• 作成日 : 2022年6月10日

伝票は電子帳簿保存法の対象になる?わかりやすく解説

伝票は電子帳簿保存法の対象になる?わかりやすく解説

伝票は、個々の取引の内容を個別に記録するための書類です。電子的に作成した国税関係帳簿は、電子帳簿保存法を適用して電子保存することができますが、振替伝票などの伝票も電子帳簿保存の対象になるのでしょうか。

この記事では、伝票の保存が電子帳簿保存法の対象になる場合とならない場合、伝票の電子化のメリットなどについて解説していきます。

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伝票は電子保存の対象になる?

会計上の伝票には、振替伝票、入金伝票、出金伝票、仕入伝票、売上伝票があります。これらの伝票が電子帳簿保存法上の保存対象になる国税関係帳簿に該当するかどうかは、会社での作成目的や扱われ方で異なります。

対象になる場合の要件

国税庁の電子帳簿保存法一問一答(電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係 問5)によると、売上伝票などの伝票が国税関係帳簿の記載内容を補う目的で作成され、さらにその伝票が国税関係帳簿の補助簿を構成する場合には、保存の対象になるとされています。

例えば、仕訳帳に記載しきれない取引の詳細を仕入伝票や売上伝票などの伝票に記載して保存した場合、伝票が仕訳帳を補完する補助簿としての役割を持つことから、この場合は保存対象となります。

仕訳帳や総勘定元帳といった主要簿よりも詳細な取引情報が記載されているかどうかが判断の基準になります。

参考:電子帳簿保存法一問一答【電子計算機を使用して作成する帳簿書類関係】|国税庁

対象にならない場合の要件

同様に、国税庁の電子帳簿保存法一問一答によると、伝票が企業内での整理や決裁を目的に作成されているような場合は、電子帳簿保存法の対象になる国税関係帳簿書類にあたらないとされています。

例えば、仕訳帳と伝票に全く同じ情報を記載している場合が挙げられます。このケースでは必要な情報はすべて仕訳帳で確認できるため、電子帳簿保存法による保存対象とはなりません。

また、会計ソフトなどで電子的に作成したものでなく、紙で作成した伝票は電子帳簿保存法の電子帳簿等保存の対象から外れますが、紙は7年間の保存が求められます。

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電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、総勘定元帳や仕訳帳、決算書類や注文書などの国税関係帳簿書類について、一定の要件のもと電子保存を認める法律です。

電子帳簿保存法の対象になる電子保存は、会計ソフトなどで作成した帳簿書類を保存する「電子帳簿等保存」、紙の書類をデータで保存する「スキャナ保存」、電子データによる取引情報の授受である「電子取引」に区分されます。

このうち、伝票の保存に関係するのが「電子帳簿等保存」です。会計ソフトなど電子的に作成した伝票は、一定の要件を満たすことで電子帳簿保存法の対象とされます。

電子帳簿保存法についての詳細はこちらをご覧ください。

伝票をペーパーレス化するメリット

会計ソフトなどで電子的に作成した伝票は、従来通り紙に印刷して保存するか、電子帳簿保存法の規定する電子帳簿等保存を行うか、法人や個人事業主が任意に選択できます。法的にはどちらを選択しても問題ありませんが、伝票を電子保存した場合、保管スペースや管理のしやすさの面で利用者にとって大きなメリットがあります。

物理的な保管スペースを削減できる

会計ソフトなどで電子的に作成した国税関係帳簿書類にあたる伝票は、紙で保存すると印刷やファイリングなどの手間が必要になるほか、伝票を保管するための物理的なスペースの確保が必要です。

電子帳簿保存法の要件に沿って電子的に伝票を保管することで、物理的な保管スペースの削減ができます。

システム上への保管で探しやすくなる

電子帳簿等の保存は、会計ソフトなどシステム上に行われます。その際に利用するシステムによっては、検索機能などにより保管している伝票データが探しやすくなります。

2022年(令和4年)1月1日に施行された改正後の電子帳簿保存法では、電子帳簿等の保存は、優良な電子帳簿と優良な電子帳簿以外に区分されることになりました。優良な電子帳簿は過少申告加算税の軽減措置が適用される保存方法です。

優良な電子帳簿に区分されるためには、以下の検索要件を満たす必要があります。

  • 取引年月日、取引金額、取引先により検索できること
  • 日付又は金額の範囲指定により検索できること
  • 二つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件により検索できること

そのため、上記の検索要件を満たすシステムを導入することで、優良な電子帳簿の要件を満たせると同時に、管理の利便性を向上させることができます。

なお、2022年の改正以前は、電子帳簿等の保存は全体的に検索要件が規定されていましたが、改正により優良な電子帳簿以外は大きく要件が緩和されました。優良な電子帳簿での保存が必要でないようなら、検索要件を満たす必要はありませんので、電子帳簿保存の認証を受けていない市販の会計ソフトによる電子保存でも問題ありません。

内容によっては伝票も電子保存の対象!保存するなら会計ソフトが便利

法人や個人事業主が作成する売上伝票などの伝票類は、伝票が国税関係帳簿の補助簿を構成していれば電子帳簿保存法の対象となります。対象となった伝票は電子帳簿保存法の要件を満たした電子保存が必要となるため、伝票の記載事項を確認しておきましょう。

一方、改正電子帳簿保存法により、電子帳簿等保存の要件は大きく緩和されました。会計ソフトのシステム上で伝票を作成・保存し、システム関係書類とパソコンやプログラムなどの備え付けを行っていれば電子保存ができます。新たに会計ソフトを導入する際には、電子帳簿保存法に対応した会計ソフトを選ぶのをおすすめします。

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よくある質問

伝票は電子保存の対象になる?

伝票の作成目的や会社での扱われ方によって、電子帳簿保存法の保存の対象になる国税関係帳簿に該当するかどうかは異なります。詳しくはこちらをご覧ください。

電子帳簿保存法とは?

国税関係帳簿書類の電子保存を一定の要件のもと認める法律で、電子帳簿等保存、スキャナ保存、電子取引の3つに区分されます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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