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  • 更新日 : 2021年6月2日

未払費用とは?未払金との違いを比べて二つの負債を徹底解説

未払費用とは?未払金との違いを比べて二つの負債を徹底解説

未払費用とは、料金の支払いが当事業年度から翌事業年度にまたぐときに用いる勘定科目です。当期中の正確な負債を計上するために欠かせない勘定科目ですが、考え方が少し複雑でわかりにくいと感じる経理担当者も少なくありません。

本記事では未払費用の概要や未払金との違い、未払費用の仕訳の考え方・具体例を解説します。

未払費用とは何か

未払費用とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、貸借対照表日の時点で支払いがなされていなくても、時間の経過に応じて費用が発生しているものと考える金額のことです。貸借対照表上では流動負債に区分され、損益計算書上では適切な費用の勘定への計上となります。

具体的に詳細をみていきます。

未払費用の考え方

「一定の契約に従い継続して役務の提供を受けている」というのは、具体的に言えば後払いする保険料や賃借料などのことです。「支払いは後回しだが、一旦サービスだけ受けている状態」というイメージになります。

例えば、9月に保険契約を結び、来年8月末のサービス終了後に年額12万円をまとめて支払うとしましょう。このとき3月31日が決算日の場合は、支払いが後回しにもかかわらず、7ヶ月分の保険サービスを利用していることになります。そのため「7ヶ月分の保険料7万円」を未払費用として負債計上します。
未払費用の考え方
同じように事務所の3月分の家賃30万円の支払いが決算日の翌月にまたぐ場合だと、30万円を未払費用として計上します。

このように貸借対照表日までに支払っていない費用であっても、サービスの提供を受けていれば、時間に応じた費用が発生していると考えます。

未払費用の具体例

未払費用は「未払家賃」や「未払手数料」「未払利息」などが当てはまります。より具体的な例は次のとおりです。

  • 保険サービス料金
  • 土地の賃借費用
  • 従業員への給与
  • 借入利息
  • リース代
  • 毎月の通信費

 
など

未払費用と未払金の違い

未払費用と未払金は、どちらも仕訳時点での未払いを表す勘定科目です。しかし「まだ役務の提供がすべて終わっていない」ものが未払費用である点に対し、未払金は「すでに確定している債務」を意味します。具体的な区分をみていきましょう。

未払いの状況区分
継続的な役務提供契約にもとづく役務提供に対する未払分未払費用
非継続的な役務提供に対する未払分未払金
役務提供が継続している場合未払費用
役務提供が完了し債務が確定している場合未払金

未払金として該当するものは次のとおりです。

  • 機械設備やパソコンなどの固定資産の購入費用
  • 消耗品や事務用品にかかった費用
  • 機械設備の修理・メンテナンス費用
  • 掲載が終了した広告宣伝費

など

実際の仕訳はどう未払費用を計上するのか

未払費用を計上する際は、決算日(期末)と翌年期首にまたがることから、少しややこしくなる印象を受けます。しかし、実際は「サービスを受けた分だけ金額を費用計上する」「翌期首に振り戻す」というだけなので、一度頭に入れてしまえば難しくありません。

未払費用の仕訳の考え方と、具体例を解説します。

未払費用の仕訳の考え方

未払費用を仕訳する際は「役務の提供時点から決算日までの期間」でいくら費用が発生したかを計算し、その累計を計上します。

「未払費用の考え方」の見出しでも挙げた、以下の保険料を使った事例で考えてみましょう。

    • 9月1日より保険の役務提供スタート
    • 役務提供の終了は翌年度の8月31日
    • 決算日は3月31日
    • 翌年度の8月31日に1年分の料金支払い12万円が発生

仕訳を考える場合は次のようになります。

  1. 役務が提供された期間である9月1日~翌3月31日の7ヶ月分で費用が発生したと考える
  2. 「1年分12万円のうち7ヶ月分の役務の債務が発生した」とし未払費用7万円として計上する
  3. 借方に「保険料」、貸方に「未払費用」を計上して決算を行う
借方金額貸方金額
保険料70,000未払費用70,000

これで決算日時点で「役務提供を受けた保険7ヶ月分が未払い=負債」という会計処理が成り立ちます。

続いて決算を終えて翌事業年度に入ったときは、重複して費用計上しないよう期首時点で未払費用を保険料に振り戻します。

借方金額貸方金額
未払費用70,000円保険料70,000円

その後、8月31日に1年分の役務提供を終了した後に支払いをする時点で、9月1日~翌8月31日の1年分の料金を計上しましょう。

借方金額貸方金額
保険料120,000円普通預金120,000円

実際に保険会社と金銭のやり取りが発生するのはここが初めてです。

この処理時点で期首に貸方に振り戻した7万円は相殺されるため、実質5ヶ月分の5万円が費用計上されます。

未払費用の仕訳例

ここではいくつか未払費用の仕訳例をみていきます。まずは家賃の支払いを未払費用として計上する例です。

<1-1 決算にあたり、翌月払いの家賃25万円を未払費用として計上>

借方金額貸方金額
地代家賃250,000円未払費用250,000円

<1-2 翌期首に振り戻し>

借方金額貸方金額
未払費用250,000円地代家賃250,000円

<1-3 家賃の支払日>

借方金額貸方金額
地代家賃250,000円普通預金250,000円

続いて未払利息の場合です。大きくは変わりませんが、ここでは利息の締め日(料金の確定日)に一旦未払金として計上するパターンを紹介します

<2-1 決算にあたり、支払利息の7万円を未払費用として計上>

借方金額貸方金額
支払利息70,000円未払費用70,000円

<2-2 未払利息として計上した未払費用の7万円を期首に振り戻し>

借方金額貸方金額
未払費用70,000円支払利息70,000円

支払利息額が締め日に確定した場合は、「未払いでも支払い金額は決まっている」との解釈になるので、未払金として仕訳しましょう。

<2-3 支払い利息額の確定日に一旦未払金として計上>

借方金額貸方金額
支払利息140,000円未払金140,000円

<2-4 利息を実際に支払った日の仕訳>

借方金額貸方金額
未払金140,000円普通預金140,000円

未払費用についてご理解いただけたでしょうか

未払費用とは、決算時点で支払期日がまだ訪れていない保険料や家賃などの未払いについて、正確な損益計算のため未払い分を費用として計上する際に、一時的に流動負債として貸借対照表に記載される勘定科目です。当期中の正確な費用計上を行うために使用します。

未払費用は「まだ確定していない費用」で、未払金は「すでに確定した費用」という違いがあります。

支払いが翌事業年度へまたぐ際の正確な損益把握のために、未払費用の仕訳を使いこなせるようにしましょう。

【参考】
厚生労働省|損益計算書原則

よくある質問

未払費用とは?

未払費用とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、貸借対照表日の時点で支払いがなされていなくても、時間の経過に応じて費用が発生しているものと考える金額のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

未払費用の具体例は?

未払費用は「未払家賃」や「未払手数料」「未払利息」などが当てはまり、より具体的には保険サービス料金、土地の賃借費用、従業員への給与などです。詳しくはこちらをご覧ください。

未払費用と未払金の違いは?

「まだ役務の提供がすべて終わっていない」ものが未払費用である点に対し、未払金は「すでに確定している債務」を意味します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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