要な販売費、一般管理費を粗利益を差し引いて計算します。

営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

営業利益は、営業活動による利益額(本業における儲け)を表しますので、営業活動がうまくいっているか、過年度と比較して成績はどうか、企業の本業の経営状況を知る値として活用できます。

営業利益については、「営業利益の意味・定義とは? 経常利益、売上総利益、純利益との違いは?」で詳細を解説していますので、そちらもご確認ください。

経常利益

経常利益とは、通常の活動で得た利益をいいます。営業活動で得た利益に、営業外の収益を加え、営業外の費用を差し引いた額が、損益計算上の経常利益です。

営業外収益には、受取利息受取配当金などの財務活動で得た収益が該当し、営業外費用には、支払利息支払手数料などの営業活動に直接関わりのない費用が該当します。

いずれも、営業活動以外の収益や費用ですが、突発的に発生するような損益は含まれません。企業が活動をする上で、通常発生しうると考えられる収益や費用が計算の対象となります。

経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

経常利益については、「経常利益とは?意味や営業利益・当期純利益…他利益との違い」で詳細を解説していますので、そちらもご確認ください。

税引前当期純利益

税引前当期純利益とは、法人税等を差し引く前の利益です。損益計算書上は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた額を表示します。

特別利益には、有価証券売却益などが該当し、特別損失には、火災などによる損失、固定資産の売却による損失などが該当します。いずれも、営業活動・営業外活動にも該当しない、突発的に生じた損益や、例外的に発生した多額の損益です。

税引前当期純利益は、以下のように計算します。

税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失

税引前当期純利益は法人税などの税金を控除する前の、企業にとっての一会計期間の純粋な利益です。

税引前当期純利益については、「税引前当期純利益(税引前利益)とは?求め方や意味を解説」で詳細を解説していますので、そちらもご確認ください。

当期純利益

当期純利益は、一会計期間の最終的な経営成績を表します。損益計算書上は、税引前当期純利益から法人税、住民税及び事業税を差し引き、法人税等調整額を加減した後の額を表示します。

当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税、住民税及び事業税 ± 法人税等調整額
※法人税等調整額を加減するのは、税効果会計を適用している場合のみ。

当期純利益については、「当期純利益とは?計算式・求め方や意味をわかりやすく解説」で詳細を解説していますので、そちらもご確認ください。

利益は会社経営に必要不可欠なもの

利益は、会社の経営成績を示す重要な値です。会社経営にとっても、利益を知ること、利益を分析することは重要です。

まず、経営者視点での利益の重要性です。利益は、これまで説明してきたように、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益に区分できます。思うように利益が伸びなかった場合など、それぞれの利益額を見ることで、原因を分析することが可能です。今後の会社経営の見直しに役立てることができます。

次に、会社外部の関係者での視点から利益について考えてみましょう。特に株式会社については、企業に投資している株主、これから投資を考えている投資家が関係します。利益の分析は、事業がうまくいっているかどうかの判断に役立つなど、企業外部の関係者にとっても有用な情報です。

利益は、このように、経営者視点、投資家視点、どちらにおいても重要な値になります。それぞれの利益が何を示すのか、よく理解しておくと、会社の分析もしやすくなるでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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