- 更新日 : 2024年8月8日
会計ソフトにCSVファイルをインポートするポイント・注意点
多くの会計ソフトには、CSVファイルからデータをインポートする機能があります。CSVファイルインポート機能を使えば、エクセルで作成した表や他のソフトのデータを取り込むことができます。
この記事では会計ソフトのCSVファイルインポート機能について、データ取り込みを行う際のポイントや注意点を説明します。会計ソフトをより便利に使うために、しっかりと理解しましょう。
目次
会計ソフトとCSVファイルは連携できる
会計ソフトは会計データについて、必要な処理を行うソフトです。仕訳や集計、会計帳簿への転記を行い、財務諸表を作成するために用います。データを入力すれば、以降は会計ソフトの自動処理に任せることができます。手作業で行わなければならないデータの入力作業も、CSVファイルと連携することで効率良くこなせます。
CSVとは表で出力される標準的な形式です。エクセルをはじめとしてビジネスで使用されるソフトウェアのほとんどは、データをCSV形式のファイルとして出力することができます。会計ソフトにCSVインポート機能があれば、エクセルや他のソフトから出力したCSVファイルのデータを取り込むことが可能です。
会計ソフトにCSVファイルをインポートするメリット
会計ソフトにCSVファイルを取り込むことができると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
- データ入力に使い慣れたエクセルを利用できる
一般的に、会計ソフトでは、領収書や伝票などをもとに仕訳などを入力していきます。しかし、普段からエクセルで経費などを管理している場合は、エクセルで作成したデータをそのまま取り込んで、再度会計ソフトへの入力を省くことができます。
会計ソフトにCSVファイルをインポートする機能があることで、エクセルが慣れた人ならエクセルで作ったデータを取り込むことができます。つまり、CSVファイルのインポート機能は、ユーザーの使い勝手に合わせて会計ソフトを使えるようにする便利な機能といえます。
- 他のソフトのデータを入力し直す必要がない
年の途中で会計ソフトを変更する場合には、変更前で入力した仕訳を再度新しい会計ソフトに入力する必要があります。仕訳の再入力には、多くの時間を要する場合もあり、ほかの仕事が遅れてしまう可能性もあります。今まで使っていた会計ソフトにCSVファイルで仕訳を抽出する機能はあり、新しい会計ソフトにそのCSVファイルを取り込む機能がある場合は、CSVファイルとして他のソフトのデータを一括で取りこませることができ、再入力の手間を省くことができます。
会計ソフトにCSVファイルを取り込む際のポイント・注意点
CSVファイルを会計ソフトに取り込む際のポイントと注意点を説明します。
使用している会計ソフトにCSVインポート機能があるか
会計ソフトへCSVデータを取り込むためには、まずCSVインポート機能があるかどうかを確認する必要があります。ほとんどの会計ソフトには標準機能として搭載されているものの、念のため確認が必要です。
必須項目は必ず入力
取り込もうとするCSVファイルには、必須項目がきちんと入力されていなければなりません。必須項目にもれがあるとエラーとなり、会計ソフトはCSVファイルを取り込むことができません。
最初の行を正しく記載
最初の行はCSVファイルに入力されているデータを会計ソフト内のどのデータに該当するかを示す、重要な役割をします。間違っていると取り込めなかったり、違うところに取り込まれてしまったりするので注意しましょう。
会計期間の確認
取り込もうとするCSVファイルデータと、取り込む側の会計ソフトで会計年度が異なる場合には、インポートエラーが表示され、取り込むことができません。取り込む前に、CSVファイルデータと会計ソフトで会計年度が合っているか確認しましょう。
文字列書式の確認
正常な会計ソフトへのCSVデータ取り込みには、文字列書式の確認も欠かせません。文字データ、あるいは数値データの指定に合っていないデータ入力が行われているCSVファイルはインポートできません。
マネーフォワード クラウド会計にCSVファイルをインポートする
マネーフォワード クラウド会計には、CSVファイルを取り込む機能があります。エクセルにまとめた取引、他の会計ソフトなどのデータ、金融機関などからダウンロードした明細など、様々なデータをCSV形式でインポートできます。
マネーフォワード クラウド会計にCSVファイルをインポートする際の注意点
CSVファイルをマネーフォワード クラウド会計に取り込む際は、次の点に気をつけてください。
- 勘定科目・補助科目・税区分・部門欄が登録されているものと一致しているか
会計ソフトによっては、使用している勘定科目名や補助科目名などが違う場合があります。また、会社によっては、独自で使っている勘定科目などもあります。そのため、取り込むデータの勘定科目名などとマネーフォワード クラウド会計の勘定科目名などが異なっている場合には、どの科目とどの科目を反映させたら良いかかが判別できず、インポートがうまくいかないこともあります。正しくデータを取り込むためにも、勘定科目の追加や変換などを行い、勘定科目名などを元のデータとマネーフォワード クラウド会計で一致させる必要があります。
- 開始仕訳に注意する
年度の開始時に、勘定科目ごとの残高を登録する開始仕訳がCSVファイルのデータに含まれていることがあります。マネーフォワード クラウド会計で、既に開始仕訳を設定している場合には、開始仕訳のインポートはできません。CSVファイルより「開始仕訳」を削除するか、マネーフォワード クラウド会計で登録済みの開始残高の仕訳を削除する必要があります。
- 仕訳データの消費税の金額が異なる
仕訳を入力すると、仕訳に対する消費税の金額を会計ソフトが自動で計算します。また、消費税の計算で1円未満の端数がある場合は、切り捨てや切り上げなどの端数処理を行います。切り捨てや切り上げなどの端数処理は自分で設定することができますが、端数処理の設定がCSVファイルのデータとマネーフォワード クラウド会計で異なっている場合には、仕訳データの消費税の金額が異なります。この場合は、マネーフォワード クラウド会計で端数処理をCSVファイルのデータに合わせる必要があります。そのほか、他社会計ソフト側で税額部分を手動で編集している場合なども、仕訳データの消費税の金額が異なるため、修正が必要です。
会計ソフトへのCSVファイルインポートは、サンプルフォーマットを使用するとスムーズに行えます。マネーフォワード クラウド会計にもサンプルフォーマットが準備されています。
会計ソフトのCSVファイルインポート機能を使おう
エクセルや他のソフトのデータはCSVファイルとして会計ソフトに取りこむことができます。データ入力のスピードアップ、再入力の手間を省く事が可能で、作業効率化に繋がります。
CSVファイルを会計ソフトにインポートする際は、定められている手順・やり方に従う必要があります。スムーズな作業のために注意点・ポイントをよく理解しましょう。
よくある質問
会計ソフトとCSVファイルは連携可能?
多くの会計ソフトには、CSVファイルからデータをインポートできる機能があります。詳しくはこちらをご覧ください。
会計ソフトにCSVファイルをインポートするメリットは?
データ入力に使い慣れたエクセルを利用できること、他のソフトのデータを入力し直す必要がないことが挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
会計ソフトにCSVファイルを取り込む際の注意点は?
必須項目が入力されているか、最初の行が正しく記載されているか、会計期間や文字列書式があっているかなどを確認しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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