- 更新日 : 2026年5月8日
関連会社と関係会社の違いとは?勘定科目「関係会社株式」の仕訳も解説
関係会社と関連会社。とても似た用語ですが、実際には少し意味するところが違っています。
関係会社株式とはどのような株式を指すのか、また勘定科目や仕訳についても解説します。
関連会社と関係会社の関係
関係会社というと一般的には、事業活動において密接な関係のある会社という意味でよく使われますが、会計的には明確な定義があります。
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下「財務諸表等規則」という)第1章第8条第8項では、関係会社の定義として「財務諸表提出会社の親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等(その他の関 係会社)をいう。」となっています。
つまり、親会社、子会社、関連会社、その他の関係会社といった、会計上規定された関係にある会社のことを総じて関係会社といっているのです。つまり、関係会社は、財務諸表等の用語において、関連会社を含んでいるわけです。

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会社の分類
関係会社と関連会社の関係がわかったところで、関係会社の定義にでてきた「親会社」、「子会社」、「関連会社」、「その他の関係会社」とはどういうものなのか、その定義を中心に見てみましょう。
(1)親会社及び子会社
親会社と子会社の定義は、財務諸表等規則第1章第8条第3項に規定されており、「「親会社」とは、他の会社等の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関(株主総会その他これに準ずる機関をいう。以下「意思決定機関」という。)を支配している会社等をいい、「子会社」とは、当該他の会社等をいう。親会社及び子会社又は子会社が、他の会社等の意思決定機関を支配している場合における当該他の会社等も、その親会社の子会社とみなす。」となります。
ここで、「支配している」あるいは「支配されている」というのはどういう状態をいうのかというと、財務諸表等規則第1章第8条第4項で定められています。以下は簡単に要約したものであり、実際に「子会社」に該当するかどうかは、実態に基づく判断をしますので注意して下さい。なお、支配している会社をA、支配されている会社をBとして説明します。
1.Bの議決権において、Aがその50%超を所有している場合
2.Bの議決権において、Aの所有するものが過半数には満たないが、40%以上あり、かつ、次にあげるいずれかの要件に該当する場合
2) Aの役員や従業員などが、Bの取締役会の過半数の役員を構成している場合
3) AがBにおける、重要な財務及び営業又は事業の方針の決定を支配する契約等がある場合
4) AがBの資金調達総額の過半を融資(保証や担保提供なども含む)しているような場合
5) AがBの意思決定機関を支配していることを推測させる事実がある場合
3.Aと緊密な関係にあり、Aと同一内容の議決権行使すると考えられる者の議決権を合計すると、Bにおける議決権の過半数になる場合で、さらに上記2.2)~5)のいずれかの要件に該当する場合
<子会社の判定>

(2)関連会社
関連会社とは、「会社等及び当該会社等の子会社が、出資、人事、資金、技術、取引等の関係を通じて、子会社以外の他の会社等の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該子会社以外の他の会社等をいう。」(財務諸表規則第1章第8条第5項)。
ここで、重要な影響を与えることができるというのは、財務諸表等規則第8条第6項に規定があります。以下は簡単に要約したものであり、実際に「子会社」に該当するかどうかは、実態に基づく判断をしますので注意して下さい。なお、影響を与えることができる会社をA、影響を受ける他の会社をBとして説明します。
1.Aの議決権において、Bがその20%以上を所有している場合
2.Aの議決権において、Bの所有するものが20%には満たないが、15%以上あり、かつ、次にあげるいずれかの要件に該当する場合
2) AがBに対して重要な融資を行っている場合
3) AがBに対して重要な技術を提供している場合
4) AとBの間に、営業上又は事業上の重要な取引がある場合
5) AがBの財務、営業、事業の方針決定等に重要な影響を与えることを推測させる事実がある場合
3.Aと緊密な関係にあり、Aと同一内容の議決権行使すると考えられる者の議決権を合計すると、Bにおける議決権の20%以上になる場合で、さらに上記2.1)~5)のいずれかの要件に該当する場合
4.いくつかの異なる独立した企業がBに対して共同で支配する契約等が存在する場合
<関連会社の判定>

(3)その他の関係会社
その他の関係会社とは、他の会社を関連会社とする会社をいいます。

上の図のように、親会社の対義語が子会社であるように、関連会社の対義語としてその他の関係会社があります。
したがって、X社から見てY社が関連会社であれば、Y社から見るとX社は「その他の関係会社」に当たります。
関係会社株式と仕訳の解説
ここで、A社が関係会社であるB社の株式を取得した場合の仕訳について考えてみます。
A社は期中に関係会社であったB社の株式を取得したことにより、B社の親会社になった例とします。B社の株式を保有していたC社からB社株式の40%を取得したとします。
この場合、B社においては株主の変更があったのみで仕訳はありません。
<A社の仕訳>
関連会社であったB社の株式を40%取得した。
取得にあたっては、仲介業者に手数料YYY円を支払った。
| 子会社株式 | 現預金 | C社よりB社株式取得(40%) | ||
| 支払手数料 | 現預金 | B社株式取得に係る手数料支払 | ||
関連会社株式としていたB社株式を子会社株式に振替える
| 子会社株式 | 関連会社株式 | B社株式振替(15%) | ||
子会社株式取得にあたって発生した報酬や手数料は、発生時の費用として処理します。
また、子会社株式や関連会社株式については、「関係会社株式」などとまとめた勘定科目を使用するケースもあります。
なお、子会社株式や関連会社株式については、決算時の評価替えは行わず、取得原価のままにしておきます。
関連会社・関係会社など勘定科目の判定と実務課題
関係会社株式や子会社株式といった勘定科目は、議決権の所有割合などから関連会社か子会社かを正しく判断して仕訳を行う必要があります。しかし、実際の会計業務において勘定科目の判定作業は大きな負担となっています。
株式会社マネーフォワードでは、仕訳業務に関わる担当者を対象に会計業務の実態に関する調査を実施しました。仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業について尋ねたところ、最も工数がかかっているのは「適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定」で、36.8%でした。次いで「銀行明細やクレジットカード明細と帳簿の突合作業」が34.5%、「インボイス制度(適格請求書発行事業者の確認等)への対応」が27.2%という結果になりました。
このように、日々の仕訳業務において勘定科目の判定に時間を割いている実態が明らかになっています。子会社と関連会社の分類についても、議事録などの資料を確認し、実態に基づいた的確な勘定科目を選択できる体制を整えることが、業務効率化の観点からも重要です。
出典:マネーフォワード クラウド、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業【勘定科目に関する調査データ】(回答者:アンケート回答者707名、集計期間:2026年3月実施)
子会社と関連会社の別を明確に
子会社と関連会社は、議決権の所有割合で変わってくる場合があります。
しかしながら、議決権の移動だけで判断するのではなく、どのような関係になっているのか議事録など確かな資料に目を通し、自社とその会社の関連性を常に把握しておきましょう。
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よくある質問
関連会社と関係会社の関係は?
関係会社株式とは、子会社、親会社や関連会社も含んだ包括的な概念です。詳しくはこちらをご覧ください。
会社の分類には何がある?
「親会社」、「子会社」、「関連会社」、「その他の関連会社」などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
勘定科目「関係会社株式」仕訳のポイントは?
取得時の手数料は費用処理し、原則として決算時には評価替えはありません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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