- 更新日 : 2023年3月29日
一人経理はリスクが高すぎる?経営者が知っておきたい2つの相談先

経理にまつわる全ての業務とその責任をたった一人で背負う一人経理。経験者ならともかく、はじめて経理を担当するにも関わらずそんな状況に立たされれば誰もが暗い気持ちになってしまいます。
ここでは経理担当者はもちろん、経営者も知っておくべき経理業務の相談先を紹介します。一人経理のリスクの高さと担当者の負担を軽くする方法を知っておきましょう。
目次
丸投げ厳禁!一人経理に潜む危険
経理の仕事は「会社のお金にまつわること全て」
「経理」と一口に言ってもその業務は多岐にわたり、そしてそのどれもが「企業の血液」とも言える「お金」にまつわるものです。
販売した商品の代金の受け取りを管理したり、購入した商品の代金の支払いを管理したり、あるいは原材料や商品などの在庫状況の管理や、土地や建物・備品といった固定資産などの資産管理。
銀行振り込みなどの入出金業務や、細々とした小口現金支払いといった現金の管理のほか、銀行などからの借入金の管理といった資金管理も経理の仕事です。
株主や投資家などに対して行う企業の財務状況を報告するための書類を作成する決算業務は企業全体にとっても、そして経理担当にとっても最も重要な業務の1つと言えます。
一人経理はなぜ危ないのか
「経理部」を設けて複数人でこれらの業務を行えば、一人当たりの負担が減らせるため、自ずとミスも少なくできます。しかし一人経理の場合は、これらの負担が全て担当者だけにのしかかるわけです。
業務が煩雑になればなるほどミスは増え、ミスが増えるほどに担当者が感じるストレスは増えていき、悪循環に陥ります。お金のつじつまが合わなくなれば、事業が機能不全を起こすのは自明の真理。それはいつ爆発するかもしれない爆弾を抱えているのと同じことなのです。
とはいえ、人を増やせば人材コストは膨らみ、税理士に相談すればそれだけ余計なコストが増えるかもしれません。そんなジレンマに頭を抱える一人経理担当者や経営者のために、頼もしい2つの相談先を紹介します。なんとどちらも「タダ」です!
とにもかくにも税務署に相談しよう!
最も確実な相談先、しかもタダ!
国税庁のホームページには、「タックスアンサー(よくある税の質問)」というページがあり、所得税や法人税、源泉所得税に消費税など国税に関するルールを条文などよりも格段にわかりやすく解説してくれています。
文章だけでなく、実際に話しながら相談したいという場合は、管轄の税務署の電話相談センターに電話をすれば対応してくれます。書類の書き方やより具体的な業務についての質問がしたいのなら、事前予約をすれば面接相談も受け付けています。
(参考:税についての相談窓口|国税庁HP)
もちろんこれらは全部「タダ」。コスト面で頭を悩ませている経営者にとっては魅力的な相談先でしょう。また、初めて経理をするのにいきなり一人経理になってしまった(あるいはそんな人材に経理を任せざるを得なかった)人にとっても、確度の高いアドバイスがもらえるのは大きなメリットです。
初歩的な質問でもちゃんと答えてくれる!
電話相談センターでの相談の場合は一般的なケースの回答しか得られず、より具体的な相談(「新人経理に書類の書き方を教えて欲しい」など)に関しては直接管轄の税務署に相談を促す場合もあります。対して面接相談の場合は、関係書類を持参することもでき、個別的な相談にも具体的に回答してくれます。
どちらの場合も「こんな初歩的な内容を質問したら怒られるかも・・・」なんて心配は無用。「この支出はどの勘定科目になるのか」といった初歩的な質問でも答えてくれるので、困ったらとにもかくにも税務署に相談するようにしましょう。
日本税務研究センターの電話相談窓口を利用しよう!
日本税務研究センターってどんな組織?
公益財団法人日本税務研究センターは日本税理士会連合会と全国税理士共栄会が1984年に設立した日本最大の税に関するシンクタンクです。通常は租税制度や税務行政などに関する学術的な調査や研究、資料の収集や公開を事業として行っていますが、「税務相談室」という電話相談窓口も運営しています。
受付時間が平日の午前10時から11時30分及び午後1時から3時30分までとやや限定的ですが、法人税や所得税などの一般的な相談を無料で受け付けてくれます。
税務相談室の相談事例
例えば「ゴルフ場利用税は交際費か」「事業年度途中契約の生命保険料の役員の経済的利益」といったものが、同センターの税務相談室の「相談事例Q&A」には掲載されています。他にも「青色申告特別控除の順序」「給与所得者で確定申告を要しない者」などの相談にも対応してくれるようです。
詳しくは同センターのホームページを参照してみてください。今悩んでいる問題の答えがすでに載っているかもしれませんよ。
(参考:公益財団法人日本税務研究センターHP)
まとめ
一人経理はかなりリスクの高い人員配置です。最も効果的な対策はベテランの経理担当者を新しく雇うことですが、それができれば苦労はしませんよね。
お金はかけられないという場合は、ここで紹介した税務署や日本税務研究センターなどに経営者自身が相談したり、一人経理の担当者に相談に行くよう促すなどして、今いる人材の負担をできるだけ軽くするように心がけましょう。そうしていくうちにきっと頼りなかった一人経理も、臨機応変に対応できるベテラン経理に成長できるはずです。
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