• 更新日 : 2025年2月5日

請求代行サービスとは?業務範囲やメリット・デメリット、選び方を解説

自社の業務効率化のために、請求代行サービスの利用を検討することもあるでしょう。請求代行サービスは、請求書の発行だけでなく、与信管理や督促業務まで幅広いサービスを代行するサービスです。

この記事では、請求代行サービスで利用できる業務や、利用する際のメリット・デメリット、サービスを選ぶときのポイントなどについて解説します。

請求代行サービスとは

請求代行サービスとは、請求書の作成、取引先への発送から、入金確認や入金消込、未回収時の督促など、請求関連のさまざまな業務を代行するサービスです。また、取引先の与信審査や未入金時の入金保証も可能なサービスもあります。

請求代行サービスを利用することで、請求に関わるさまざまな業務の負担がなくなり、本業に専念できるようになるでしょう。また、定額課金サービスやサブスクリプションサービスの請求業務にも対応しているものもあり、幅広い業界で利用可能です。

企業間請求代行サービス「マネーフォワード 掛け払い」は、与信審査から請求書の作成業務、入金確認、未改修時の督促までワンストップで対応しています。また、与信審査を通過したものに関しては100%入金保証(※)も実施しており、未回収リスクの軽減と安定したキャッシュフローを実現します。

※表明保証違反が審査通過後に発覚した場合等、例外的な場合は対象外です。

請求代行サービスの導入がおすすめな企業

請求代行サービスは、次のいずれかに該当する企業におすすめです。

  • 請求業務が多く本業に専念できない
  • 取引先を拡大したい
  • 集金がスムーズにできない取引先がある

請求代行サービスを導入することで、与信審査から請求書の発行、発送、入金確認などの請求関連の業務にかける時間と手間を省くことができます。請求業務により本業に支障が出ている企業であれば、請求代行サービスの導入は検討するべきといえるでしょう。

また、忙しくなりがちな締め日や入金日も余裕を持って迎えることができます。請求業務や集金業務で残業が多くなっている企業であれば、働き方改革の実現にもつながるでしょう。

取引先を拡大したい企業にも請求代行サービスの導入がおすすめです。取引先を拡大すると、その分、請求業務や集金業務が増えますが、請求代行サービスを導入している場合であれば業務負担はほとんど増えません。

集金がスムーズにできない取引先に悩んでいる企業、あるいは未回収リスクが気になり取引先を拡大しづらく感じている企業にも、請求代行サービスがおすすめです。請求代行サービスは集金業務や督促にも対応していることが多いので、個々の取引先と連絡を取り合う必要もなくなります。

請求代行サービスの業務範囲

ここでは、請求代行サービスの業務範囲について、「マネーフォワード 掛け払い」を例に紹介します。

与信審査などの取引先管理

掛け売りで商品・サービスを提供する場合、「その取引先と掛取引を行っていいのか」という審査をする必要があります。与信審査を行わないと後述する未入金が発生する確率が高くなってしまいます。一方で、与信審査を自社でしっかりと行うためには金銭的・時間的なコストが発生してしまい、その体制構築にもノウハウが必要です。

マネーフォワード 掛け払い」では、与信審査のほとんどを機械学習により自動化。最短数秒で与信審査の結果を回答します。与信審査のコストも手数料に含まれているので、コストを抑えながら安全な取引を行うことが可能になります。

請求書の作成・発行・送付

請求代行サービスを活用すれば、請求書の作成から発行・発送までを行ってくれます。自社で請求書の印刷や封入作業をする必要もありません。管理画面からの登録・CSVでの一括登録・API連携のいずれかの方法で請求依頼を出すだけで、自社名・ロゴ・印影を入れた請求書を取引先に代行送付します。取引先は何か特別な対応をする必要は一切ありません。請求書記載の振込方法で支払いを行うだけです。

請求書の送付方法はメールと書面の郵送の2種類から選択できます。取引先によって、メール送付と郵送を使い分ける対応も可能です。また複数税率にも対応。今後、新たな法改正があった場合も無償でアップデートします。

管理画面からの請求・入金状況の確認

掛け売りで面倒なのが入金管理です。請求代行サービスなら「あの会社から入金があったっけ?」と確認する必要はありません。代行企業が毎日入金状況を確認し、最新の状況を反映するので、オンラインの管理画面を見るだけで、請求・入金状況をいつでも確認することができます。マネーフォワード 掛け払いが入金確認・消込作業をすべて代行するので、利用企業は銀行口座を確認し請求と入金を突き合わせる消込作業は一切不要になります。

取引先からの入金はまとめて一括で自社口座へ入金されます。またご希望があれば、入金のサイクルの短縮も可能なため、入金までのタイムロスを最小限にします。

未入金時の督促

掛け売りを行うと一定の割合で未入金が発生します。自社で対応する場合、営業担当者や経理担当者が状況確認の連絡を行うケースが多いようです。しかし、未入金の連絡業務は担当者の精神的な負担も大きく、伝え方によっては取引先との関係悪化を招くケースも散見されます。

マネーフォワード 掛け払い」では、専門のサポートチームが取引先へ状況確認と入金のお願いの連絡をし、代金を回収します。第三者がこの作業を行うことで、取引先との関係悪化を防ぎ、自社内で行うと精神的な負担の大きい未入金時の連絡業務から解放されます。

未入金時の保証

掛け売りの場合、督促を行ってもそのまま未回収になってしまうこともあります。商品・サービスを提供したのに入金がされないと、経営にも悪影響を与えてしまいます。

請求代行サービスを利用すると、取引先からの未入金が発生しても、定められた期日になると代行手数料を差し引いて全額が入金されます。このため掛け売りにつきものの「入金遅延」「貸し倒れ」のリスクを回避できます。資金の見通しがつきやすく、安定した経営につながります。

請求代行サービスを利用するメリット

請求代行サービスを利用するメリットについて解説します。

請求業務を効率化できる

請求書発行の前後には、多くの業務があります。その月に生じた掛取引を確認する、請求書を作成する、発行した請求書を封筒に入れる、取引先に送付するなど、細々とした業務すべてに対応しなくてはいけません。

しかし、請求代行サービスを利用すれば、請求関連の業務をまとめて一任できます。請求代行サービスによっては与信業務や督促業務にも対応しているので、これらの業務にかかる手間や時間も短縮できます。

社内の人的資源を有効活用するためにも、請求業務などの外注できる業務はアウトソーシングすることも検討してみましょう。

人為的なミスを削減できる

請求書の発行時は、取引が生じた日付や取引額を確認する、単価や割引などに間違いがないか調べるなど、細かな業務が多数必要です。

また、請求書発行には正確性が求められます。数字が1つ違うだけでも取引先からの信用をなくすことにもなるため、細心の注意を払って業務を遂行しなくてはいけません。

請求代行サービスに依頼すれば、請求関連の業務をすべて任せることが可能です。金額や日付などのミス、あるいは送り忘れなどもなくなるため、請求業務が滞りなく進むだけでなく、取引先との信頼関係の構築にも役立ちます。

売掛金の未回収を減らせる

支払い期限までに入金しない取引先に対しては、督促状を送付したり、電話やメールで支払いを促したりなどの対応をしなくてはいけません。とはいえ、取引先が適切に応じるとは限らないので、未回収率を下げるのは簡単ではありません。

督促業務にも対応している請求代行サービスであれば、専門的なノウハウを活かして督促と回収を行うため、未回収金を減らすことが可能です。また、入金保証を提供している請求代行サービスなら、より安心して取引を進めていくことができます。

未回収の場合も入金保証がある

万が一、請求先から売掛金を回収できない場合に備えて保証があります。例えば、新しくできたばかりの会社と取引を行う場合、支払いに対する不安はつきものです。このようなケースでも請求代行に任せれば、安心して取引が行えます。

決済手段を増やせる

請求代行サービスを利用するときは、取引先は請求代行サービスで対応している決済手段を利用して支払いを行います。サービスによっては決済手段が豊富なこともあるため、取引先にとっては決済方法が増えることになるでしょう。

決済方法が増えることは、取引先にとって利便性の向上を意味します。例えば、従来は銀行振込にしか対応していなかった場合、取引先は「振込の手続きが面倒」「振込手数料がかかる」などの不満を抱えていたかもしれません。

しかし、請求代行サービスの導入により、口座振替やクレジットカード決済などの多様な決済方法に対応するようになれば、取引先は使いやすい方法を選べるようになります。

また、多様な決済方法に対応していることは、新規顧客の獲得にもつながることがあります。ビジネスの機会を逃さないためにも、複数の決済方法に対応している請求代行サービスを選ぶようにしましょう。

クラウドサービスならどのパソコンからでも指示・確認可能

多くの請求代行サービスはクラウド管理なので、どのパソコンからも指示・確認が可能です。会社のパソコンにしかシステムが入っていないと、リモートワークでは指示・確認ができません。しかし、クラウド管理であれば、パスワードなどを入力すればどのパソコンからでもアクセスできるので利便性が増します。

請求代行サービスを利用するデメリット・注意点

請求代行サービスを利用するデメリットや注意点について解説します。

利用料金などのコストがかかる

請求代行サービスを利用すると、利用料金が発生します。しかし、サービスを利用することで業務工程が減り、残業代などの人件費が削減できると、企業全体で見ればコストダウンとなる可能性もあります。

また、請求関連の業務負担が軽減することで、担当者の数を減らせることもあるでしょう。この場合も大幅な人件費の削減が実現できるため、コストダウンが可能です。

他にも、紙の請求書を取引先に送付していた場合であれば、用紙代や封筒代、切手代、収入印紙代なども削減できます。請求代行サービスの導入により削減できるコストとサービスの利用料金を比較し、費用的なメリットがあるのか調べておきましょう。

導入時に取引先へ説明が必要

請求代行を利用する場合、入金先が請求者ではなく請求代行会社になります。そのため、取引先にきちんと説明しなければ、「知らない会社から請求書が来た」 と思われてしまうリスクがあります。特に、直接取引していたものが途中から請求代行に変われば、余計に不審に思うでしょう。請求代行を利用することに決めたら、「請求管理を効率化したいから利用する」などと取引先にはきちんと説明すべきといえます。

請求代行サービスを提供している企業は取引先説明用資料を用意しているケースが多いので、相談してみるといいでしょう。

イレギュラーな対応が難しい

サービス提供会社のスケジュールで処理が行われるため、社内での対応に比べて、突発的な修正や急な内容変更などの事態に柔軟に対応できない可能性があります。

また、請求業務を外注することにより、社内に請求業務に関するノウハウが蓄積されないため、緊急時などに対応できる人材がいないというリスクもあります。

請求代行サービスの選び方

請求代行サービスを選ぶときのポイントについて説明します。

業務内容に対応しているか

請求代行サービスで提供している業務内容は、サービスごとに異なります。特に入金保証や与信業務に関しては、対応していないサービスも少なくありません。

請求代行サービスに依頼する前に、利用したい内容の対応をしているか確認しておきましょう。また、対応できる内容が増えると、その分、利用料金に反映されるため、無理なく利用できる金額かどうかも確認しておきます。

様々な業種に対応しているか

様々な業種に対応していて、取り扱い実績が豊富かは確認すべきです。請求書の内容などをカスタマイズできるか、複数税率にも対応しているかなども確認した方がいいでしょう。

取引可能額は十分か

請求代行サービスごとに、取引可能額(1件あたり、1ヵ月あたり)が定められています。現在の取引ごとの金額や月間の取引額と比較して、十分に対応できるかチェックしておきましょう。

既存のシステムと連携できるか

業務効率化のためには、請求代行サービスが自社の販売管理システムや会計システムなどと連携できるかが重要です。請求代行サービスによって対応システムが異なるので、自社の既存システムと連携できるのか確認しておきましょう。CSVファイルなどでインポートする連携方法が一般的ですが、API処理などで自動連携できるシステムもあるため、使いやすいシステムを選ぶとよいでしょう。

未回収の場合の入金保証はあるか

入金保証があれば、請求先の入金遅延や貸し倒れがあったとしても請求額から手数料を差し引いた額が入金されます。入金遅延や貸し倒れがあることにより、自社の資金繰りが悪化して、帳簿上では黒字なのに倒産に至る場合もあります。特に取引額が多い請求先からの入金がなくなれば、一気に自社の資金繰りも悪くなります。このようなリスクに備えられるのは入金保証の大きなメリットです。

料金体系が自社と合っているか

サービスの内容によって、初期費用と月額費用が必要な場合と、初期費用などはかからず、毎月の手数料のみで利用できる場合があります。

利用状況によっては、初期費用が無料でも手数料などのコストが高いと割高になる場合もあるため、見積書などで料金を比較して検討しましょう。

幅広い決済手段があるか

取引先が支払いを行う場合に、請求代行サービスが対応している決済手段を利用することになります。そのため、幅広い決済手段を選べるほうが、取引先の利便性が向上するとともに、新規顧客の獲得につながる可能性が広がります。

セキュリティ対策は万全か

請求書には、取引先の情報や売上金額などの機密情報が記載されており、セキュリティ対策が万全であることも重要です。特にクラウド型のサービスの場合には、様々な場所や機器からアクセスが可能なため、情報漏洩などのリスクにも考慮が必要です。

インボイス制度に対応しているか

2023年10月からインボイス制度が施行され、インボイス制度の要件に沿った「適格請求書」を作成する必要が生じます。要件を満たしていない従来の請求書を発行すると、仕入税額控除の適用を受けられなくなるので注意が必要です。

取引先がスムーズに仕入税額控除の手続きをするためにも、インボイス制度に対応している請求代行サービスを利用するようにしましょう。なお、マネーフォワード 掛け払い」では、2022年12月22日より正式にインボイス制度に対応いたしました。制度開始後も安心して請求書発行サービスをご利用いただけますので、ぜひお役立てください。

マネーフォワード 掛け払いのインボイス制度への対応方針はこちら

請求代行サービスの導入事例

どの請求代行サービスを導入するか迷ったときは、各サービスのホームページで公開している事例をチェックしてみてください。同じ業界や類似する悩みを持つ企業の事例を参考にすることで、自社に合うサービスか判断しやすくなります。

ここでは、企業間請求代行サービス「マネーフォワード 掛け払い」を導入された企業様の事例をいくつか紹介します。

キンコーズ・ジャパン株式会社様

フランチャイズ加盟店が増え、請求業務への対応に悩んでいたキンコーズ・ジャパン株式会社様では、マネーフォワード 掛け払い」の請求代行サービスの導入により業務負担の大幅な軽減を実現されています。また、与信審査も一括で任せたことで小規模事業者との取引が可能になり、取引先の幅も大きく広がりました。

詳細はこちら

株式会社New Innovations様

AIやロボットを活用したプロダクトの開発やDX支援を行う株式会社New Innovations様は、取引事例が少なく与信管理が難しい業界との取引を行ううえで、貸し倒れへのリスクを抱えておられました。マネーフォワード 掛け払い」の請求代行サービスを導入することで、貸し倒れの不安を解消し、事業の拡大に向けた業務に集中できるようになったと報告されています。また、導入後に取引を10倍以上に拡大されましたが、請求業務に対応する人員は一切増えていないそうです。

詳細はこちら

請求代行サービスの導入で請求業務を効率化!

請求代行サービスは、社内での請求業務を効率化できる一方で、緊急時などのイレギュラーな対応が難しいといったデメリットもあります。請求代行サービスの利用によるコストやメリット・デメリットを慎重に検討した上で、自社に適したサービスを導入し、請求業務の効率化を実現しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事

会計の注目テーマ