- 更新日 : 2026年5月22日
“良い税理士”を見極めるたった一つのポイント 「近所」「紹介」の落とし穴も
この記事の読者の中に、税理士を探している方がいるかもしれません。中には知人の紹介やネット検索を頼りに検討している方もいるかもしれないですね。
一昔前と変わり、今はターゲットや専門分野を絞った税理士事務所が増え、差別化されたことで税理士探しが楽になったように感じます。一方で、「良い税理士・悪い税理士」を見極めるポイントが分からないという声も後を絶ちません。
今回は、税理士紹介を10年以上続ける私が、「その税理士が、あなたにとって“良い税理士”かどうか」を見極めるたった一つのポイントをお伝えします。(執筆:タックスコム代表取締役 山下健一)
税理士は3タイプに分けられる

まず、世の中にはどんなタイプの税理士がいるのかざっくりとご紹介しましょう。大きく「低価格型」「付加価値型」「特化型」の3つに分けることができます。
「低価格型」
必要最低限のことにサービスを絞ることで低価格を実現している事務所です。必要最低限のサービスとは、会計ソフトへの入力とメール・電話での税務相談、そして申告業務になります。
あなたが取り組んでいる事業が一つで、年商規模が5,000万円以下の場合や、大きな変化のない事業の場合は、税理士からのアドバイスも大きく変わることはありませんので低価格型の税理士で事足りると思います。
ただし、注意してもらいことがあります。まれに、月額1万円以下などの破格の顧問料を売りにしている税理士事務所と契約した企業が、「税理士から折り返しがない」とか「まったく相談に乗ってもらえない」などを理由に税理士をコロコロ変えているケースがあります。税理士はそう頻繁に乗り換えるものではありませんし、探すのは大きな手間となりますから、破格だからという理由だけで契約するのはとてもリスキーです。
「付加価値型」
定期的に面談を行い、社長が今後やりたいことを踏まえ想定されるリスクや資金繰りの相談、節税対策の提案など外部CFO的な立場から顧問として相談に乗ってもらえます(※CFO=chief financial officer、最高財務責任者)。財務・税務の目線から見た投資のタイミングや資金調達のタイミングはとても重要な検討事項になります。
また、事業規模が大きくなってくると節税対策の実行タイミングが違うだけで、納税額が大きく変わることがあります。そして時には資金がショートして倒産するリスクを回避できたりする場合もあるのです。
年商が億を超える場合や、今後新たに始めたい事業がある、事業を拡大したいという会社には、様々なリスクも出てきます。そのようなリスクを財務・税務面からサポートしてもらえるにはやはり付加価値型の事務所が良いでしょう。
「特化型」
全体の割合からすれば数は多くありませんが、業務内容や業種に特化することで、限られた事務所のリソースを一定のターゲットに集中させ深い知識と経験を保持した税理士もいます。最近増えてきた「相続専門」の税理士もその一つです。それ以外にも「医療専門」「不動産専門」「飲食専門」などがあげられます。
ただし、ここでも注意点があります。専門と謳っているにも関わらず、集客目的で実はそこまで詳しくない……というケースがあります。一般の方が税理士の専門性を詳しく把握するのは難しいと思いますが、実際にこのようなことがあることは知っておいた方が良いでしょう。
税理士探しで失敗しないポイント

少し話がそれますが、税務署出身の税理士いわゆる「税務署OB税理士」にお願いすると、税務調査の際に有利に話を進めてもらえるという都市伝説をいまだに信じている方もいます。確かに一昔前はOBとしての力が働くこともありましたが、昨今はほとんどなくなってきています。
話を戻し、税理士には3つのタイプがあるということを理解した上で、「自社がどの税理士にお願いしたいのか」を決めます。失敗しない探し方とは、実はこの「どんな税理士にお願いするのか」を決めることがポイントになります。失敗する方のほとんどが、このポイントを明確化できていないことが多いのです。
「紹介」もそう安心できない
では、具体的な探し方ですが、知人・商工会・銀行など、声をかければ税理士をすぐに紹介してくれると思いますし、ネットで検索してもたくさん出てきます。その中から数名に絞り面談をして、最後は一人に絞ります。
ただし、紹介の場合は「間違いない!」と高を括りがちですが、注意が必要です。なぜならその紹介者にとって良い税理士だからといって、あなたにも良いとは限らないからです。会社ごとに業種や規模は違うわけで、状況によって良しとする条件は違います。「紹介された税理士が合わないが、紹介者の手前、解約したくてもできない……どうしたらいいでしょうか?」という相談を受けることも多々あります。
「近所の税理士」の落とし穴も
ネットで検索する際も注意が必要です。何かあったときにすぐ行けるようにと、とにかく近所の税理士を希望される方がいます。もちろん、全ての税理士が同じ能力なら近いに越したことはありませんが、距離よりも「自社の要望に応えてもらえるか?」の方が、はるかに優先順位が高いことは忘れないでください。徒歩3分の税理士と契約したのにいつも事務所におらず会社にもまったく来てくれない……という方は意外と多いです。
まとめますと、良い税理士の探し方とは、まずどんな税理士にお願いしたいのかを明確にし、紹介やネットで探す際の注意点を踏まえ数名と会い、その中の一人に決める方法が良いでしょう。
いずれにしても、税理士は会社の中身を全て見せる、唯一の外部の人間です。一度付き合い始めたら長くなりますので、慎重にじっくり選んでいただきたいと思います。
◆どのようなタイプの税理士がいるのかを把握する
◆自社に必要な税理士の条件を洗い出す
◆「どのような税理士に依頼したいか」を明確化する
◆数名の中から一人に絞る
<税理士探しの注意点>
◆会社によって業種や規模は違う。他者から紹介を受けても、自社の要望に一致していないことは少なくない
◆近所の税理士に依頼しても、いつでもすぐに相談できるとは限らない。距離の近さよりも、自社の要望に応えられるかが重要
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
最後に、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料を紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
インボイス制度 徹底解説(2026年9月最新版)
インボイス制度は施行後もさまざまな実務論点が浮上し、国税庁によるQ&Aの追加・改訂が続いています。これを受けて、「結局どうすればいいのか、わからなくなってしまった」という疑問の声も多く聞かれるようになりました。
そこで、インボイス制度を改めて整理し、2割特例・3割特例や仕入税額控除における特例など実務での判断に迷いやすい論点を中心に、対応のヒントまで網羅的に解説した最新資料を作成しました。問題なく制度対応できているかの確認や、新人社員向けの教育用など、様々な用途にご活用いただける充実の資料です。
電子帳簿保存法 徹底解説(2026年9月 最新版)
電子帳簿保存法は、1998年の制定以降、これまでに何度も改正を重ねてきました。特に直近数年は大きな改正が続いた上に、現在も国税庁による一問一答の追加・改定が続いており、常に最新情報の把握が必要です。
70P以上にわたるボリュームであることから、ダウンロードいただいた方から大好評をいただいている1冊です。
マネーフォワード クラウド会計Plus サービス資料
マネーフォワード クラウド会計Plusは、データの自動取得、自動仕訳、自動学習の3つの自動化で経理業務が効率化できる会計ソフトです。
仕訳承認フローや業務分担にあわせた詳細な権限設定が可能で、内部統制を強化したい企業におすすめです。
マネーフォワード クラウド経費 サービス資料
マネーフォワード クラウド経費を利用すると、申請者も承認者も経費精算処理の時間が削減でき、ペーパーレスでテレワークも可能に。
経理業務はチェック業務や仕訳連携・振込業務の効率化が実現でき、一連の流れがリモートで運用できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
税理士の関連記事
新着記事
-
# 会計・経理業務
損益分岐点比率とは?計算式や目安・改善方法を解説
損益分岐点比率とは何を示す指標? 損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高が何%を占めるかを示す経営指標で、低いほど売上減少への耐性が高いです。 計算式は「損益分岐…
詳しくみる -
# 決算
赤字とは?意味や黒字との違い・原因・税金への影響・改善方法を解説
赤字とは何か?黒字との違いは? 赤字とは、収益より費用が多く利益がマイナスになっている状態です。 営業・経常・最終赤字で意味が異なる 赤字でも均等割や消費税は発生する 欠損金は法人…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
水増し請求とは?具体例や罰則・発覚時の対応を解説
水増し請求とは、本来支払われるべき金額を不正に増やして請求する行為です。取引先への過大請求だけでなく、従業員による経費の不正申請でも問題になります。 この記事では、水増し請求と架空…
詳しくみる -
# 会計・経理業務
食料品の消費税減税はいつから?対象品目や税率、外食・酒類の扱いを解説
食料品の消費税減税はいつから? 食料品の消費税は2027年4月1日から2年間、現行8%から1%へ引き下げられる予定です。 減税期間は2027年4月〜2029年3月末 酒類・外食は対…
詳しくみる -
# 勘定科目・仕訳
冗費とは?意味や経費との違い・会計処理・削減方法を解説
冗費とは、簡単にいえば「無駄な費用」「なくても事業に大きな支障がない支出」を意味する言葉です。ただし、「冗費」という勘定科目があるわけではなく、税法上の必要経費や損金と同じ意味でも…
詳しくみる -
# 電子帳簿保存法
証憑とは?読み方や種類・保存期間を解説
証憑とは何か?種類・保存期間を解説 証憑とは、領収書・請求書・契約書など取引の事実を裏付ける資料の総称です。 帳簿記録・税務調査の根拠資料になる 法人は原則7年、個人は5〜7年保存…
詳しくみる
会計の注目テーマ
- 勘定科目 消耗品費
- 国際会計基準(IFRS)
- 管理会計
- 会計帳簿
- キャッシュフロー計算書
- 予実管理
- 損益計算書
- 減価償却
- 総勘定元帳
- 資金繰り表
- 連結決算
- 支払調書
- 経理
- 会計ソフト
- 貸借対照表
- 外注費
- 法人の節税
- 手形
- 損金
- 決算書
- 勘定科目 福利厚生
- 法人税申告書
- 財務諸表
- 勘定科目 修繕費
- 一括償却資産
- 勘定科目 地代家賃
- 原価計算
- 税理士
- 簡易課税
- 税務調査
- 売掛金
- 電子帳簿保存法
- 勘定科目
- 勘定科目 固定資産
- 勘定科目 交際費
- 勘定科目 税務
- 勘定科目 流動資産
- 勘定科目 業種別
- 勘定科目 収益
- 勘定科目 車両費
- 簿記
- 勘定科目 水道光熱費
- 資産除去債務
- 圧縮記帳
- 利益
- 前受金
- 固定資産
- 勘定科目 営業外収益
- 月次決算
- 勘定科目 広告宣伝費
- 益金
- 資産
- 勘定科目 人件費
- 予算管理
- 小口現金
- 資金繰り
- 会計システム
- 決算
- 未払金
- 労働分配率
- 飲食店
- 売上台帳
- 勘定科目 前払い
- 収支報告書
- 勘定科目 荷造運賃
- 勘定科目 支払手数料
- 消費税
- 借地権
- 中小企業
- 勘定科目 被服費
- 仕訳
- 会計の基本
- 勘定科目 仕入れ
- 経費精算
- 領収書 経費精算
- 交通費
- 勘定科目 旅費交通費
- 電子取引
- 勘定科目 通信費
- 法人税
- 請求管理
- 勘定科目 諸会費
- 入金
- 消込
- 債権管理
- スキャナ保存
- 電子記録債権
- 入出金管理
- 与信管理
- 請求代行
- 財務会計
- オペレーティングリース
- 新リース会計
- 購買申請
- ファクタリング
- 償却資産
- リース取引



