• 更新日 : 2021年7月9日

確定申告を修正するには?修正申告、訂正申告などの方法を解説

確定申告を修正するには?修正申告、訂正申告などの方法を解説

確定申告は納税者自身が所得税額を計算し、申告する手続きです。申告式になっているため、計算をミスする、記入漏れや計上漏れがあるなど、確定申告の内容に誤りが見つかることもあります。もしこのような誤りがあった場合、どう修正すれば良いのでしょうか?すでに行った確定申告を修正したい場合の方法として考えられるのは、訂正申告、修正申告、更正の請求の3つです。この記事では、それぞれのやり方や添付書類、期限などを詳しく解説していきます。

確定申告は修正できる?

先述のとおり、確定申告の内容を修正する手続きには、訂正申告、修正申告、更正の請求の3つがあります。これらはそれぞれ以下のようなケースで行う手続きです。詳細を1つずつ確認していきましょう。

 
適用されるケース
期限
訂正申告法定申告期限内の修正法定申告期限まで
修正申告法定申告期限後の修正
(納税すべき額が増える場合)
税務署の更正まで
更正の請求法定申告期限後の修正
(納税すべき額が減る場合)
法定申告期限から5年以内

訂正申告とは

所得税の確定申告は、例年3月15日が申告期限となっています。訂正申告とは、確定申告の申告期限内に申告内容を訂正し、再提出する手続きのことをいいます。

訂正申告のやり方

訂正申告は、確定申告をやり直すイメージです。ここでは郵送や窓口提出の場合と、電子申告の場合に分けて訂正申告のやり方をご説明します。

  • 郵送や窓口提出の場合
  • 確定申告書を再作成し、誤っている部分を訂正します。訂正にあたっては、訂正した部分がわかるように目印をつけるなどの必要はありません。訂正後の確定申告書を作成したら、管轄の税務署に再提出します。

  • 電子申告の場合

電子申告で訂正申告を行うときは、訂正後の確定申告書を送信するだけで手続きが完了します。新しく申告した内容が自動的に反映されるため、別途、税務署に再送信したことを連絡する必要などはありません。

e-Taxソフトを使って訂正申告をするときは、以下の手順で行います。

  1. 「申告・申請等一覧」画面を開き再送信するデータを選択する
  2. 訂正が必要な帳票を開き、訂正して「作成完了」をクリックする
  3. 「別名保存確認」画面が表示されたら、別名で保存する
  4. 「署名可能一覧」画面を開き、再送信するデータを選択して電子署名をする
  5. 「送信可能一覧」画面から送信する

訂正申告に必要な書類

訂正申告に必要な書類は以下のとおりです。

  • 訂正後の確定申告書
  • 本人確認書類(書面の場合)
  • 追加で添付が必要になった書類

訂正申告では、訂正した部分のみの再提出は認められません。必ず、訂正が必要な箇所を反映させた確定申告書を再提出します。なお、郵送・窓口提出で再提出する際は、本人確認書類の再添付または再提示が必要です。郵送であれば、マイナンバーカードの両面の写しなどを台紙に張り付けて再提出します。

はじめの確定申告で提出した添付書類については、再提出する必要はありません。これは、書面提出の場合、生命保険料控除証明書など原本の添付が必要な書類もあり、再取得に時間がかかるためです。ただし、訂正により新たに添付書類が必要となった場合、その書類は添付しなければなりません。

訂正申告の注意点・ポイント

  • 書面での訂正申告はわかるようにしておく
  • 電子申告による訂正申告は、システム上、新しい申告内容が反映されます。しかし、郵送や窓口提出により書面で申告する場合、訂正申告なのかどうかわかりにくいものです。手違いを防ぐためにも、訂正申告の際は「訂正申告」と記載し、前回申告した年月日も記載しておきます。

  • はじめの確定申告が還付申告の場合は問い合わせが必要
  • はじめに確定申告した内容が税金の還付(所得税を多く払い過ぎていた場合に過剰分の還付が受けられる)だった場合、還付の処理がすでにはじまっている可能性があります。通常は申告から1ヶ月~1ヶ月半ほどで還付されますが、電子申告の場合は申告から2~3週間で指定の銀行口座に還付されることもあり、そのまま訂正申告をすると問題が生じることがあるのです。

すでに還付が開始されているという連絡が届いている場合はもちろん、還付申告の場合は訂正申告を送る前に、管轄の税務署に問い合わせて対応を確認しましょう。

修正申告とは

修正申告とは、確定申告の期限を過ぎたあとに申告額の修正を行う手続きです。誤って税額を少なく申告していた場合、または還付金を多く申告していた場合は、修正申告を行い不足分の所得税を納付します。

修正申告のやり方

修正申告は、以下のような流れで行います。

  1. 修正申告書を作成する
  2. 確定申告書(申告書B第一表)に修正申告額を反映させる
  3. 所轄の税務署に提出する

修正申告書の税務署への提出は、郵送や窓口提出のほか、電子申告でも可能です。国税庁の「更正の請求書・修正申告書」の作成コーナーを利用する場合は、修正申告書などを作成したのち、e-Taxを使って申告できます。

修正申告に必要な書類

修正申告で必要になるのは以下の書類です。

  • 修正申告書
  • 確定申告書(申告書B第一表)
    • 修正申告書

修正申告書(所得税及び復興特別所得税の修正申告書(別表)、確定申告書第五表ともいわれる)は、修正により変動する所得税額を明確にするための書類です。修正申告書には、修正前の税額の計算(所得金額、所得控除、税金の計算、税額控除)、修正申告により増加する税額、修正申告によって異動した事項などを記載します。

    • 確定申告書(申告書B第一表)

修正申告の際は、所得額や所得控除、所得税額などを記載する確定申告書(申告書B第一表)もあわせて提出しなければなりません。修正申告で提出する第一表には、修正後の金額を反映させます。修正申告書とあわせて確認することで、修正前と修正後の額、所得税の増加額がわかる仕組みです。

修正申告にあたり、新たに添付が必要な書類が発生した場合は、その書類も添付します。

修正申告の注意点・ポイント

  • 修正に気づいたら速やかに申告する
  • 修正申告は、税務署の更正が行われるまでに可能な手続きです。税務署の更正とは、税額の計算などが税法の規定に適っていなかった場合、税務署長が調査を行うことで納税額などが改められることをいいます。税務署の更正が行われると、修正申告ができなくなるだけでなく、追加納税額が加算される可能性もあります。修正が必要なことに気づいたら早めに修正申告をしましょう。

  • 納付時にあわせて延滞税も納付する
  • 修正申告により増加した所得税や復興特別所得税は、修正申告書を提出する日までに納付します。このとき、確定申告期限の翌日から発生する延滞税の納付もあわせて必要です(ただし、計算上端数切り捨ての部分もありますので、増加額が少なければ延滞税が課されないこともあります)。

  • 修正申告の場合、追加納税が課されることがある

修正申告で注意したいのは、ペナルティを課される場合があるということです。修正申告の場合、以下のような追加納税が発生する可能性があります。

修正申告による追加納税

修正申告をすると生じる新たな課税などについて詳しく理解しておきましょう。

過少申告加算税

税務調査や税務署からの指摘によって修正を行った場合は、過少申告加算税が課せられます。一方で、税務調査や税務署から指摘される前に自主的に修正申告を行った場合、過少申告加算税はかかりません。
過少申告加算税は、修正申告によって新たに納める税金の10%に相当する金額です。ただし、新たに納める税額が50万円を超えている場合、その超える部分については15%の割合になります。

無申告加算税

期限後に行った確定申告に対する修正申告の場合、どんなケースであっても無申告加算税が課せられます。原則的には、新たに納める税金のうち50万円以下の部分に対しては15%相当額で、50万円を超える部分に対しては20%相当額の金額となります。ただし、税務調査前に自主的に修正申告を行った場合は5%相当額に軽減されます。

延滞税

法定納付期限日から完納日までを対象期間として、新たに納付する本税に対して延滞税が計算されます。修正申告を行った日の翌日から2ヶ月以内に納めれば、延滞税の税率は原則として年7.3%(2021年1月1日から2021年12月31日までの期間は年2.5%)で、2ヶ月を越えると原則年14.6%(2021年1月1日から2021年12月31日までの期間は年8.8%)の割合となります。
また、期限日から1年以上経過したのちに修正申告を行った場合、期限日から1年を経過する日の翌日から修正申告書の提出日までの期間は、延滞税の計算対象期間から除外されます。しかし、重加算税が課されていないことが条件です。

重加算税

申告内容に仮装や隠ぺいの事実が認められた場合は、過少申告加算税と無申告加算税に代わり、重加算税が課せられます。過少申告加算税に代わり納付する重加算税は、納付する税金の35%相当額です。また、無申告加算税に代わる重加算税は、税金の40%相当額となります。

更正の請求とは

更正の請求は、確定申告の申告期限後に誤りに気づいた場合の手続きで、かつ、修正により納付すべき所得税が少なくなったり、あるいは還付金が増えたりする場合の手続きをいいます。

更正の請求のやり方

更正の請求は、以下のような流れで行います。

  1. 「所得税及び復興特別所得税の更正の請求書」を作成する
  2. 更正の請求の理由の証明となる書類を準備して添付する
  3. 所轄の税務署に提出する

国税庁のサイトには、「更正の請求書・修正申告書」の作成コーナーが設置されています。作成コーナーを利用すれば、指示に従って更正の請求書を簡単に作成できるほか、作成したものをe-Taxで送信できます。電子申告により更正の請求を行わない場合は、郵送または税務署の窓口で提出します。

更正の請求に必要な書類

更正の請求では、以下のような書類の提出または添付が必要です。

  • 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書
  • 更正の理由の事実を証明する書類
  • 本人確認書類の添付または提示(電子申告では不要)
      • 所得税及び復興特別所得税の更正の請求書

更正の請求書は、所得税の計算を所轄の税務署長に改めてもらう旨を申し出るための書類です。請求する税額の計算、還付される税金の受取場所のほか、請求の目的となった申告や処分と事実の発生日、更正の請求をする理由などを記載します。

      • 更正の理由の事実を証明する書類

更正の請求にあたっては、一定期間の取引に基づくものであれば記録などの事実を証明する書類を、それ以外の場合も事実を証明する書類を添付することと決められています。これは、事実を証明できる書類を確認せずに更正の請求を認めることになると、架空の請求が行われる可能性があるためです。そのため、更正の請求では事実の証明が重要視されています。また、事実の証明だけでなく、更正の請求に至った理由や事情も書類上で説明しなければなりません。

      • 本人確認書類の添付または提示(電子申告では不要)

なりすましを防ぐために、更正の請求では本人確認書類の添付または提示が必要です。ただし、電子申告ではマイナンバーカードをカードリーダで読み込むなどの手続きを行い送信するため、改めて本人確認書類を添付・提示する必要はありません。

 

更正の請求の注意点・ポイント

  • 更正の請求には期限がある
  • 更正の請求には期限があり、通常は法定申告期限から5年以内です。確定申告の必要がない会社員などが還付申告をした場合は、申告の日から5年以内が更正の請求の期限になります。更正の請求期限を過ぎた分については、仮に過大に所得税を納付した場合であっても、期間を遡って請求することはできません。実際に納付すべき額より多く納めてしまった場合、または還付金を少なく申告したことに気づいた場合は、速やかに更正の請求を行うようにしましょう。

  • 更正の請求が必ずしも通るとは限らない
  • 更正の請求は、あくまで税務署長に所得税を改めて計算してもらえるよう請求するものです。請求をしたからといって、その内容が通るとは限りません。更正の請求が受理されたあとは調査が行われ、請求額が適正か審査されます。この審査により請求の額が適正であると認められたときに、はじめて更正の請求の内容と所得税の還付が認められます。

よくある質問

訂正申告とは?

確定申告の申告期限内に申告内容を訂正し、確定申告書を再提出する手続きです。 詳しくはこちらをご覧ください。

修正申告とは?

納付すべき税額が当初の申告よりも多かった場合に行う手続きで、確定申告の申告期限後から税務署の更正を受けるまでの期間であれば行えます。詳しくはこちらをご覧ください。

更正の請求とは?

納付すべき額より多く納税していた場合に、請求額を提示し、所轄の税務署長に改めて所得税額を確認してもらうよう請求する手続きです。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。