- 作成日 : 2024年12月9日
接待交際費の稟議書の書き方は?テンプレートや例文でポイントが分かる!
接待交際費の稟議書は、接待を行うことに対して社内の決裁を得るためのプロセスです。しかし稟議書にどのような事項を記載すべきか、分からない方も多いでしょう。
接待交際費の稟議には、目的や効果を明確に記載する必要があります。本記事では接待交際費の稟議書の書き方や例文など、詳しく紹介していきます。
目次
接待交際費の稟議書を作成するケース
接待交際費の稟議書とは、ビジネスの一環として取引先などを相手に行う接待や交際活動について必要な予算を得るためのプロセスです。稟議書はビジネスパーソンであれば書く機会の多い書類ですが、どのような意味があるでしょうか。稟議書とは裁量権や決定権を持っていない事項について、承認を得るために作成する書類のことです。
接待交際の稟議書は、接待費を決裁できる裁量のない社員が、会社の承認を得るために作成します。稟議書という書面で上層部に申請できるため、決裁をもらうのにわざわざ会議や面談の場を設ける必要がありません。また稟議書として決裁内容を記録に残すことで、透明性や予算の確保が可能です。
接待交際費の稟議書が作成になるケースには、次のようなケースがあります。
- クライアントとの会食
- 取引先へのお中元やお歳暮
- 取引先への香典やご祝儀
- ゴルフの費用
接待交際費の稟議書の書き方
ここからは、接待交際費の稟議書の書き方を見ていきましょう。
記載項目
上司から稟議書を書くように指示され、戸惑った経験のある方も多いのではないでしょうか。稟議書には次のような内容を記載します。
- 接待の目的
- 対象者の詳細
- 予定される活動
- 予算案
- 期待される成果
会社ごとに決まったフォーマットがある場合もありますが、おおむね上記のような記載項目の場合が多いでしょう。
書き方のポイント
接待交際費の稟議書の目的は、接待を行うことに対して承認を得ることです。そのためなぜ接待が必要なのか、理由を明確に記載しましょう。接待が必要な理由や、接待を行うことによる成果を強調することで、決裁者も決裁しやすくなるでしょう。
また接待の具体的な内容(会食であれば店舗の名称など)・予算・参加者も、明確に記載します。決裁項目を明確に示すことで、接待交際費の透明性が確保できます。最終的な決裁者や決裁ルートは会社によって違うため、スムーズに決裁をもらうためには事前に社内ルールを確認しておきましょう。
稟議書を提出して上司や担当部署が内容や接待の必要性の有無・予算が適正か、などを精査したうえで決裁者が承認する、というのが一般的なプロセスです。この際にデータなどの資料があれば検討を正確に行いやすいため、添付するのもよいでしょう。また事前の接待稟議だけでなく、終了後の報告も重要なプロセスです。
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接待交際費の稟議書の例文
接待交際費の稟議書の例文を紹介します。例として取引先とゴルフ接待を行う場合の、稟議書の記入例を見てみましょう。
【接待交際費の稟議の例文】
○○年○○月○○日
経理部長殿
【申請者】○○○○○部 ○○○○○
〇〇株式会社とゴルフコンペを開催する件
掲記の件につき、下記内容のご承認をお願い申し上げます。
記
- 開催予定日 ○○年○○月○○日(○)
- 支払先 〇〇カンツリー
- 開催場所 東京都新宿区新宿〇-〇
- 支払予定金額 100,000円
- 参加予定者
【招待者】
〇〇株式会社 代表取締役 〇〇〇〇 様
営業第一部長 △△△△ 様
営業第一部課長 〇〇〇〇 様
【当社出席者】
営業部長 佐藤〇〇
営業部 鈴木〇〇
企画部 伊藤〇〇合計 6名
- 理由
当社の〇〇地域への新規出店にあたり、同地域で強い顧客層とネットワークを持つ〇〇株式との関係をより緊密にする必要があります。同社の代表取締役がゴルフ好きであることから本件コンペ開催により、同社との太いパイプラインの形成を目指します。 - 投資効果
〇〇株式会社を通じ、同社顧客○○社へ販路を確保 - 添付資料 見積書
以上
長々と文書で記載するのではなく、必要な事項を箇条書きで記載するなど、決裁者が見やすくなる工夫をしましょう。また、接待の重要性を強調したい場合、接待相手との取引データなど、資料を添付すると効果的です。
接待交際費の稟議書のレビューポイント
接待交際費の稟議書を作成することもあれば、部署や立場によってはレビューすることもあるでしょう。接待交際費の稟議書をレビューする際のポイントは次の通りです。
- 接待の目的が明確である
- 接待によるリターン効果が期待できる
- 接待活動の詳細が記載されている
接待の目的が明確である
稟議書にはなぜ接待交際が必要か、明確に記載されていなければなりません。わざわざ稟議書として書面に残す目的には、次のようなものがあります。
- 透明性の確保
- 予算管理
- コンプライアンス
単に会食などを開くなど私的な理由ではなく、真に必要な接待であるかどうかを記載することで透明性が確保できます。また過度な接待になっていないか、承認された予算の範囲内で接待が行われるように管理する目的もあります。
上記を満たすような記載内容になっているかをチェックしましょう。とくに接待の目的は下記記載例のように、できるだけ具体的に記載する必要があります。
△:新商品○○の販売促進営業のため
〇:当社の新商品○○の販売促進のため、▢▢地域で20店舗を持ち高いシェアを誇る〇〇株式会社に仕入れてもらえるよう、同店との仕入を担当する〇〇部長と関係をより緊密にする必要があります。この度、同店との間に太いパイプラインを形成すべく、〇〇部長を招き営業部の部長・課長による食事会を開催したい
接待によるリターンが期待できる
接待交際費の稟議書には、接待によるリターンを記載することも重要です。たとえば、接待による効果として、ただ「接待相手と親密な関係が構築できた」だけでは十分とはいえません。接待を行うことで、どれくらい会社にメリットがあるかが言及されているかをチェックしましょう。
「〇〇株式会社とより緊密な関係を築き、同店との当社の新商品○○の取引を開始予定」、のように具体的にどのような効果・リターンが生じたかを記載する必要があります。
接待活動の詳細が記載されている
詳細な接待活動が記載されているかも、確認するようにしましょう。接待交際費の稟議書の目的の1つが、透明性の確保です。そのため誰とどこで、いくらの予算で何をするのか、内容が詳細に記載されていなければなりません。詳細な接待活動を知ることで、予算管理がしやすくなる効果もあります。
接待交際稟議は目的と効果を正しく記載しよう
接待交際費の稟議書とは取引先などを相手に行う接待や交際活動について、必要な予算の承認を得るためのプロセスです。稟議書として記録に残すことで透明性の確保や、予算管理がしやすくなる効果があります。
また書面で決裁が行われるため、わざわざ会議などを開く必要がありません。稟議書を作成する際には、なぜ接待が必要なのか・接待によるリターンはどのような効果があるのか、を具体的に記載するようにしましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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