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  • 更新日 : 2021年4月2日

電子帳簿保存法における保存期間と保存方法まとめ

電子帳簿保存法

国税の申告に関連して、作成した帳簿、作成あるいは受領した書類に関しては一定期間保存しなければなりません。紙による保存の場合はもちろん、電子帳簿保存法で規定する電子データで保存した場合も例外ではないです。この記事では、電子データで保存する場合の保存期間と保存方法について解説していきます。

そもそも電子帳簿保存法とは?

国税関連の帳簿書類の保存は、原則、紙で行うものとされていますが、電子帳簿保存法に対応した保存を行い、所轄の税務署に承認申請をすれば、電子データによる保存も容認されます。

電子帳簿保存法とは、電子データとして帳簿や書類を保存する場合、信頼できるデータとして保存が行われるように保存要件などを規定した法律です。帳簿を電磁的記録やCOMで保存する場合、書類をスキャナ保存する場合、電子取引が行われた場合で、電子保存の規定や要件が定められています。

電子帳簿保存法の申請方法

電子帳簿保存法に定められている帳簿や書類を電子保存する場合、管轄の税務署で承認申請を行わなくてはなりません。申請にあたっては、以下のような準備が必要です。

  • 電子保存をしたい帳簿や書類を決める(個別に申請が可能です)
  • 電子保存に移行する日付を決める
  • パソコンやプリンターなど、使用する電子計算機の機種や台数などを把握しておく
  • いつでも使えるように電子計算機の操作説明書を準備しておく
  • 電子保存にあたり、使用するプログラムを準備しておく
    会計ソフトやタイムスタンプが利用できるソフトなど)
  • 帳簿書類の電子保存の要件と、要件を満たす措置を確認する
    (要件を満たせていない場合は、要件を満たせるよう対策する)

上記の準備を整えた上で、承認申請書に記入、添付書類を用意して管轄の税務署に提出します。

申請期限

帳簿書類の電子保存を申請する場合、提出期限という意味では明確な期限はありません。しかし、承認申請を行った日で適用開始できる日付が変わってくるため、適用開始日から逆算して申請する必要があります。提出時期は、適用開始の3ヶ月前の日までです。1月1日から開始の場合は、9月30日までに申請しなければ適用できません。

申請方法や申請期限については、下記の記事で詳細を解説していますので、そちらをご覧ください。

電子帳簿保存法における保存期間は?

帳簿書類については、紙による保存、電子保存、いずれの方法でも一定期間保存することが決められています。紙によるか電子保存によるかで、保存期間が変動することはありません。ここからは、保存期間の詳細を解説していきます。

帳簿書類・電子データの保存期間は7年

電子データを含め、帳簿書類の保存期間は、法人の場合ですと確定申告書の提出期限翌日より7年です。以降は保存義務がありませんが、7年間は帳簿書類を保管しておく必要があります。なお、法人が電子取引による電子データのやり取りを行った場合も同様、保存義務は7年です。電子保存の場合は、電子帳簿保存法に定められた保存要件を満たしつつ、過去7年間分のデータを保存しなくてはなりません。
個人事業主に関しては保存期間が5年のものもあり、白色申告青色申告で異なります。

欠損金の繰越控除を受ける場合、保存期間は最長10年

設備投資や事業の売上落ち込みなど、さまざまな理由で、企業の利益がマイナスに転じることがあります。欠損金とは、その期のマイナスの利益、つまり純損失のようなものです。(正確には、税務上の益金から損金を控除したマイナスの額を指します)

青色申告の事業年度に欠損金が生じた場合は、以降10年以内に渡って、繰越控除、つまり所得から欠損金の額を差し引くことができます。繰越控除は、100分の50を限度に、中小法人などでは所得額を限度に欠損金分を控除可能です。繰越控除は10年以内であればできることから、例外として、欠損金が生じている場合には、帳簿書類の保存期間が最長10年まで延びます。
※個人事業主の繰越控除は3年以内であるため、法人のように最長10年保存する必要はありません。

電子化した後の紙の書類の保存期間は1年以内?

受領した書類などをスキャンして保存する場合、電子データのほかに、元データである紙データが手元に残ります。元データを捨てても良いのかという点が大きな問題です。元データの破棄に関しては、電子データ保存の承認申請日で破棄できる期間が異なります。

2015年9月30日以後に行われた承認申請については、例外を除き、請求書などの重要書類は定期的検査が行われるまで保存しなければなりません。当時、定期的検査は1年に1回以上と定められていたため、おおむね1年以内には破棄できると考えて良さそうです。

帳簿書類の保存方法と電子保存の運用

帳簿、書類、電子取引によるデータも、紙による保存であればいずれも認められます。しかし、電子データとして保存する場合、種類によっては利用できない保存方法もあるので注意が必要です。以下は、帳簿書類等の電子データ保存方法を表にしたものです。

 
電子データによる保存
スキャナ保存
マイクロフィルムの保存
帳簿
×
書類
電子取引
×

電子データによる保存方法

電子データでの保存は、使用したシステム上で電子データのまま保存する方法です。例えば、帳簿の作成は会計ソフトを利用して行われることも多いですが、電子データでの保存を承認申請すれば、会計ソフト上のデータをプリントアウトせずに保存できます。帳簿と書類で保存要件が異なりますが、一定の項目で検索できる、削除・訂正の事実を確認できるなど、電子帳簿保存法に対応したシステムを利用すれば電子データ保存での要件を満たすことが可能です。

スキャナ保存の方法

スキャナ保存は、相手から受領した紙の書類、あるいは相手に交付することを目的として作成した書類の写しを電子保存することを想定して定められている方法です。そのため、電子データとして存在する帳簿、電子取引によるデータはスキャン保存できません。

スキャン保存については、解像度や色調を一定以上満たす必要があります。また、受領後から入力(タイムスタンプ付与)までにも制限があります。例えば、タイムスタンプを付与する方法で運用する場合で、受領者とスキャンする人が同一の場合は、おおむね3営業日以内にタイムスタンプを付与して改ざん防止の対策を行わなくてはなりません。

マイクロフィルムの保存方法

電子帳簿保存法では、電子データの保存やスキャナ保存のほか、マイクロフィルムによる保存も認められています。マイクロフィルムとは、縮小撮影による写真技法のことです。帳簿、書類、電子取引のいずれにおいてもマイクロフィルムによる保存が認められています。

保存期間が終了した帳簿書類の処分方法

紙で保存しているデータに関しては、シュレッダーなどを利用して、情報を読み取れないようにした上で破棄するのが通常です。電子データの場合は、復元できないようソフトウェアを利用して完全にデータを削除するなどの方法があります。

ただし、保存期間は、あくまで税法上の保存期間です。削除しなければならない個人情報などが含まれていない限り、保存期間を超えて帳簿書類を保存していても特に問題はないと考えられます。特に、帳簿や決算書などの書類に関しては、会社の経営にかかわる重要な情報であるため、税法上の保存期間が過ぎたからといって、必ずしも処分する必要はありません。

重要なのは、保存期間が定められている帳簿書類は、保存期間までしっかり管理し、保管しておくことです。そして、管理のために運用方法を決めて、いつでも情報を取得できるようにする必要があります。

電帳法対応のマネーフォワード クラウドなら電子保存も安心

マネーフォワードクラウドのサービスでは、電子帳簿保存法に対応した電子保存も可能です。マネーフォワードクラウド経費では、対応したプランに申し込むことによって、経費精算の領収書や請求書を電子保存できます。

また、マネーフォワードクラウド請求書では、マネーフォワードクラウドBoxと連携することで2020年11月5日以降、受領した請求書等、メールや郵送した請求書等を、電子帳簿保存法に対応した形で電子保存できるようになりました。

電子帳簿保存法に規定される要件を満たして電子保存するには、さまざまな確認が通常は必要ですが、すでに対応しているシステムを導入するため、難しく考える必要はありません。サービスを利用して電子保存するだけで、簡単に電子帳簿保存法に対応したデータを保存できます。請求書や経費精算書の電子保存で事務作業の効率化を図りたいのであれば、マネーフォワードクラウドの利用を検討してみるのも良いでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

バックオフィス効率化で経理業務をラクにするなら

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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