1. クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」
  2. 会計の基礎知識
  3. コピー代・印刷費の仕訳で使える勘定科目まとめ
  • 作成日 : 2021年6月4日

コピー代・印刷費の仕訳で使える勘定科目まとめ

コピー代・印刷費の仕訳で使える勘定科目まとめ

コピー代や印刷費については、事務所のコピー機を使うケースもあれば、印刷会社にまとめて何万部も印刷を依頼するようなケースもあります。さまざまな使い方が考えられるコピー代や印刷費は、どの勘定科目を使って仕訳をするのが適しているのでしょうか。この記事では、コピー代や印刷費に関連する勘定科目を、仕訳例を交えながら解説していきます。

コピー代・印刷費の勘定科目と仕訳例

コピー代や印刷費について使用できる勘定科目には、以下のようなものがあります。

それぞれどのようなケースで使えるのか、仕訳例とともに解説していきます。

印刷製本費

印刷製本費とは、営業活動で必要なコピー代や印刷代のうち、外部の印刷会社に委託する際にかかった費用を表します。印刷会社に印刷を依頼して受け取った印刷物であれば、以下のようなさまざまなものを印刷製本費として計上できます。

  • 会社パンフレット
  • 案内状
  • 外部送付用の封筒
  • 社内マニュアル
  • 社内研修用教本

このように、外部に依頼した印刷代がメインですが、社内で発生したコピー代についても印刷製本費に含めることができます。印刷製本費は、コピー代や印刷費をまとめて管理するために適した勘定科目です。

また、書類や会社用の封筒の印刷を定期的に発注しているなど、印刷費が経常的に発生する会社や個人事業主で、コピー代や印刷費をほかの科目と分けて管理したいときに適した勘定科目でしょう。

(仕訳例)会社パンフレットの印刷を印刷会社に依頼し、小切手で代金20万円を支払った。

(単位:円)

借方
貸方
印刷製本費200,000当座預金200,000

消耗品費

消耗品費とは、使用することで消耗していくものを購入したときの費用の勘定科目です。工具や備品などの減価償却資産のうち、使用可能期間が1年未満のもの、または取得価額が10万円未満のもののほか、営業活動で必要なさまざまな支出を含みます。

コピー代や印刷費は、印刷製本費とするのではなく、消耗品費として計上することも可能です。たとえば、印刷会社に発注するのが年に数回程度で金額も大きくなく、残りは社内で印刷しているような場合、あえて独立した印刷製本費の科目を使う必要はありません。重要性が高くない場合や、コピー代や印刷費を管理する必要がない場合などは、消耗品費としてまとめて処理しても問題ないでしょう。

印刷製本費には印刷会社に依頼した分だけを含めて、社内で購入したインクトナー代やコピー用紙代、名刺の印刷代など、コピー関連の費用は消耗品費として計上することもできます。

(仕訳例)コピー代としてインクトナー代1万円を現金で支払った。

(単位:円)

借方
貸方
消耗品費10,000現金10,000

事務用品費

事務用品費とは、消耗性のあるもののうち、事務処理や事務周りで使うものを購入したときの勘定科目です。「事務用消耗品費」という勘定科目が使われることもあります。たとえば、以下のようなものを購入した際の支出が事務用品費に含まれます。

  • ペンなどの筆記用具
  • ノート
  • のり
  • ハサミ
  • バインダーやファイル など
  •  

事務用品費は主に、事務周りで使うものを消耗品費と分けて管理する場合に使われる勘定科目です。事務用品費と消耗品費をどちらも使用している場合は、コピー用紙やコピー機のインクトナー代などを事務用品費として処理することもあります。

このケースでは、事務用品費と消耗品費のどちらで処理するべきという決まりは特にありません。しかし分けて管理すれば、事務用品とそうでない消耗品が一目で確認できるため、わかりやすくなるでしょう。

(仕訳例)コピー用紙1セット5,000円を現金で支払った。

(単位:円)

借方
貸方
事務用品費5,000現金5,000

広告宣伝費

広告宣伝費とは、不特定多数の人に向けて会社の商品やサービスを知ってもらう、宣伝効果が期待できるものに要した費用のことです。主として、以下のような費用が広告宣伝費にあたります。

  • テレビコマーシャルにかかる費用
  • 自社商品のLPページ作成に要した費用
  • 新聞広告掲載にかかる費用 など

 

以上のようにコピー代や印刷費の中でも宣伝効果があるものにかかる費用には、広告宣伝費の勘定科目を使うことができます。たとえば、チラシの印刷費用や自社製品のパンフレット、宣伝要素のある名刺など、目にしてもらうことで自社製品やサービスの利用につながる可能性のあるものです。広告的要素の強い年賀状も広告宣伝費として処理することがあります。

一方で、ここまでご説明したように、宣伝効果が期待できるものでも、印刷製本費など広告宣伝費以外の勘定科目で処理することもできます。広告宣伝費として分けたほうが良い場合は、広告宣伝にかかる費用を明確にしたいときや、コピー代のうち広告宣伝分の占める割合が高く分けて管理したいときなどです。

(仕訳例)チラシの印刷代金10万円を現金で支払った。

(単位:円)

借方
貸方
広告宣伝費100,000現金100,000

外注費

外注費とは、本業のうち作業の一部をほかの会社に委託したときに発生する委託費用のことです。会社によっては、外注加工費」や「業務委託費とすることもあります。

本業を委託するという視点で考えると、コピー代や印刷費が外注費になる可能性があるのはコピーや印刷を本業としている会社、つまり印刷会社や製本会社です。たとえば商業印刷では、印刷会社が印刷のみでなく企画やデザイン込みで注文を受けることも多いでしょう。このようなケースで、企画とデザインを社内で行わず外部に委託した場合などは、その費用を外注費として計上することになります。

(仕訳例)外部のデザイン会社に委託していた印刷物のデザイン料20万円を現金で支払った。なお、当社は印刷業を本業とする会社である。

(単位:円)

借方
貸方
外注費100,000現金100,000

仕入(仕入高)

仕入(仕入高)は、商品やサービスを販売するにあたって、販売のために直接要した費用のことをいいます。商品を購入して販売している場合は、商品を購入したときの取得代金が仕入にあたります。商品を製造して販売する場合は、製造に必要な原材料費などを仕入として計上しましょう。

つまり、コピー代や印刷費を仕入として扱うケースは、印刷物の販売が売上になるような事業を営んでいるときに限られます。たとえば、ポストカードなどのデザインを行って印刷会社に印刷を依頼し、できた印刷物を販売する事業を行っている場合などが、コピー代を仕入として処理できるケースです。

また近年では、出版社を通さず自費出版で本を販売できるサイトなども充実してきました。自費出版をメイン事業とした個人事業主が本を販売し、製本のために要した印刷代がある場合などは、仕入として処理することになります。

(仕訳例)商品であるポストカードの印刷を印刷会社に依頼し、印刷物と引き換えに対価の10万円を現金で支払った。なお、ポストカードは販売のためのもので、当社は主にデザインとデザインしたものの販売を行う会社である。

(単位:円)

借方
貸方
仕入100,000現金100,000

通信費

通信費とは、通信に要した費用のことをいいます。通信費に含まれるのは以下のような費用です。

  • 固定電話料金や携帯電話料金
  • インターネット接続料金
  • 郵便切手の代金
  • はがき代 など

  

通信費に含まれる項目を見ると、コピー代や印刷費とは無関係に思えるかもしれません。実際に、社内でビジネス文書をコピーしたり、印刷会社にパンフレットの印刷を依頼したりしたからといって、通信費として処理することはないでしょう。

コピー代や印刷費を通信費として処理できるのは、暑中見舞いや年賀状の印刷を印刷会社に依頼して代金を支払ったときなどです。
もともと相手に文を送る(通信する)はがき代は通信費に含まれることから、取引先などに対して暑中見舞いや年賀状、挨拶状などを送るときは通信費として処理できます(ただし、年賀状などでも広告的要素が強い場合は広告宣伝費で処理することもあります)。

(仕訳例)年賀状の印刷費15万円を印刷会社に現金で支払った。

(単位:円)

借方
貸方
通信費150,000現金150,000

雑費

雑費とはどの勘定科目にも属さない費用で、少額かつ発生の頻度が高くない費用を処理するために使われます。使い勝手の良い勘定科目ですが、雑費の額が多いと何に使ったものなのか把握できなくなってしまいます。会計上も税務上も、用途のわからない雑費を多用するのは好ましくありません。雑費以外の科目に割り振れそうなものがあれば、その科目で処理したほうが良いでしょう。

コピー代や印刷費に関連して雑費の使用が適しているものは、印刷製本費などの独立した科目を設けておらず、コピー代や印刷費の発生する頻度が低いときなどです。ビジネス文書の印刷など日常的に発生するものについては、消耗品費や事務用品費に分類したほうが良いですが、コンビニエンスストアのコピー機を利用した際のコピー代などは雑費で仕訳しても問題ありません

(仕訳例)コンビニのコピー機で文書を印刷し、費用50円を現金で支払った。

(単位:円)

借方
貸方
雑費50現金50

コピー代や印刷費で使える勘定科目はさまざま!状況で使い分けよう

コピー代や印刷費に関して使える勘定科目を仕訳例とともに説明してきました。それぞれの勘定科目の使い分けは、営んでいる事業、コピー代や印刷費の発生頻度の高さ、印刷の目的、印刷費をどのように管理したいかなどで変わってきます。使える勘定科目を理解した上で、自社あるいは個人の事業に適した勘定科目を選択しましょう。

よくある質問

コピー代や印刷費に使える勘定科目は?

印刷製本費、消耗品費、事務用品費、広告宣伝費、外注費、仕入(仕入高)、通信費、雑費が候補として考えられます。詳しくはこちらをご覧ください。

コピー用紙やインクトナーの購入に適した勘定科目は?

自社でコピーする際に要したコピー用紙やインクトナーの購入代金は、消耗品費や事務用品費で処理することが一般的です。詳しくはこちらをご覧ください。

印刷会社に依頼した場合の勘定科目は?

さまざまなパターンが考えられ、印刷製本費のほか、チラシの印刷であれば広告宣伝費も使えます。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

経理初心者も使いやすい会計ソフトなら

監修:岩波 竜太郎 (公認会計士 / 税理士 / 経営学修士)

公認会計士・税理士・経営学修士。大手監査法人、ベンチャー企業を経て、2015年に独立開業。大手監査法人での海外経験や管理本部長としての幅広い経験を武器に会計アドバイザリー業務を主たる業務として行うとともに、東証1部上場企業である株式会社OrchestraHoldingsの社外役員をはじめ、経営アドバイザーとして複数の企業に関与。Webメディア等の記事執筆・監修業務も積極的に行っている。