• 作成日 : 2022年8月5日

経理業務や経費精算をリモートワーク化するために必要なこと

経理業務や経費精算をリモートワーク化するために必要なこと

多様な働き方の受容により、リモートワーク(テレワーク)を一部取り入れる企業も見られるようになりました。自宅や外出先などの遠隔地における情報通信技術を活用した働き方をリモートワークといいますが、会社に出勤しないリモートワークでも経費精算は認められるのでしょうか。

この記事では、経費精算のリモート化のやり方から、リモート化のメリットや必要な準備まで解説していきます。

経理業務はリモートワークでも可能?

リモートワーク(テレワーク)とは、場所や時間にとらわれず、勤務地以外の場所で仕事を行うスタイルです。在宅勤務やサテライトオフィス勤務、カフェなどの外出先で仕事をするモバイルワークなど、働き方は多岐にわたります。リモートワークもテレワークも同じ意味を持ちますが、テレワークという言葉は主に公的機関で使われています。

リモートワークにおける経費精算は、承認作業や現金の引渡しなど、リモートワークに対応した体制を整えることで可能になります。

経費精算のリモートワークを妨げる要因

経費精算はリモートワークでも可能と説明しましたが、そのための体制を整える必要があります。しかし、リモート化を妨げる要因には、次のようなものがあります。

経費申請が紙の書類である

テレワークを妨げる原因のひとつが、紙の書類です。会社が規定する紙の経費精算申請書への記載、領収書の添付、上長の承認といったフローを採用している会社は非常に多くあります。

経費精算申請書が紙であるうちは、社員は精算の承認を得るために会社に出社しなければなりません。同時に承認する上長も、経費精算を担当する経理部などに書類を提出する作業が発生します。そのため、紙の書類による経費精算を必須としているうちは、完全なリモート化が実現できません。

経費の承認に印鑑が必要である

経費精算を承認するための押印作業も、経費精算のリモートワークを妨げる要因のひとつです。書類に印鑑を押すために会社に出社しなければならなくなるためです。

権限がある担当者による承認の証拠を残すために押印を義務付けている会社も少なくありません。リモート環境で利用できる印鑑の代わりとなる承認フローを採用しなければ、リモートワークによる経費精算を導入するのは困難です。

小口現金の手渡しが必要である

小口現金による経費精算もリモート化を妨げます。現金引渡しの際に、経費精算担当者と経費精算申請者の両方が出社する必要があるためです。

経費精算をリモート化するために必要なこと

経費精算をリモート化するには、先に紹介した経費精算を妨げる原因を取り除いていくことが必要です。具体的にどのように対処していくべきか、リモート化のための3つのポイントを紹介します。

申請書類・領収書の電子化

経費精算申請書や領収書は法人税法により保存が義務付けられていますが、必ずしも紙のまま保管する必要はありません。電子帳簿保存法では、電子データによる保存を認めています。

ただし、経費精算申請書や領収書の電子化は、電子帳簿保存法の要件に適った保存を求められます。例えば、紙のデータをスキャンしてPDF化しただけでは要件を満たすことができません。紙の書類をスキャンして保存する場合は、解像度や色調、タイムスタンプの付与などの要件を満たした保存が必要です。

インターネット上で取得した領収書についても、改ざん防止措置(タイムスタンプの付与や履歴が残るシステムの利用)などの保存要件を満たす必要があります。

経費精算申請書や領収書を電子化するために必要な保存要件などを確認したうえで、社員が電子化に対応できるようフローを整備していかなくてはなりません。

電子帳簿保存法の概要と業務フローなどについては、次の記事で詳しく説明しています。

小口現金の廃止

経費精算のリモート化のためには、小口現金の手渡しでの精算も廃止する必要があります。小口現金の代わりの方法として考えられるのが、社員の銀行口座への振り込みによる精算、法人用クレジットカードの利用です。

社員の銀行口座に振り込む方法としては、その都度振り込む方法もありますが、月1回の精算や給与支給時などに合わせて行うのが一般的です。

法人用クレジットカードの利用は、会社名義でクレジットカードを取得し、必要なときに社員に渡す方法になります。会社のクレジットカードであれば利用明細も取得できるため、管理しやすくはなりますが、紛失防止の観点から常時持たせるのはリスクもあります。社員が法人用カードを所持していないときに発生した経費の精算方法も決めておく必要があるでしょう。

経費精算システムの導入

経費精算のリモート化に対応するには、経費精算システムの導入が必要です。経費精算システムとは、経費精算に必要な経費申請や承認、ルート検索などの機能が備わったシステムです。

経費精算システムには、自社サーバーにインストールするオンプレミス型と、インターネット上で利用するクラウド型があります。

クラウド型経費精算システムの多くはスマートフォンやタブレット端末での利用に対応しており、リモート環境から経費精算申請や承認を行えます。スマートフォンで撮影した領収書データの送付やスキャンデータ保存に対応しているものもありますので、領収書の電子化もスムーズに導入可能です。出社せずとも経費精算の手続きを進められるため、リモート化の推進にはクラウド型の経費精算システムの導入がおすすめです。

経費精算をリモート化するメリット

経費精算のリモート化は、社員のさまざまな働き方に対応できるほか、システム化による生産性向上など複数のメリットがあります。大きく2つのメリットに分けて紹介していきます。

さまざまな働き方に対応できる

リモートワークは、決まった時間に会社へ出社する従来の働き方と比べ、場所や時間、労働強度を変えられるなど柔軟な働き方に対応しやすい環境をつくることができます。

経費精算のフローをリモート環境に対応することによって、人事・雇用面にも大きなメリットがあります。経費精算処理のリモート対応は毎日会社に出社する必要を無くすため、さまざまな理由で毎日の出社が難しくなった事務担当者の継続雇用が可能となります。担当者側は働き続けられるメリットがあり、会社側も優秀な人材の流出を防げます。

さらに、リモートワークの導入により多様な人材の雇用機会が増大します。従来は雇用できなかった地方在住者や海外在住者など、自社と離れた場所に生活拠点がある人材の雇用も可能になるためです。勤務地が雇用の障害とならないため、自社に合った人材獲得が容易になるでしょう。

システム化によるさまざまなメリットもある

経費精算のリモート化に必要な経費精算システム導入にも多くのメリットがあります。

まずは業務の効率化による生産性の向上です。リモート化に適したシステムを利用すれば、データ化された申請書や領収書をシステムに読み込ませることで、即座に情報を共有できるようになります。申請者から承認者、承認者から経費精算担当者までのフローに紙の書類による伝達が不要となるため、スピード感のある手続きを進められます。また、システム上で申請や承認の状況も即座に確認できるため、担当者から申請者や承認者への確認を促すこともできます。

さらに、システム利用は原本紛失の防止にも役立ちます。電子帳簿保存法の要件に適った領収書を電子データとしてシステム上に保存できるため、紙の原本を保管する必要もなくなります。そのため、紛失や破棄といったトラブルを引き起こしにくくなり、経費精算上のトラブル防止に繋がります。

これらの例のように、経費精算システムの導入は、複数のメリットが期待できるのです。

マネーフォワード クラウド経費ならテレワークも効率的に

経費精算のリモート化に対応するなら、「マネーフォワード クラウド経費」の導入がおすすめです。マネーフォワード クラウド経費は、次のような機能で経費精算業務のリモート化をサポートします。

  • パソコンからでもスマホアプリからでもアクセスできる
  • クラウド型で会社の外にいても経費精算の作業ができる
  • アプリで領収書を撮影するだけでタイムスタンプが付与される
  • メールなどで転送した領収書を転送するだけで明細の登録ができる
  • 電子帳簿保存法に対応した領収書の保存ができる

さらに、「マネーフォワード クラウド会計」と連携することで、クラウド経費のデータから自動での仕訳の取り込みができるようになります。経費精算業務だけでなく、経理作業全般の効率化も期待できます。

経費精算をリモート化するなら導入するシステムも重要!

経費精算のリモート化は実現できます。しかし、実現のためには、申請書類や領収書の電子化、小口現金の廃止、経費精算システムの導入が必要です。

中でも経費精算システムの導入は高い効果を発揮しますが、システムによって機能が異なりますので、求めるリモート化に必要な機能が備わっているか、よく確認する必要があります。

自社のリモートワーク導入に必要な要件を洗い出し、適切な経費精算システムを導入しましょう。

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よくある質問

経費精算をリモート化するのに必要なことは?

経費精算申請書類や領収書送付の電子化、小口現金の廃止、経費精算システムの導入が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

経費精算をリモート化するメリットは?

社員のさまざまな働き方に対応できるメリット、システム化による生産性の向上や原本紛失リスクの低減などにメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。

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