- 作成日 : 2024年10月4日
費用とは?原価や損金との違いを解説
費用は会計上の基本的な概念で、損益計算書にも関連する項目です。そもそも費用とは、どのようなものを指すのでしょうか。この記事では費用の概要、原価や損金との違い、費用の計上タイミングについて、基本的な内容を解説します。
費用とは
費用は損益計算書に表示される項目です。企業の事業活動に伴い発生した、あらゆるコストを指します。損益計算書では、費用を売上原価、販売費及び一般管理、営業外費用、特別損失、法人税等に区分しています。
売上原価とは、商品の仕入原価など売上に直接関係のある費用のことです。販売費及び一般管理は企業の本業で発生した費用で、人件費や事務所家賃などが含まれます。
営業外費用は本業以外で生じた費用で、支払利息や社債利息などが含まれます。特別損失とは、災害損失などで臨時的に発生した費用のことです。法人税等は、法人税や法人住民税などの税金に関する費用を指します。
費用と原価の違い
原価とは売上高に直接対応する費用のことで、売上原価や製造原価などがあります。費用とは、原価や損失の額を含めたすべてのコストのことです。
法人税法第22条第3項では、原価や費用について以下のように規定されています。
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。
一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額
二 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額
三 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの
出典:法人税法|e-GOV
法人税法上の費用は原価や損失を含めたものではなく、会計上の販売費及び一般管理費に対応するものであることがわかります。
費用と損金の違い
損金は法人税法上の概念です。会計上の費用に相当するもので、法人税を計算する際に益金(会計上の収益に相当するもの)から差し引くことができる金額です。
法人税法上の損金と会計上の費用は似ていますが、金額が一致しないことがあります。会計上は費用に計上されているものの損金には該当しないもの(損金不算入)や、会計上は費用でないものの損金に該当するもの(損金算入)があるためです。
企業会計の目的が「適切な期間損益計算」であるのに対して、法人税の目的は「公平な課税」であるため、損金と費用の額には基本的にズレが生じます。
費用計上のタイミング
費用の計上は、企業会計原則に定める発生主義を基準に行われます。発生主義とは、取引が発生したタイミングや費用の発生原因が生じたタイミングで費用計上を行うことです。例えば、消耗品を店舗で購入した場合は購入時点で取引が成立したと考えるため、購入時点を基準に費用を計上します。
費用と関連する項目について整理しておこう
費用とは、事業活動で生じたあらゆるコストのことのことです。費用に関連する項目には、原価や損金などがあります。原価や損金とは意味が異なるため、基本的な概念として費用が何を意味するか整理しておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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