• 作成日 : 2024年11月5日

経費精算にICカードは導入できる?メリットや手順を解説

経費精算には、ICカードを活用できます。とくに出張や営業の交通費精算はICカードと相性がよく、生産性向上につながるでしょう。

交通費精算をICカード連携するには、経費精算システムが必要です。今回の記事では、交通費精算の効率化について、やり方や注意点なども含めて詳しく紹介します。

ICカードが導入できる経費精算業務

経費精算は、ICカードを導入することで効率化が可能です。具体的にICカードが導入できる経費精算業務には、交通費精算があります。交通費とは名前の通り、営業や出張などで業務上の移動で利用した公共交通機関やタクシーなどの利用実費です。

出張の飛行機や新幹線代を除けば、交通費の多くは数百~数千円程度の少額でしょう。少額の精算が数多くあることが交通費精算の特徴で、多くの企業で負担を感じている業務です。

従業員が多ければ多いほど交通費精算の件数は多くなるため、経理担当者の負担も膨大になります。ICカードを導入することで、交通費精算にかかわる事務負担を大幅に軽減できます。

交通費精算にICカードを活用するメリット

交通費精算にICカードを導入することには、次のようなメリットがあります。

  • 経費申請する従業員の負担が減る
  • 承認者の確認作業が効率化できる
  • 経理担当者の工数を削減できる
  • 不正を防止できる

それぞれのメリットについて、紹介していきます。

経費申請する従業員の負担が減る

交通費精算にICカードを導入することで、経費申請する従業員の負担を大幅に軽減できます。交通費精算はバスや電車など少額の精算を1件1件行うため、外回りをする営業の方などは申請作業に大きな事務負担を感じているかもしれません。

ICカードを活用すれば、膨大な交通費を手作業で入力する必要もなくなり、申請作業を大幅に軽減できます。ICカードをカードリーダーにタッチするだけで正確な履歴を読み込んでくれるため、ミスもありません。入力ミスや計算ミスを修正する作業もなくなるため、交通費精算にかける時間を大幅に短縮できるでしょう。

承認者の確認作業が効率化できる

交通費精算にICカードを導入することで、承認者の確認作業が効率化できます。ICカードを利用した交通費精算では、交通費の履歴や金額を自動で読みとってくれます。入力内容にミスがなくなるため、1件1件間違いがないかを確認する必要がありません。

確認作業が大幅に短縮されれば、承認が滞留してしまうことも防げます。承認者は管理職である場合も多く、交通費精算に割いていた時間をほかの管理業務に使えるようになり、組織全体の生産性向上につながります。

経理担当者の工数を削減できる

交通費の精算にICカードを導入すれば、経理担当者の工数削減ができます。経理担当者は交通費の最終的な確認だけでなく、従業員への払い戻しの処理も行っています。交通費のような少額の精算では、小口現金を使っている場合も多いでしょう。

そのため1円でもミスがあれば、経理担当者は多くの時間を割いて間違いを確認する必要があります。また申請内容に間違いがなくても、申請内容をエクセルなどに入力する際にミスが起きてしまう可能性もあります。ICカードを導入することで手入力によるミスなど、従来の非効率事務がほとんど解決できるでしょう。

不正を防止できる

交通費精算にICカードを導入することで、不正防止にもなります。交通費の精算は1件1件が細かく、件数も膨大です。そのためすべての交通費を細かくチェックすることは、困難です。

たとえば定期区間の交通費を申請されてしまっても、承認者や経理担当者がすべてをチェックするのは無理があるでしょう。ICカードを導入すれば実際に使用された金額でしか精算できないため、不正防止につながります。

交通費精算をICカードで行う方法

交通費精算をICカードで行うには、次の4つの方法があります。

  • 経費精算システムを利用する
  • 発券機の履歴印字を活用する
  • モバイルアプリを利用する
  • ICカードリーダーを利用する

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

経費精算システムを利用する

交通費精算をICカードで行う方法の1つが、経費精算システムを導入する方法です。ICカードで連携できる経費精算システムを導入することで、オンライン上で利用履歴を確認でき、さらに読みとったデータはそのままシステムに取り込めます。

交通費の金額も自動で入力されるため、入力の手間だけでなく目視での確認作業も軽減できます。またシステムの導入によりペーパーレス化も実現するため、交通費精算業務を大幅に軽減できるでしょう。

発券機の履歴印字を活用する

交通費精算でICカードを活用する方法の1つに、券売機の履歴印字を利用する方法があります。経費申請を行う際に手動で入力した申請書ではなく、履歴印字を提出することで作業を効率化できます。

この方法はシステムの導入などが不要なため、導入しやすい点が特徴です。システムや機械の導入が不要なため、どのような企業でも簡単に導入できるでしょう。また従業員にとっても負担が少ないため、受け入れてもらいやすいメリットもあります。

ただし履歴印字は、一定の件数や期間を超えた印字はできません。手間はかかるものの、こまめに券売機で印字する必要がある点には注意しましょう。

モバイルアプリ(Suica・PASMO)を利用する

交通費精算にICカードを導入する際、モバイルアプリを活用する方法もおすすめです。カードリーダーなどの機械を導入しなくても、アプリをインストールするだけでネットを介して交通費の登録や申請ができるようになります。

スマートフォンを使っての作業なため、時間や場所を問わずにすき間時間で交通精算が可能です。このように便利な方法ではありますが、社員全員にスマホの環境を整える必要がある点には注意しましょう。

ICカードリーダーを利用する

交通費精算にICカードを導入するには、自社内にカードリーダーを導入する方法もあります。ICカードをかざすだけでデータを読み込める便利な方法ではありますが、カードリーダーを導入するには一定のコストが必要です。

ICカードを交通費精算に利用する注意点

ICカードを交通費精算に利用する際には、次のような注意点があります。

  • ICカードリーダーは、社内でしかタッチできない
  •  モバイルアプリは、履歴保存数に上限がある
  • モバイルアプリの場合、対応端末か確認が必要

ICカードリーダーは、社内でしかタッチできない

ICカードリーダーを導入する方法は、非常に便利です。わざわざ券売機で履歴印字する必要がなく、タッチするだけでデータが読み込めるためミスもありません。しかしカードリーダーにICカードをかざすためには、出社する必要がありテレワークには向いていません。

モバイルアプリは、履歴保存数に上限がある

モバイルSuica・モバイルPASMOを利用する際には、履歴保存数に注意する必要があります。モバイルPASMOやモバイルSuicaは26週以内かつ最大100件までのデータしか保存されていません。そのため利用件数が多い場合は、定期的にデータを取っておく必要がある点には注意しましょう。

モバイルアプリの場合、対応端末か確認が必要

モバイルSuica・モバイルPASMOを交通費精算に活用する場合は、対応したスマ-トフォンが必要です。古い機種だと対応していないこともあるため、従業員に対して端末を配布する必要があるかもしれません。対応している端末の確認などが必要になる点にも、注意しましょう。

ICカードに対応する経費精算システムを導入する手順

ICカードに対応する経費精算システムを導入する手順は、次の通りです。

  1. システム導入後の新たな業務フローを作成する
  2. 経費精算システムを選定する
  3. ICカードリーダーの設置やカードの登録作業を行う
  4. 社内に周知する

システム導入後の新たな業務フローを作成する

これまで経費精算システムを使っていなかった会社が、経費精算システムを導入するとこれまでの多くのルールが利用できなくなります。これまで当たり前のように行ってきた経費精算ルールが、適用されない点に注意が必要です。

経費申請する従業員はもちろん、承認する管理職が負担を感じてしまう可能性があります。そこで必要なのが、前もって社内ルールを更新し周知することです。従業員に幅広く周知することで、従業員の負担も少なくスムーズに導入できるでしょう。

経費精算システムを選定する

次に導入する経費精算システムを選定しますが、選定するには自社の課題を洗い出す必要があります。自社の課題を明確にすることで、解決に必要な機能が把握できます。自社の課題解決に必要な機能を持っているシステムを選ぶことで、業務の効率化ができるでしょう。

ICカードリーダーの設置やカードの登録作業を行う

導入する経費精算システムが決まったら、システムに合わせたカードリーダーを導入します。カードリーダーを導入するかどうかは企業ごとの判断ですが、交通費精算の業務は大幅に効率化できるでしょう。

カードリーダーを導入する際には、どこに何台設置するかが重要です。オフィスのレイアウトにもよりますが、入口などに設置すると使い勝手がよいでしょう。また予算に余裕があるのであれば、ICカードリーダーの読み取り機能を持ったスマホを社員に配布して、手元で申請を出してもらうという方法もあります。

社内に周知する

経費精算システムを導入する際の一番の注意点ともいえるのが、従業員の感情的な反発です。いくら便利なシステムであっても、従業員からすれば従来の方法が変わることは負担に感じてしまいます。

新しいシステムを導入することで、作業が効率化できることなど、意義と目的をしっかりと伝えることが重要です。従業員への周知を怠ってしまうと、せっかく新しいシステムを導入したのにもかかわらず、ストレスがたまってしまい仕事の能率がさがってしまうこともあります。

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マネーフォワード クラウド経費のおすすめポイントは、次の通りです。

  • データの入力をカード連携やOCRで自動入力
  • 経費精算のペーパーレス化が実現
  • 振込・経理処理まで一気通貫で行える

マネーフォワード クラウド経費では、交通系ICカードと連携ができるため、交通費精算業務を大幅に効率化できます。ICカードと連携することで手入力する必要がなく、時間短縮はもちろん、入力ミスを防ぐことも可能です。

またモバイルSuica・モバイルPASMOと連携すれば、申請から承認までの一連の業務をスマホで行えます。時間や場所を選ばず交通費精算ができるようになるため、出社しなくても経費精算業務の処理が可能です。テレワークにも対応できるようになり、申請者や承認者の負担も減らせます。

さらに経費精算業務から従業員への振込までワンクリックで行えれば、経理担当者の業務も軽減できます。不正や計算ミスを防ぐこともできるだけでなく、早期にデータ連携できるため決算の早期化にも役立つでしょう。

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ICカード導入で経費精算は効率化できる

経費精算にICカードを導入することで、業務の効率化を図れます。具体的には交通費精算が楽になるため、無駄な事務の効率化が可能です。交通費精算は多くの社員が携わる業務であり、多くの企業は効率化に頭を悩ましています。

交通費精算をICカード連携すれば、申請者だけでなく管理者や経理担当者の作業を大幅に軽減できます。ICカード連携するには経費精算システムの導入などが必要ですが、社内への周知が重要です。

従来の業務を変えることになるため、説明が不足していると反発をまねきかねません。社内の抵抗感が強いと、せっかくシステムを導入しても無駄になってしまいます。交通費精算を効率化する際には、社内への周知にも注意しましょう。


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