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  • 作成日 : 2020年10月23日

営業利益の意味・定義とは? 経常利益、売上総利益、純利益との違いは?

営業利益 

この記事では「営業利益」の意味や定義をはじめとして、他の利益との違いや、経営への活用方法などをわかりやすく解説します。これらを踏まえることで、損益計算書をもう一歩深く読める知識が身につくでしょう。

営業利益とは 損益計算書での見方や計算方法

営業利益とは、本業としての成績を表す利益です。本業がわかりにくい場合は、主たる営業活動の成績を表す利益と捉えても問題ありません。
損益計算書(P/L)では、売上高から売上原価を差し引いた売上総利益から、販売費及び一般管理費を差し引いて計算されます。

営業利益の意味

営業利益が本業の成績を表す利益といわれるのは、以下の3つを使用して計算するためです。

  • 売上高
  • 売上原価
  • 販売費及び一般管理費

それぞれの損益計算書における意味は、以下の通りです。

1つ目の「売上高」は、その会社の本業としての商品やサービスの売上を意味しています。反対に、本業としていない商品やサービスの売上は、損益計算書では売上高とはならず、雑収益や雑収入となります。

2つ目の「売上原価」は、売上高に対応して直接かかるコストのことです。
具体的に売上原価に含まれるものには、商品であれば仕入にかかるコスト等、製品であれば材料費や工員の人件費等、サービスであれば提供する従業員の人件費等があります。

3つ目の「販売費及び一般管理費」は、売上原価以外で営業活動に関連するコストを指します。具体的には、販売員の人件費や交際費通信費などです。

以上の3つは本業に関係する収益と費用のみであるため、営業利益は本業の成績を表す利益といわれます。

営業利益をみれば企業の本業で稼ぐ力がわかる

損益計算書では、営業利益が大きいほど経営が良好だといえるでしょう。営業利益が大きい場合は、本業でもうかっていることを表します。
反対に営業利益がマイナスの場合は、営業損失や本業赤字といわれます。このような状況は基本的に、その本業を継続していくことが困難な状況と考えられるのです。

営業利益の計算式と具体例

営業利益の計算式は以下の通りです。

【計算式】
営業利益 = 売上高 - 売上原価 - 販売費及び一般管理費
または
営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費
※売上総利益 = 売上高 - 売上原価

具体例で計算してみましょう。
例として、
売上高〈100〉 売上原価〈50〉 販売費及び一般管理費〈20〉
とします。

売上高〈100〉 - 売上原価〈50〉 - 販売費及び一般管理費〈20〉 = 営業利益〈30〉
この場合の営業利益は30になります。

数値だけを見ると、売上総利益がプラスのため、商品やサービスそのもので利益が出ていると分析できます。
売上総利益〈50〉 = 売上高〈100〉 - 売上原価〈50〉

さらに販売費及び一般管理費〈20〉を引くと、結果として営業利益は〈30〉となるため、営業方法・販売方法も適切といえるでしょう。

売上総利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益との違い

営業利益

上の図は、実際の損益計算書で各利益の計算を表した図です。
各利益の計算式と意味から、営業利益との違いを解説していきます。

売上総利益

  • 計算式
  • 売上総利益 = 売上高 - 売上原価

  • 意味
  • 売上総利益は、商品やサービスそのものの成績を表す利益です。
    営業利益との違いは販売費及び一般管理費の有無、つまり販売・営業にかかるコストを考慮しているかいないかということです。

営業利益

  • 計算式
  • 営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

  • 意味
  • 営業利益は商品やサービスそのものの成績を表す粗利益(売上総利益)から、販売・営業にかかるコストを差し引くため、本業の成績を表す利益と考えることができます。

経常利益

  • 計算式
  • 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益営業外費用

  • 意味
  • 経常利益は営業利益に営業外の損益を反映させたもので、資金運用の巧拙を含めた事業としての成績を表す利益です。
    具体的な例として、営業外収益には株などの受取配当金や貸付金の受取利息、営業外費用には借入金支払利息等が含まれます。
    営業利益との違いは、資金運用の成績が反映されているかいないかという点です。営業利益は本業に関係する成績を表していますが、経常利益は本業の成績にそれ以外の損益を加えて表します。

税引前当期純利益

  • 計算式
  • 税引前当期純利益 = 経常利益 + 特別利益 - 特別損失

  • 意味
  • 税引前当期純利益は、税金(法人税等)を納める前の、会社としての成績を表す利益を指します。
    特別損益とは、臨時的な要因による損益のことです。具体的な例として、特別利益には不動産の売却益、特別損失には災害による損失等があります。
    営業利益との違いは、資金運用の成績と臨時的な要因による損益が反映されているかいないかという点です。

当期純利益

  • 計算式
  • 当期純利益 = 税引前当期純利益 - 法人税等 ± 法人税等調整額

  • 意味
  • 当期純利益は、税金の影響を加味した上で会社の最終的な成績を表す利益です。
    法人税等とは会社の利益に対して課税される税金を指し、具体的には法人税・住民税・事業税があります。
    法人税等調整額とは、会計と法人税等の計算のズレを調整するための項目で、プラスになったりマイナスになったりします。
    当期純利益と営業利益の違いは、資金運用の成績と臨時的な要因による損益、法人税等の影響が反映されているかいないかということです。

営業利益を活用する方法

営業利益は、以下の3つの要素に分けることができます。

  • 売上高
  • 売上原価
  • 販売費及び一般管理費

営業利益を改善する場合は、この3つのうち単独または複数にアプローチしていくことになります。

まず、単独的なアプローチとして売上高を例に解説しましょう。
売上高を上げるためには通常、販売数量を増やすか、販売価格を上げるかのどちらかの方法をとります。
販売数量を増やすのであれば、新たな販路を開拓したり、広告宣伝を行い商品やサービスの認知度を上げていったりします。
販売価格を上げるためには、単純に値上げをする、複数の商品を組み合わせて付加価値を上げるなどの方法が考えられます。

次に、複合的なアプローチとして売上高と売上原価を例に解説しましょう。
商品やサービスのクオリティーを上げる方法をとると、結果的に売上高と売上原価が増加します。一般的には売上高のほうが多く増えるため、営業利益を上げられるのです。

売上高営業利益率で総合的な収益性を計る

営業利益の金額はもちろん大切ですが、営業利益率も併せて確認するようにしましょう。営業利益率は以下の計算式で求めることができます。

【計算式】
営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 売上高 × 100

営業利益率は、売上高のうちどのぐらいが営業利益として残るかを割合で示す指標です。どの程度の水準が適切かということは、業種によって異なります。
一般的に、不動産業や専門技術サービス業などは、営業利益率が高くなる傾向にあります。反対に、小売業や卸売業は営業利益率が低くなることが多いでしょう。

営業利益率についてまとめると、営業利益率が高い場合は、商品に高付加価値を与える戦略をとっていることが多いようです。反対に営業利益率が低い場合は、薄利多売(はくりたばい)の戦略をとるケースが多く見受けられます。
薄利多売とは、1つの取引自体での利益は小さいものの、取引数を増やすことで結果的に利益を上げることをいいます。

>>売上高営業利益率とは?財務分析に必要な計算式や業種別平均を紹介

その他財務諸表分析にも

営業利益を使った重要指標の1つに、総資本営業利益率(ROA)という指標があります。総資本営業利益率の計算式と意味は以下の通りです。

  • 計算式
  • 総資本営業利益率(%) = 営業利益 ÷ 総資本 × 100

  • 意味
  • 総資本営業利益率は、会社の総資本がどの程度の営業利益を生み出しているかを表す指標です。総資本営業利益率が高いほど経営効率が良いと判断されます。

    総資本営業利益率の補足として、一般的には営業利益だけでなく当期純利益や経常利益を使って分析することが挙げられるでしょう。この記事では、本業の利益に対する経営効率を測る指標として解説しています。

>>ROEとは?ROAとの違いと目安・計算式を解説

賞与原資を算出する業績指標にも

営業利益は、社長・取締役などの役員や従業員のボーナスを決定する指標として用いられることがあります。
このような賞与を特に、業績連動型賞与といいます。
業績連動型賞与は、営業利益の一定割合を賞与原資とすることで、役員や従業員のインセンティブ(役員や従業員のモチベーションアップのための施策)に充てるのです。

営業利益の意味を理解して経営に活かそう!

営業利益とは本業の成績を表す利益で、売上高から売上原価・販売費及び一般管理費を差し引いて計算されます。
営業利益の意味や計算式、活用方法を把握しておけば、本業の成績を上げるための分析に役立つでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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