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  • 更新日 : 2021年5月25日

個別法とは?原価法の棚卸資産評価方法のひとつ!仕訳例までわかりやすく解説

個別法とは?原価法の棚卸資産評価方法のひとつ!仕訳例までわかりやすく解説

商品や製品などを取り扱っている事業者は、期末になると商品や製品などの棚卸しをする必要があります。棚卸しとは、簡単にいうと、期末に事業者が所有している商品などがいくらなのかを評価することです。
実は、棚卸資産の評価方法には、さまざまなものがあります。ここでは、棚卸資産の評価方法の基礎となる個別法について詳しく解説します。

個別法とは?

個別法とは、英語では「specific identification method」といい、棚卸資産を評価する方法の一つ。棚卸資産ごとの購入単価を用いて、そのまま商品の価値を確定とし計算する方法です。

つまり、A2,000円、B1,500円、C5,000円で商品を仕入れ、期末にCだけが在庫として残っていたら、その棚卸商品の評価額も5,000円として計算するのが個別法です。

個別法
個別法は基本法の規定に基づいて、棚卸資産ごとに個別に払出し単価を計算するという方法で、棚卸資産の商品としての実際の動きそのままに確定させる方法です。棚卸資産の商品の「実際の動き」とは、受入、払出、残高のことです。個別法はどちらかと言うと価格帯が高く、個別であることが認識できる商品、つまり仕入れと在庫との個別の対応関係が分かりやすい宝石や貴金属などに向いています。個別法は、商品の実際の動きに忠実であるという特徴があります。

個別法においては、棚卸資産が販売された時点で、取得価額と売上原価が同額としてそのまま、必要経費になります。この費用収益対応の原則の適用が事実に適しているのがメリットの一つです。一方で、個別法の管理には手間がかかるという側面もあり、デメリットと言えます。

原価法とは?

棚卸資産の評価方法には、大きく分けて「原価法」と「低価法」の2つがあります。原価法とは、原価(仕入価格など)を基に棚卸資産を評価する方法です。一方、低価法とは、原価と期末の時価を比べ、低いほうの金額をもって棚卸資産の評価額とするという方法です。

棚卸資産の評価方法としては原価法のほうが一般的で、個別法やあとで述べる総平均法などの計算法も原価法の計算方法のひとつです。一般的には、原価法を採用する事業者が多いです。

棚卸資産のその他の評価方法との違い

個別法以外の棚卸資産の評価方法には、次のものがあります。

先入先出法

先入先出法とは、先に仕入れたものから先に売れていくという考え方に沿った棚卸資産の評価方法です。そのため、期末に残った棚卸資産は、時期的に後で仕入れた商品が残っていることになり、期末の時価に近い価格になります。

総平均法

総平均法とは、 棚卸資産を種類別に区別し、期首に残っている商品等と期中で購入した商品等を合算し、総数量で割った平均単価を棚卸資産の評価額とする方法です。計算はシンプルですが、期末にならないと評価額が計算できないデメリットもあります。

移動平均法

移動平均法とは、仕入れごとに平均単価を計算し直す評価方法です。頻繁に単価計算をしていくため、手間がかかりますが、随時評価額を計算できるメリットもあります。

最終仕入原価法

最終仕入原価法とは、期末に最も近い日に仕入れた商品等の価格を、期末棚卸資産の価格として計算する方法です。計算がしやすいというメリットがありますが、期末まで計算できないデメリットがあります。棚卸資産の評価方法を特別に選択しなかった場合は、最終仕入原価法で計算することになります。

売価還元法

売価還元法は棚卸資産の評価額を売価から求めるという方法です。具体的には、期末在庫棚卸高(売価)に原価率を乗じて、原価を求めます。商品ごとの原価を求めることが難しい小売業などで用いられることが多いです。

個別法のメリット・デメリット

個別法は、期末棚卸資産を個別に仕入時の価額で評価する方法です。個別に計算をするため、期末の価格を正確な取得原価で評価できるメリットがあります。また、売上と原価が対応するため、期間損益の計算も正確に行うことができます。

デメリットとしては、管理が大変という点があげられます。仕入価格を棚卸資産ごとに、個別で管理しなければならないため、請求書や納品書などもしっかりと管理し、個別の資産に正確に紐づけておく必要があります。個別で受け入れから出荷までを管理しておかなければならず、多くの手間がかかります。

個別法が向いているのはどんな棚卸資産?

個別法を採用するためには、商品であれば、仕入れから販売に至るまでの過程を通じて具体的に個品管理が行われている必要があります。製品や半製品、仕掛品であれば、取得・販売・消費のプロセスにおける個別管理に加え、個別原価計算を実施する必要があります(個別管理を行うことなどに合理性が必要)。そのため、販売数の多いものは個別法には向きません。

個別法に向いているのは、商品単価が高く、物流数の少ない個別性のある商品です。例えば、宝石や美術品、商品としての不動産や建築物などが個別法に向いている棚卸資産といえます。

個別法を用いた棚卸資産評価の具体的な会計処理

ここからは、個別法を用いた棚卸資産評価の具体的な会計処理を見ていきましょう。
例)期首商品Aの評価額は10万円だった。期中に商品Bを10万円、商品Cを3万円、商品Dを5万円で仕入れた。商品Aと商品Bは、期中で売却した。期末には商品Cと商品Dの2つが在庫として残った。
個別法の場合は、商品それぞれの仕入価格が期末棚卸商品の評価額となります。期末には、商品Cと商品Dが在庫としてあるため、期末商品棚卸高は次のようになります。

期末商品棚卸高=商品C(3万円)+商品D(5万円)=8万円

上記の例による期末棚卸の仕訳は次のとおりです。

借方貸方
期首商品棚卸高100,000円商品100,000円
商品80,000円期末商品棚卸高80,000円

個別法を理解して棚卸資産を適切に管理しよう

棚卸資産の評価方法には、さまざまな方法があります。個別法は、期末棚卸資産を個別に仕入時の価額で評価する方法です。個別に計算をするために、期末の価格を正確な取得原価で評価することができるメリットがあります。

しかし、個別に商品などを管理する必要があるため、大量に仕入が発生するものには個別法は向いていません。宝石や美術品、商品としての不動産や建築物などが個別法に向いています。これらの商品を扱う場合には個別法を用い、棚卸資産を適切に管理しましょう。

よくある質問

個別法とは何ですか?

個別法とは棚卸資産を評価する方法の一つで、棚卸資産ごとの購入単価を用いて、そのまま商品の価値を確定とし計算する方法です。詳しくはこちらをご覧ください。

個別法はどんな棚卸資産に向いているのでしょうか?

個別法に向いているのは、商品単価が高く、物流数の少ない個別性のある商品です。詳しくはこちらをご覧ください。

個別法にはどんなメリットがありますか?

個別に計算をするため、期末の価格を正確な取得原価で評価できる点が大きなメリットです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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