- 更新日 : 2024年8月8日
しめ縄などの正月飾りを経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
しめ縄や門松などの正月飾りは、事業所のために購入したものであれば経費として計上できます。仕訳をするときは、消耗品費や雑費などの勘定科目を使うことが一般的です。具体的な例を提示して、仕訳の仕方について説明します。
正月飾りの仕訳に使える勘定科目
事務所に飾るために購入したしめ縄や門松、鏡もちなどの正月飾りは、経費として計上できます。いずれも松の内までの一定期間のみ飾り、しめ縄などは神社でお焚き上げをして、鏡もちはおぜんざいなどとして調理して処分をします。
そのため、正月飾りは基本的には「消耗品費」の勘定科目で仕訳をすることが一般的です。また、何度も正月飾りを購入することがなく、繰り返すことがない出費と思われるときであれば「雑費」の勘定科目で仕訳もできます。
正月飾りを処分しないで、レンタルサービスを利用することもあります。例えば、門松などの大きな正月飾りは、レンタルして玄関に飾ることは珍しくありません。この場合は「賃借料」の勘定科目を使い、正しく仕訳をしましょう。
正月飾りを消耗品費で仕訳する
消耗品費とは、使用可能期間が1年未満、もしくは10万円以下の費用に対して使用する勘定科目です。しめ縄や門松などの正月飾りは、基本的には松の内しか飾らないので消耗品費が適切と思われます。
事務所の玄関前に飾るしめ縄を5,000円で購入したときは、次のように仕訳をすることができます。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
消耗品費 | 5,000円 | 現金 | 5,000円 | 玄関前に設置するしめ縄 |
なお、松の内とは、元日から1月7日までの7日間、あるいは元日から1月15日までの15日間を指すことが一般的です。地域によっても松の内の数え方が異なるので、地域の風習に合わせて飾るようにしましょう。
正月飾りを雑費で仕訳する
正月飾りの購入が繰り返されることがないと思われるときは、雑費の勘定科目が使えます。例えば、創業〇周年のため、例年は飾らない門松を飾ったときなどは、雑費の勘定科目を使って仕訳をしましょう。門松代が2万円のときは、以下のように仕訳ができます。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
雑費 | 20,000円 | 現金 | 20,000円 | 玄関前に設置する門松一対 |
なお、門松は年神様(としがみさま)が下りてくる目印として飾るため、玄関に設置するのがふさわしいといえます。ただし、オフィスビルなどで事務所を開いているときは、玄関は共用スペースとなるため、建物内の自社の入口に飾るようにしましょう。
また、元日からではなく12月26日~28日に飾り始めるのが良いとされています。仕事納めのときに飾り、新年が明けてから1月7日か15日くらいまで飾っておきましょう。
正月飾りを賃借料で仕訳する
しめ縄や鏡もちをレンタルすることはあまりありませんが、門松をレンタルすることは珍しくありません。門松は来客が目にする場所に飾るので、見た目が良く華やかなものを選ぶとよいでしょう。購入するよりも割安なこともあるので、経費削減のためにもレンタルを検討できます。
門松をレンタルしたときは、賃借料の勘定科目を使って仕訳をすることが一般的です。なお、レンタルすると設置費用や撤去費用などが別途かかることもありますが、これらの費用もまとめて賃借料の勘定科目で仕訳ができます。
事務所の門前用の門松一対をレンタルし、設置費用と撤去費用込みで15,000円かかったときは、次のように仕訳をしましょう。
借方 | 貸方 | 摘要 | |||
---|---|---|---|---|---|
賃借料 | 15,000円 | 現金 | 15,000円 | 門前に設置する門松一対(設置・撤去費用込み) |
適切な勘定科目で正月飾りの仕訳をしよう
事務所用に購入・レンタルした正月飾りは、経費として計上することができます。正月飾りの使用期間は1年未満なので、消耗品費の勘定科目を使うことが一般的です。正しく仕訳をするのはもちろんのこと、地域の風習に合った適切な時期に処分するようにしましょう。
また、普段は正月飾りを購入しない場合は雑費の勘定科目で仕訳をすることもあります。門松はレンタルするケースも多いですが、レンタルした場合は賃借料の勘定科目を使用して仕訳をしましょう。
門松をレンタルした場合、別途、設置費用や処分費用が発生しても、まとめて賃借料として仕訳をすることができます。後で帳簿を見返しやすいように、摘要欄に詳細も記しておきましょう。
よくある質問
正月飾りは経費にできる?
事務所のために飾るものであれば、経費として計上できます。しめ縄や門松、鏡餅などのすべての正月飾りは経費の対象です。詳しくはこちらをご覧ください。
正月飾りを消耗品費で仕訳するポイントは?
基本的には正月飾りは松の内の期間だけ使用するので、消耗品費の勘定科目を使うことが一般的です。ただし普段は飾らない場合やレンタルした場合は、それぞれ雑費、賃借料で仕訳をします。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
経過勘定科目とは?概要と仕訳の具体例を解説!
経過勘定科目とは、経過勘定を処理するための科目のことです。会計帳簿をつける上で経過勘定科目は重要です。なぜなら、経過勘定科目を使うことで、正しい損益を求めることができるからです。 ここでは、経過勘定の概要や経過勘定科目を使った仕訳、未決済項…
詳しくみる未収収益とは?どんな勘定科目?未収入金や売掛金との違い、仕訳を解説
未回収の債権には、売掛金や未収入金、未収収益などさまざまな勘定科目のものがあります。また、それぞれで意味や使い方が異なります。しかし、売掛金や未収入金に比べ、未収収益について正しく理解している人は少ないでしょう。 そこで、ここでは未収収益に…
詳しくみる借入金とはどんな勘定科目?種類や仕訳まで解説
法人が事業を続けていくなかで、仕入や費用の支払いのや企業の成長への投資のためなど、さまざまな理由で金融機関などからお金を借りることがあります。融資を受けたお金のことを「借入金」といいます。しかし、ひとくちに借入金といっても、多くの種類があり…
詳しくみる受取手数料とはどんな勘定科目?仕訳まで解説
受取手数料は、事業者が本来の業務外で取引相手などから受け取った手数料を示す勘定科目です。手数料による収入が主な事業の場合は、受取手数料の勘定科目を使用しない点に注意が必要です。この記事では、受取手数料の性質と仕訳例を解説します。 受取手数料…
詳しくみる保険料を経費にする場合の仕訳に使う勘定科目まとめ
法人や個人事業主が事業の継続に必要な生命保険や損害保険などの保険料を支出したとき、経費として処理できます。支出した保険料の仕訳は、保険の種類や内容、保険金の受取人によって勘定科目が異なるため、注意しましょう。 本記事では、保険料を支払って経…
詳しくみる紹介料を経費計上するなら?勘定科目や仕訳の具体例を紹介
人材紹介をビジネスとしている法人への代価や、工事を仲介してもらった個人への謝礼など、紹介料の支払いが発生する場面はさまざまです。紹介料として支払った費用を会計処理する際、勘定科目は交際費を用いるのが適切なのでしょうか。 この記事では、紹介料…
詳しくみる