• 更新日 : 2020年9月17日

経理の「年収1000万円求人」が増加 稼げる経理が持つスキルとは

年功序列型の賃金制度が廃れ始め、結果を出す人が稼げる時代へとシフトしている昨今。特に、実力主義が受け入れられている転職市場では、求人の給与格差が広がっているそうです。

定量的な結果が出やすい「営業職」や専門的な知識が求められる「コンサルタント職」であれば、中には高額年収の求人もあるのだろうとイメージがつきやすいですが、その波は「経理職」などのバックオフィスにも押し寄せているそう。稼げる経理と稼げない経理の違いとは――人材サービスを手掛けるビズリーチの広報室に伺いました。

年収1,000万を超える求人は増加傾向


――早速ですが、ビズリーチに掲載されている経理の求人は、経理の平均給与よりも高給の求人が多いようですが、なぜでしょうか?

優秀な人材獲得のために、ハイクラスの求人が集まっているためです。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイトであるビズリーチの会員層は、平均年収820万円、半数以上がマネジメント経験を持っています(※2018年5月現在)。

また、会員制の転職サイトのため、これまではヘッドハンターだけが扱っていた高額給与の非公開求人が多いというのも理由の1つです。

経理職だと、年収1,000万円以上の求人が増加傾向にありますね。

――どの程度、増えているのでしょうか?

ビズリーチに掲載している求人では、年収1,000万円以上を提示する経理職の求人数は1年間で1.5倍※に増えています。

※出典:即戦力と企業をつなぐ転職サイトビズリーチ、2015~2016年と2016~2017年の求人数を比較。「経理職」とは、ビズリーチ上の求人の中で「経理」「財務」「税務」「管理会計」「IR」職を指す

――手厚く給与を払ってでも優秀な経理人材を採用したい企業が増えているのですね。イメージですが、高額給与の求人は外資系企業が多いのでしょうか?

そうとも限りません。日系企業と外資系企業という違いだけが、給与差につながるわけではありません。

――とすると、日系企業と外資系企業では、経理職の業務内容は近いのですか?

いえ、仕事内容は大きく異なります。

日系企業については、上場企業の経理職は給与が高い傾向にあります。上場企業は、開示資料の精度基準が高く、IRに絡む処理もあるからです。

なおかつ、それを四半期に一度行います。社内・社外ともに影響を与えやすいポジションですし、高度な専門知識も必要です。業務要件は非常に高いといえます。

外資系企業については、多国籍企業である場合、業務が複雑化・高度化します。取り扱う資金額が大きくなりますし、各拠点の会計基準や税制知識が必要になる場合もあります。日本の会計基準の変化だけでなく、グローバルでの方針に即した処理能力も求められます。語学も求められるため、日系企業よりも年収が高くなる傾向にあります。

――ともに経理人材への獲得に積極的になっているのでしょうか?

そうですね。優秀な経理人材は希少価値が高いというのが業界の認識となっています。

経理業務は、企業の業種や規模によって異なるため、企業が求める「高い能力を持った」人材を採用することは非常に難しいです。そのため、優秀な経理を採用したい企業は、あらゆる手法を使って採用ターゲットにアプローチする攻めの採用の動きが高まっています。

高年収を目指す経理人材に必要なスキルとは


――年収1,000万円を超える給与を得るためには、経理としてどんなスキルが必要ですか?

市場において希少性の高い人材は高い給与を得られます。経理・会計職で言えば、「連結」「税務」「管理会計」「ファイナンス」「IR」「英語」「マネジメント」などができる人材は希少価値が高いと言われています。特に「管理会計」を高レベルで行える人材は、多くの企業が求めています。

――管理会計とはどのようなものでしょうか?

予算と実績の達成のために、事業や商品、組織、レイヤーなど、さまざまな切り口で業績を理解し、確かな先行指標を見出し管理するという仕事です。経営者の意向通りに帳簿を付けることではありません。重要な意思決定や業績向上を左右し、会社の未来の業績を確かなものにできる人材です。経営者の参謀的なポジションであり、これを高次元で実現できる人材は奪い合いになっています。

――先ほど挙げられた「専門性」に特化すれば、高年収の転職ができるのでしょうか?

それだけではまだ足りず、どこまで広範な業務を行ったことがあるかによって年収は変化します。広範な業務経験と専門性の高いスキルが掛け合わさると、高年収帯の転職ができる可能性が高まるでしょう。

――そのほかに、キャリアアップに成功している経理人材が実践していることはありますか?

経理に限らずですが、「業務時間外」の時間をうまく活用しているように思います。

例えば、他社の経理との意見交換や、講習会の参加などに時間を充てられます。経理の転職では、採用先の経理職における業務の実務経験を求められます。そのためキャリアアップを望む多くの場合、自社だけでなく採用先の業務イメージをしっかりと持っていなければいけません。講習会や研修などで学習の機会を持つことが重要です。

また、グローバル化やビジネスモデルの短命化などを背景として、自社のビジネスモデルが変化したり多角化したりすることもあるでしょう。インプットのためにも、業務時間外で自己学習を意識して行うことが大切です。

――引く手あまたの経理人材になるためには、どうすればいいですか?

繰り返しになりますが、大切なのは「学び続ける姿勢を持つこと」です。会計基準や税制などの法令に限らず、経理をとりまく環境は常に変化しています。会社を取り巻く社会経済情勢に対応するためには、経理として正しく現状を理解し、会社のあるべき方向を問い続ける必要があります。

キャリアアップをするためには、自分の経験のない業務も学び、多面的に備え続ける意識を持ちましょう。

――これから転職しようとする人へ、アドバイスをください

自分のスキルが転職市場でどう評価されるかを知ることは、今後のキャリアを考える上で大切です。

例えばビズリーチに登録すると、職歴を見た企業から直接スカウトが届きます。自身に届いたスカウトを通じ、自分のどういうスキルが求められているのか、自分の市場価値がどれほどなのかわかります。

今すぐに転職の必要性がないと感じている人であったとしても転職市場から見た自分の評価を把握することは大切です。可能性としてのキャリアステップがあるのか、目標に対して何が足りていないか、より具体化させることが自己成長につながります。


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