- 更新日 : 2024年11月5日
入金消込サービスとは?自動化・効率化できる?よくある課題も解説
入金消込とは、売掛金の入金を消し込む作業のことです。手入力で行う入金消込にはさまざまな問題があります。入金消込は、できるだけ自動化や効率化を進めて手入力によるミスが生じないようにすることが重要です。この記事では、入金消込の課題や自動化・効率化の方法について紹介します。
目次
入金消込サービスとは
入金消込の自動化・効率化を実現するなら、マネーフォワード クラウド債権管理がおすすめです。3つの特徴を紹介します。
入金データを自動取得し、一括で入金消込できる
マネーフォワード クラウド債権管理は、複数の金融機関の入金データと連携できます。データを自動取得して、AIを使った自動照合により、一括で入金消込ができます。
複数請求や分割入金でも自動で紐づけ照合できる
売掛金の回収は請求書の金額単位で行われないこともあります。1つの請求書につき、分割で入金されることもあるためです。マネーフォワード クラウド債権管理は、複数請求や分割入金も自動で紐づけて照合できます。
さまざまな債権管理帳票を簡単に出力できる
マネーフォワード クラウド債権管理なら、債権の確認に必要な未入金の一覧や前受金の情報、請求に関する残高年齢表などの帳票を簡単に出力できます。
そもそも入金消込とは?
入金消込とは、売掛金に対する消込作業のことです。商習慣として、企業間取引を中心に掛取引が行われています。掛取引とは、後日、代金を支払う約束で商品やサービスを提供する取引のことです。売上に対する掛取引を売掛金といいます。入金消込は、売掛金について、取引先から期限までに入金があったか確認し、入金が確認できたら売掛金のデータを消していく作業です。
入金消込を実施するまでの流れは?
入金消込はどのような流れで行うのか、入金消込までの3つのステップを解説します。
売掛金が発生する
売掛金とは、売上に対する掛取引のことです。商品やサービスを取引先に提供したものの、代金をまだ回収できていない状態をいいます。売掛金は、掛取引で売上が計上された段階で発生します。
売掛金を回収する
売掛金として計上されていた金額については、後日入金があった段階で回収できたことになります。売掛金を回収した時点で関連する債権は消滅します。
入金消込を実施する
売掛金の入金を確認したら、請求金額と入金金額が一致しているかチェックします。過不足がある場合は、取引先に確認するなどの対処が必要になるため、入金後できるだけ速やかに確認を済ませましょう。入金額と請求額に問題がなければ、会計上の処理として、売掛金を消滅させる処理が必要です。仕訳については後述します。
入金消込に必要な仕訳・勘定科目は?
入金消込の仕訳について説明する前に、入金消込に関わる売掛金がどのようにして計上されるのか知っておく必要があります。以下は、売掛金が発生したときの仕訳です。売掛金は代金を回収する権利として資産に含まれるため、発生時には借方で仕訳します。
(例)掛取引により10万円を売り上げた。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
売掛金 | 100,000円 | 売上高 | 100,000円 |
売掛金の入金が確認できて入金消込をする際には、債権である売掛金を消滅させる処理が必要です。会計処理上は、売掛金発生時とは逆の貸方に計上して売掛金を消します。
(例)売掛金10万円について普通預金に入金があった。
借方 | 貸方 | ||
---|---|---|---|
普通預金 | 100,000円 | 売掛金 | 100,000円 |
入金消込の業務によくある課題は?
手動で入金消込をしている場合によくあるトラブルを紹介します。
手動の入金消込作業に手間がかかる
入金消込作業を手動で行う場合、口座の入出金履歴をひとつひとつ確認しながら仕訳を行い、会計ソフトなどのシステムに入力する必要があります。1件1件、請求書と突き合わせて金額に誤りがないか確認してから入力するため、入金件数が多いと担当者の負担は重くなります。
売掛金と実際の入金の合計額に差額が生じる
手入力で入金消込を行うと、入力ミスが生じることがあります。回収した売掛金の額を誤って入力してしまうと、売掛金の残高と実際の入金の合計額との間に差が生まれます。入力ミスがあると、新たに入力したデータを確認して、誤って入力したデータを見つけなければなりません。入力ミスが多いと、作業効率が落ちてしまい、余計に入金消込に時間をとられてしまいます。
売掛金を回収できず資金繰りが悪化する
売掛金の入金は、締め日の関係により、ある時期に集中しやすい傾向があります。取引が多いと、手入力ではすぐに入金消込できないことがあります。入金消込が遅れるということは、取引先からの入金が遅れていても、すぐに入金されていない事実を確認できないということです。取引先への確認が遅れると回収にも時間がかかり、資金繰りの悪化を招くこともあります。
入金消込の業務を自動化・効率化する方法は?
入金消込を効率化または自動化する方法として、おすすめの方法を3つ紹介します。
銀行振込のデータ連携を行う
入金消込を効率化する方法のひとつに、銀行振込のデータと会計システムなどを連携させる方法があります。データ連携のメリットは、自動で銀行の入出金情報を取得できることです。自動で金額を取得できることから、手入力によるミスを低減できます。ただし、データ連携ができるのは、金融機関と提携しているシステムに限られます。利用している会計システムに銀行データとの連携機能があるか、銀行がデータ連携に対応しているか確認が必要です。
口座をリアルタイムで確認できるようにする
預貯金口座の入出金情報をリアルタイムで把握する方法として、インターネットバンキングの利用があります。窓口のある都市銀行などでも、手続きをすることでインターネット上から各種サービスを利用できる仕組みです。インターネットバンキングの利用手続きを行うことで、Webサイトや専用のアプリから口座残高の確認や振込などができるようになります。口座をすぐに確認できるようにしておくと、通帳記帳の手間が省け、タイムラグも生じなくなるため、入金漏れなどを素早く確認できます。
入金消込に対応したサービスを導入する
対象の入金消込が必要な場合は、作業を自動化できる入金消込に対応したサービスの導入が考えられます。入金額と請求書の額の照合などが自動でできるため、チェック作業の負担軽減ができます。また、システム上で処理されるため、手入力による入力ミスが生じにくい点も導入のメリットです。入力ミスや消込漏れによる再請求、確認漏れによる未回収債権のリスクを低減に役立ちます。
面倒な入金消込は自動化・効率化を考えよう
手入力で入金消込をすると、取引データが多くなるほど確認作業に手間取り、効率が落ちてしまいます。面倒な入金消込作業は、自動化・効率化できるシステムの導入がおすすめです。データを自動で取得できるシステムであれば、入力ミスなども防止できます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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