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  • 更新日 : 2021年1月15日

交際費とは?仕訳例や経費計上して法人税を正しく節税する方法を紹介

事業を進めていく上で必要な費用のひとつに、交際費があります。実は、交際費は法人と個人では取り扱いが異なり、経費になる範囲が異なったり、法人には損金不算入の制度があったりします。さらに、法人でも大企業と中小企業でルールが異なる部分があるため取り扱いが複雑です。
そこで、ここでは交際費を理解するための基本的なルールや仕訳について解説します。

交際費とは?

交際費とは、会社の経営をスムーズにするために行なわれる、取引先との付き合いや交渉のために支払われる経費のことです。

取引先の関係者に対して支出する費用には接待費もありますが、厳密にいうと、交際費は接待費以外の費用を指します。

ただし、実際には交際費と接待費の区別が難しいこともあるため、接待交際費として処理することも多いです。もっとも、取引先との付き合いや交渉のためとはいえ、何でも交際費として計上していると、後になって交際費として認められず、予想以上の税金が課されることがあるため注意が必要です。

また、交際費は取引先との付き合いだけではなく、会社内部の従業員に対して支払われる経費も含むことがあります。例えば会社の周年記念や宴会費用、従業員を旅行に行かせる費用なども含まれます。

他にも製造業者などが、卸売業者や小売業者を招待する費用も、交際費に計上されることがあります。

法人税法における交際費

交際費とされるものは幅広く、接待費、機密費、その他の費用が、税法上で規定される「交際費など」に該当します。定義としては法人が、得意先や取引先などへの接待や慰安、供応、贈答などを行うことを目的とした支出する費用となります。

具体的には、得意先との食事会で費やした金額、接待ゴルフにかかった費用、中元やお歳暮代、葬儀などに出席した際のお香典などが交際費として扱われます。

これらの支出は、経理処理においては用途にあわせて広告宣伝費福利厚生費、雑費などの勘定科目で計上しますが、法人税の税務上は交際費となることを認識しておきましょう。

ただし、次の事項については、法人税上、交際費から除かれます。

  1. 従業員のレクリエーションとして催される運動会や旅行などのために必要となる費用
  2. 飲食に必要な費用で、合計金額を参加人数で割った金額が5,000円以下となる費用(その法人の役員や従業員、これらの親族への接待などのための支出は除く)
  3. この事項に関しては、一定の内容を記載した書類が保存されている場合に限り適用されます。

  4. その他の費用
    • 物品贈与のために必要となる費用(カレンダーや手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいなど)
    • 会議に必要な飲食物の費用(お茶菓子、弁当など)
    • 新聞や雑誌などの出版物、テレビ番組などの制作のために催される座談会や、記事の収集や放送のための取材に必要となる費用

※ 2.の費用については、会社の経理方法が、税抜処理をしているか税込処理をしているかで、金額基準である5,000円の判定や交際費の額が異なります。その会社の経理処理により算定した価額で行います。

交際費の具体的な範囲

交際費の具体的な範囲は、法人税法の通達などで、細かく規定されています。ここでは、代表的な交際費の範囲について見ていきましょう。

交際費と広告宣伝費との区分について

カレンダーや手ぬぐい、手帳など、得意先などに配布することを目的とした贈与に必要な費用や、一般消費者も含めた不特定多数の人に対する広告宣伝的効果を意図する物品にかかった費用は、交際費には含まれず、広告宣伝費になります。

交際費と福利厚生費との区分について

運動会やレクリエーション、社員旅行など、従業員を労うために必要な費用は交際費とはならず、福利厚生費になります。

また、従業員に対して、社内で支給されている飲食に必要な費用についても、福利厚生費となります。ただし、全従業員に支給した場合に限ります。例えば、一定の役員や従業員のみの飲食代を会社が負担した場合は、「社内飲食費」として交際費や給与扱いになることがあります。

交際費と寄附金との区分について

会社としてのお金や物、資産といった経済的に利益となるものを与えたり、相手の欲しがるものを無償で提供したりすることが「寄附」とされています。つまり、事業に直積的に関係のない相手に対して、見返りを求めずにお金や物品に与えることが寄附金に該当します。

具体例は、政治団体への拠出金や神社等への寄贈品などが交際費とはならず、寄附金に含まれます。

ただし、これらの支出の場合でも先に挙げた交際費や、広告宣伝費、福利厚生費に該当すると判断される費用についてはそちらが優先され、寄附金から除かれます。お金や物品などを贈与した場合には、それが寄附金か交際費かをしっかりと検討する必要があります。

接待飲食費の交際費の範囲

交際費のうち、特に気をつけないといけないが接待飲食費です。交際費の定義である「その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等」との食事であるのか、それもプライベートではなく、あくまでも事業のためのものであるかという点を満たさなければ交際費に計上することはできません。

さらに、勘定科目についても「会議費」と「交際費」の区分が必要です。会議費とは、通常の社内で行われる会議において発生した費用(飲食費、会場費、資料代など)のことを言います。したがって、飲食費であっても社内の会議のためのお弁当代などについては会議費で経理処理を行います。

また、接待飲食費のうち、参加者一人あたり5,000円以下である費用については、交際費の中でも800万円の制限に関係なく、全額損金算入が可能です。したがって、年間で交際費が800万円に満たない中小企業については特に意識する必要はありませんが、交際費が800万円を超える可能性がある中小企業については、接待飲食費のうち、一人当たり5,000円以下のものは他の接待交際費と特に区分して計上することが望ましいです。

さらに、5,000円以下の接待飲食費としてその全額を損金処理する際の要件として、領収書に以下の事項を記入しておく必要がありますので、こちらも留意しておいて下さい。

  飲食等の年月日
  飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係
  飲食等に参加した者の数
 その費用の金額並びに飲食店等の名称及び所在地(店舗がない等の理由で名称又は所在地が明らかでないときは、領収書等に記載された支払先の名称、住所等)
  その他参考となるべき事項

繰り返しになりますが、この領収書の記載事項がすべて記入された領収書がなければ、5,000円以下の接待飲食費であっても通常の交際費と同様の取扱いになってしまいます。

したがって、中小企業の経理の方は、このような領収書の記載方法を経営者はもちろんのこと、経費精算を行う社員全員にあらかじめ指導しておくべきです。

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交際費の経費計上の条件と注意点

ここでは、交際費の損金不算入制度の内容について解説します。

中小企業向けの交際費の損金不算入制度

企業にとって、交際費は事業を遂行するために必要な費用です。ただし、すべての交際費を経費にすることを認めてしまうと、租税回避のために接待を行う可能性も出てきます。そこで、法人税法では、交際費の損金算入に一定の上限を設けています。これを交際費の損金不算入制度といいます。
交際費の損金不算入制度には、大きく分けて大企業向けと中小企業向けがあります。このうち、大企業の交際費のほうが損金に算入しにくくなっています。一方、中小企業の場合は、一定金額までの交際費を損金にすることができます。
ここでいう中小企業とは、期末の資本金の額又は出資金の額が1億円以下である等の法人のことをいいます。

交際費が経費として認められる条件

見てきた通り、得意先や取引先などへの接待や慰安、供応、贈答などを行った場合は、交際費になります。また、中小企業の場合は、一定の金額までは交際費を経費(損金算入)として認めるルールがあります。
交際費は、あくまで接待行為があった時点で認識し、未払いの場合でも経費になります。例えば、飲食が期末に行われ、支払いが来期の場合であった場合であっても、当期の経費にすることができます。逆に、代金当期に前払いし、接待行為が来期の場合は、当期では交際費として経費にできないので、注意が必要です。

交際費の損金算入の上限金額

では、交際費の損金算入の上限金額について見ていきましょう。中小企業における交際費の損金算入の上限金額は、次のいずれかの金額となります。

  1. 年間800万円まで
  2. 交際費の額のうち、飲食費の50%に相当する金額まで

※1、2にかかわらず、一人あたり5,000円以下である飲食代は、経費になります。
例えば、交際費1,000万円が全額飲食代であった場合、1を選択すれば800万円まで、2を選択すれば、1,000万円×50%=500万円まで、交際費を経費計上することができるため、1の方が有利です。
また、交際費2,000万円が全額飲食代であった場合、1を選択すれば800万円まで、2を選択すれば、2,000万円×50%=1,000万円まで、交際費を経費計上することができるため、2の方が有利です。
上限をどちらにするかは、選択することが可能です。法人税の計算時に交際費の損金算入額をシミュレーションし、有利な方を選択しましょう。

個人事業主は交際費の上限額がない

中小企業では、交際費の経費計上に、一定の上限額が設けられています。では、個人事業主の場合では、どうなっているのでしょうか。
個人事業主の場合、取引先との関係で仕事を得ることが多いです。そのため、交際費を少なくすることは、死活問題になります。また、一般的に個人事業主は、法人に比べて、交際費に回す資金は少ないです。これらの様々な理由から、個人事業主では、交際費の経費計上の上限は、ありません。
個人事業主の交際費の計上については、次の記事で詳しく解説しています。こちらをご参照ください。

交際費の仕訳例

では、具体例で交際費の仕訳を見ていきましょう。
(例)取引先を飲食店で接待し、代金100,000円を現金で支払った。なお、一人当たりの飲食代は5,000円を超えている。

借方貸方
交際費100,000円現金100,000円

(例)お中元の商品を50,000円、現金で購入し、取引先に渡した。

借方貸方
交際費50,000円現金50,000円

借方勘定科目「交際費」は、会計ソフトによって「接待交際費」の科目などが使われていることもありますが、どちらを使っても問題はありません。

交際費を理解して正しく節税しよう

中小企業の場合、交際費には一定の上限が設けられています。そのため、一人あたり5,000円以下である飲食代など、交際費にしなくてもよいものは、交際費から除外する必要があります。また、交際費の上限額の計算方法にも2通りの方法があり、自社に有利な方を選びましょう。
交際費の金額が大きい場合は、正しい処理をすることで大きな節税になります。交際費をしっかりと理解し、ルールを守って正しく節税を行いましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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