• 更新日 : 2022年7月15日

経費精算の期限はいつまで?月またぎや年またぎはできる?

経費精算の期限はいつまで?月またぎや年またぎはできる?

経費精算規定が設けられていない会社では、従業員から数か月前、数年前といった日付の経費精算申請を受けることがあります。

このような申請に対し、会社は経費精算に応じる必要があるのでしょうか。この記事では、経費精算の法律上の期限や、月またぎや年またぎで経費精算の申請があった場合の取り扱い、期限を過ぎて申請があった場合の対処について解説していきます。

経費精算の期限はいつまで?

経費精算は、原則として該当の経費が発生した事業年度内に行う必要があります。

法人税の計算上、確定していない債務の損金(会計上の費用に相当)算入は認められていません。また、損金として計上するには、多くのケースで損金経理(その事業年度に費用に計上する会計処理を行うこと)が求められます。

そのため、発生した経費の精算が該当の事業年度内に行われないと、発生した経費として損金経理が行われず、該当事業年度の損金に算入できなくなります。つまり、原則は事業年度内が経費精算の期限になります。

ただし、これらはあくまで税法上の扱いです。民法では、債権者が権利を行使できるのは、権利の存在を知ってから5年とされていますので、従業員は過去の申請漏れを5年前まで遡って請求できる権利があります。

経費精算は月またぎや年またぎはできる?

事業年度をまたがなければ、月またぎがあっても経費精算できます。先述したように、経費精算は原則として事業年度内に行えば税法上問題が発生しないためです。年またぎであっても、事業年度をまたがなければ経費精算を行えます。

ただし、事業年度をまたいだ経費精算は会社が税務申告をやり直さなければならないため、非常に厳しくなります。前年度分の経費は翌期に持ち越すことができず、税法上、損金に算入するため、修正申告または更正の請求になります。

このことから、月またぎおよび年またぎの経費精算は、多くの社では厳格な規定を設けています。一方で、厳格な規定はあってもすべてを経費精算の対象外とすると実務上支障が出てきますので、出張が続いて処理が間に合わなかったなど、正当な理由が認められれば経費精算を認める会社も少なくありません。

月またぎが発生する要因

月またぎの経費精算が発生する理由はさまざまです。単純に申請者が経費精算申請を失念してしまったほか、出張などにより月内に経費精算を行うタイミングを失った場合や、経費精算申請があったものの上長による承認が行われずに経理担当者が処理できないなどの理由が考えられます。

年またぎが発生する要因

年またぎの要因も月またぎと基本的には同じです。経費精算の必要がある立替分の経費の申請を長らく忘れていたり、出張続きでなかなか経費精算申請の手続きができなかったりと、年をまたいでしまうことがあります。

経費精算の期限を過ぎてしまったらどうなる?

経費精算について、1週間以内に申請する、1か月以内に申請するなどの規定を設けている会社もあるかと思いますが、あくまでも社内の規定です。

民法では、経費を立て替えた申請者は、権利の存在を知ってから5年間は請求できる権利を有しますので、時効が成立するまでに従業員からの経費精算の請求があれば、社内規定があっても、会社側が支払いを断ることは難しくなります。

民法上の権利が残っている場合は会社として支払いを行い、経理担当者は、決算修正や税務申告の修正などを行う必要があるでしょう。しかし、決算修正や税務申告の修正となると、多大な労力や時間がかかってしまいます。

このような事態を防ぐためにも、社内の経費精算規定を整備して、日頃から従業員に周知しておくことが大切です。出張があったにも関わらず経費精算申請がなかなか行われない場合は、対象の従業員に連絡を取って精算を促すなど、経費精算の申請漏れが起きないようにする対策も有効です。

また、経費精算規定を置いているにも関わらず、なかなか社内の期限が守られないときは、経費精算の期限を越えた場合の社内での取り扱いとして、罰則規定を設けるなどの方法も有効です。

ほかにも、経費精算申請漏れだけでなく、経費申請のフローが煩雑なために精算が滞ってしまい、経費精算の月またぎや年またぎが頻発する場合もあります。精算フローに問題を抱えているようなら、スマートフォンなどから経費精算申請や承認ができるようなシステムの導入を検討するなど、全体的な経費精算申請のフローを見直していくことも必要です。

会社ごとにルールはあるが民法上の権利もあるため防止策を講じておこう

債権の請求期限は民法上の規定で5年が時効となっていますが、税法上の取り扱いの関係などもあり、多くの会社では経費精算の期限について規定を設けています。経費申請の申請者は会社の規定に沿って申請する必要がありますが、同時に社内規定による精算期限を越えた立て替え経費の精算を請求する権利もあります。会社側は、民法に定められた請求権を無下にはできないため、トラブルに発展する前に、防止策として経費精算の規定や経費精算のフローについて整備し、広く周知しておくことが大切です。

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よくある質問

経費精算の期限はいつまで?

経費精算の期限は、原則、事業年度内ですが、民法上の債権者が権利を行使できる期限は権利が発生したことを知った日から5年までです。詳しくはこちらをご覧ください。

経費精算の期限を過ぎてしまったら?

民法上の請求権が消滅していない場合は無下に支払いを拒否できないため、申請者に対して支払いを行い、決算修正や税務申告の修正などを原則として行う必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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