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  • 更新日 : 2021年6月2日

伝票とは?種類を徹底解説 請求書との違いや項目もわかりやすく解説

伝票とは?種類を徹底解説 請求書との違いや項目もわかりやすく解説

「伝票(でんぴょう)」をうまく活用することで、経理業務の効率化や正確な記帳実施につながります。しかし、ひと口に伝票と言っても多種多様な書式が存在しており、記載内容や使用状況がそれぞれ異なります。自社事業に合うタイプを利用するのがコツです。

当記事では「伝票とは?」という基本的な概要から伝票と請求書との違い、会計式伝票で用いる伝票の種類、そのほか経理作業で役に立つ伝票の種類を紹介します。

そもそも伝票とは?

伝票は会計上の取引について「いつ、どのような取引が行われたのか」を第三者でもわかる状態にまとめた書類のことです。一定の書式にもとづいて、金銭の入出金や商品の販売・仕入れ、掛取引などさまざまな取引内容を記載します。

なお、新しい取引を書き起こすことを起票と呼びます。入出金なら「出金伝票」や「入金伝票」、掛取引なら「振替伝票」を用いるのが一般的です。

以下では伝票を作成するメリットをみていきましょう。

  • その場ですぐに取引内容を記録できる(記録抜けが少なくなる)
  • 起票作業を作業者ごとに分担できる
  • 簿記知識がなくても簡単に処理できる
  • 「伝票式会計」であれば、起票内容を総勘定元帳に反映できる(一旦仕訳表や仕訳日計帳へ記載する場合もあり) 

など

伝票類の保存は、原則として紙として行います

伝票類の電子保存についてですが「企業内での決裁や情報整理などを目的」として使っている場合は、電子帳簿保存法の適用外です。

しかし「国税関係帳簿の記載内容を補助する目的」で作成・保存され、その伝票が補助簿を構成する場合は、納税地の税務署長の承認を受けることで電子保存できます

伝票の共通項目

書式に関する法的な決まりや会計原則の規定事項はありません。独自に作成したり、民間企業のデザインを採用したりすることが可能です。ただし、どの伝票であっても「記載すべき共通項目」が存在します。具体的には次の5つです。
伝票の共通項目

  • 日付
  • 勘定科目
  • 摘要(取引内容)
  • 金額
  • 起票者(伝票に記入した人)の押印やサイン

上記のように「いつ取引したのか」「どのような取引を行ったのか」「金額はどのくらい動いたのか」「誰が取引を記録したのか」を起票します。仕訳帳や総勘定元帳に転記する際に、必要な情報をまとめるイメージです。

また、インボイス制度に対応させる場合は、消費税8%の取引内容・金額と10%の取引内容・金額がわかるように起票します。

請求書との違い

伝票と請求書はどちらも取引内容や金額などを記録するものですが、伝票は「入出金等の発生時点で発行するもの」で、請求書は「経済的事象の確定時点で発行するもの」という違いがあります。

請求書とは商品やサービスの提供が終了した後、料金・代金を相手へ請求するときに発行する書類です。発行時点における金銭のやり取りは、必ずしも発生していません。記載内容は振り込み期限や請求予定の金額になります。

一方、伝票は取引先からの入金や口座からの出金などが実行され、実際に資産の増減が発生した時点で起票します。

伝票式会計と種類

仕訳帳の代わりとする伝票式会計で使用する伝票は、主に以下の5種類です。

  • 振替伝票
  • 入金伝票
  • 出金伝票
  • 仕入伝票
  • 売上伝票

どの伝票を何枚使用するかは、業種や事業内容で変わります。詳細をみていきましょう。

1伝票制・3伝票制・5伝票制とは?

伝票式会計は「何種類の伝票を使用するのか」によって、1伝票制・3伝票制・5伝票制に分かれます。伝票の種類や向いている事業は次のとおりです。

種類使用する伝票
1伝票制仕訳伝票(振替伝票)のみ
3伝票制・振替伝票、入金伝票、出金伝票
・現金取引が多い事業で用いられる
5伝票制・振替伝票、入金伝票、出金伝票、仕入伝票、売上伝票
・掛取引が多い事業で用いられる

振替伝票

振替伝票
振替伝票(ふりかえでんぴょう)とは、現金の入出金、仕入、売上以外の取引内容を記録するための伝票です。具体的な取引は、以下のようなものが挙げられます。

  • 備品を後払いで購入したとき
  • 売掛代金が普通預金口座へ振り込まれたとき
  • 約束手形を受け取ったり発行したりしたとき

など

貸方と借方の勘定科目が見やすい書式にしておきましょう。なお、1伝票制では「仕訳伝票」と表現するケースもあります。

入金伝票

入金伝票
入金伝票とは、実際に会社に現金が入ってくる取引を記録するための伝票です。例えば、次のケースで使用されます。

  • 商品を販売して現金を受け取ったとき
  • サービスを提供して現金を受け取ったとき
  • 現金で売掛金の回収を行ったとき

など

振替伝票との使い分けがややこしくなる場合は、入金状況によって起票する伝票を指定しましょう。銀行口座へ入金があった場合は振替伝票を、紙幣が会社へ直接入る(消費者から代金を受け取る等)は入金伝票を使うといったルールです。

「現金の直接的なやり取り」に関しては、入金伝票と決めておくことで混乱を避けやすいでしょう。

出金伝票

出金伝票
出金伝票とは、会社が持つ現金が出ていく取引を記録するための伝票です。例えば、次のケースで使用されます。

  • 交通費や接待交際費を現金で支払ったとき
  • 会社の備品を現金で購入したとき
  • 買掛金を現金で支払ったとき

など

入金伝票と同じく振替伝票と使い分けたい場合は「銀行口座からの引き落としやクレジットカード決済の場合は振替伝票」として「取引先や消費者へ直接紙幣を渡す場合は出金伝票」といった使い分けがおすすめです。直接的に現金のやり取りがあるかどうかで決めるとよいでしょう。

仕入伝票

仕入伝票
仕入伝票は、仕入取引を記録するための伝票です。5伝票制でのみ使用します。上記の例に勘定科目の記入欄がないのは「仕入は掛けで取引をする」という会社のルールによるものです。よって、原則として仕訳は借方仕入、貸方買掛金と決まっています。

売上伝票

売上伝票
売上伝票は、事業売上が発生した取引を記録する伝票です。5伝票制のみで使用します。こちらも仕入伝票と同様に会社のルールにより「売上は掛けで取引する」と想定しているため、仕訳は借方に売掛金、貸方に売上(売上高)と決まっています。

各種伝票を用いた詳細な仕訳方法については、以下の記事を参照にしてください。

その他の伝票

伝票式会計で使用する伝票のほかにも、企業の経理作業の効率化や取引の明確化を目的とした伝票が存在します。会計作業の補助として役に立つでしょう。

お会計伝票

お会計伝票とは、顧客が注文した品物や金額を記載する伝票です。例えば、飲食店の場合は、注文された料理・飲み物の品目や金額を記載して顧客に渡し、顧客はその伝票を見て自分たちが支払う金額を確認します。

その後、レジスターでお会計伝票の内容を打ち込み、現金のやり取りを行います。

作業伝票

作業伝票とは工場や生産管理、建設などの現場にて「どのような作業を行ったのか」「使用した部品や原料な何か、いくらしたのか」といった内容を記載する伝票です。作業日報や月報とも呼ばれます。

例えば、建設現場であれば作業従事時間を記録することで、就業時間や残業時間などの労務費に関する金額をチェックすることが可能です。

作業伝票は直接仕訳に利用するわけではありませんが、現場に則した数値確認や作業実態の把握などを、バックオフィスで確認する上で重宝します。

受発注伝票

受発注伝票とは顧客からの注文を受けたり、逆に顧客へ注文したりする際、受発注に関する取引を記載する伝票です。受注伝票であれば、受注した日付や納品予定日、取引内容、受注金額などを記載します。主に取引実態の把握や、未決済の取引の整理などに利用されることが一般的です。

契約伝票

契約伝票とは、いわゆる複写した契約書のことです。正式な契約書とは別に保管したり、現場や職場などで都度確認したりするために使用します。

入出庫伝票

入出庫伝票とは企業が部品や原料を調達して入庫したり、逆に倉庫から出庫したりする際、動きや個数、実行時間を記録するための伝票です。倉庫やその他保管所の状況を記録することで、在庫数の正確な把握が可能です。

訂正返品伝票

訂正返品伝票とは、すでに処理が終わった伝票を取り消すために発行する伝票です。取消し伝票やキャンセル伝票、赤伝票とも呼ばれます。

取引内容の訂正や、商品の返品が発生したときに使用します。「この取引はキャンセルされたもの」とひと目でわかるように、赤色で作成されることが多いです。

チェーンストア統一伝票

チェーンストア統一伝票とは、企業や業種ごとに伝票のサイズや書式を統一したものです。「誰と取引をしたのか」がひと目でわかりやすくなるため、経理・事務処理の効率化やコストダウンが狙えます。

例えば、スーパーやドラッグストアなどの小売業や流通業で用いられるのが一般的です。どのような書式を使うかは、商品の買手が決定します。顧客から商品を購入するときは、相手の書式に従いましょう。

自分に合った伝票で経理業務をスムーズに

伝票は発生した現金取引や掛取引の内容を記録しておく書類です。伝票式会計では、総勘定元帳へ内容を転記できます。

振替伝票や入金伝票、出金伝票、仕入伝票、売上伝票といった会計式伝票で使うものを中心に、業種や業務内容ごとで使い分けられるタイプが存在します。自社にあった伝票を選択し、経理業務をスムーズに進めましょう。

よくある質問

そもそも伝票とはどんなもの?

伝票とは会計上の取引について「いつ、どのような取引が行われたのか」を第三者でもわかる状態にまとめた書類のことです。詳しくはこちらをご覧ください。

伝票と請求書の違いとは?

伝票は「入出金等の発生時点で発行するもの」で、請求書は「経済的事象の確定時点で発行するもの」という違いがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

伝票式会計で使用する伝票はどれ?

仕訳帳の代わりとする伝票式会計で使用する伝票は、振替伝票・入金伝票・出金伝票・仕入伝票・売上伝票の5つです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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