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  • 作成日 : 2020年11月13日

税引前当期純利益(税引前利益)とは?求め方や意味を解説

税引前当期純利益とは

損益計算書には様々な段階での利益が計上されています。それでは税引前当期純利益とは、どのような利益を表しているのでしょうか。ここでは、税引前当期純利益の計算方法とその性格、損益計算書上の他の利益との比較、その利益を検討する際の注意点などについて説明していきます。

税引前利益とも呼ばれる税引前当期純利益とは?

税引前当期純利益とは、法人税などの税金を支払う前の利益のことです。経常損益に主な営業活動とは関連の低い、臨時の出来事によって生じた特別利益を加え、さらに臨時の出来事によって生じた特別損失を差し引いて求めます。
臨時の出来事とは以下のようなできごとを指します。

  • 不動産を売却した
  • 通常の更新サイクルとは異なる理由で固定資産を廃棄した
  • 通常では予測不可能な突発的な災害などによって損害を受けた
  • など

税引前利益や税引前当期利益、税金等調整前当期純利益などとも呼ばれることもあります。また、利益ではなく損失の場合は税引前当期純損失といいます。

税引前当期純利益の計算方法

税引前当期純利益は次の計算式によって算出できます。

税引前当期純利益 = 経常利益(損失) + 特別利益 - 特別損失

税引前当期純利益と損益計算書上のその他利益との関係

税引前当期純利益は、法人税・法人市民税・法人県民税を支払う前の企業の利益です。突発的な損益まで考慮した後の税金を支払う前の利益を表しています。
税引前当期純利益以外の利益は、各段階での利益を表しており、それぞれの内容は異なります。

  • 売上総利益(粗利):売上から得た商品・サービスによる利益
  • 営業利益:経費を支払った後のビジネスとしての営業活動を通じた利益
  • 経常利益:企業経営全体での利益
  • 当期純利益:最終的に企業に留保された利益

このように、損益計算書における各利益はそれぞれの性質を表した利益となっているため、他の利益とも比較しながら、判断していくことが必要です。

損益計算書では、売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益の5段階で表示される

前段でも示したとおり、利益は各段階において、表す性格が異なっています。

  • 粗利益(売上総利益) = 売上高-売上原価:売上から得た商品等の販売による利益
  • 営業利益=売上総利益-販管費:営業活動全体を通じて得た利益
  • 経常利益=営業利益+営業外収益営業外費用:財務体質・資産運用等も含めた企業経営としての利益
  • 税引前当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失: 突発的な損益まで考慮した税金を支払う前の今期の利益
  • 当期純利益=税引前当期純利益-法人税等: 税金支払後の最終的に企業が社内に留保した利益

税引前当期純利益からわかること

税引前当期純利益は、突発的な損益を考慮した上での利益です。税金を支払う場合には、税引前当期純利益を原資とします。企業からみると、ほぼ企業活動を通じて得た最終的な利益に近い値です。
一方で、特別損益を考慮した後の利益となるため、資産の売却益・売却損やその他の突発的な事情により、大きく変動します。
そのため、税引前当期純利益を計算する前提となっている営業利益・経常利益とも比較して「実のある利益であるか」「一過性の収益を加算した上での利益となっていないか」などを検討することが重要です。

純粋な企業活動全般の収益性の比較という観点からは、最低でも3期分程度の税引前当期純利益を比較することが望ましいです。また与信管理においては営業利益や経常利益との比較によって本業、副業、そして事業全体とのバランスを確認することも非常に重要です。
過去の決算との比較にあたっては「特別利益・特別損失の金額がどのように変動しているか」「その時の経常利益の金額がどのように変動しているか」などを考えることによって、利益計上が安定的に行われているか、を検討することが有効です。

税引前当期純利益を正しく理解して経営に活かそう

税引前当期純利益とは、企業の最終利益にほぼ近い重要な利益ですが、特別損益の影響を受けやすく、大きく変動しやすい利益でもあります。
税引前当期純利益をもって企業の内容を理解するためには、営業利益・経常利益等とのバランスや、過去の利益水準との変動なども踏まえつつ、その企業の本来の利益水準がどの程度かをしっかり理解した上で、現在の税引前当期純利益が適正な水準の金額となっているか、客観的に分析することが重要です。

その場合、過去からの税引前当期純利益の推移を見て判断していくことも重要です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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