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  • 更新日 : 2021年6月4日

印鑑証明を取得したときの仕訳と勘定科目まとめ

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印鑑登録を証明する書類として、法人の場合も個人事業主の場合も事業上、印鑑証明の取得が必要になることがあります。印鑑証明を取得した場合、どのような勘定科目で処理するべきなのでしょうか。この記事では、印鑑証明を取得したときに使える勘定科目を、仕訳例を交えて解説していきます。

印鑑証明を取得したときの勘定科目

印鑑証明(印鑑証明書・印鑑登録証明書)とは、公的に登録した印鑑を証明するための書類です。事業においては、重要な契約を結ぶ際などに印鑑証明の提示が必要になることがあります。特に法人の場合、印鑑が登録されていることは会社が実在していることを示すため、印鑑証明の重要度は高いといえます。

ほかにも、土地や建物を売却して所有権が移転する場合など、所有権の移転をともなう契約に同意し虚偽でないことを証明するために、印鑑証明が必要になるケースもあります。

印鑑証明の取得場所は法人と個人で異なり、法人の場合は法務局、個人事業主の場合は市区町村役場などです。印鑑登録も、印鑑証明の取得場所で行うことができます。

それでは、印鑑証明を事業上取得することになったとき、どのような勘定科目を使って仕訳するべきなのでしょうか。印鑑証明を取得したときに使える勘定科目には、以下のようなものがあります。

租税公課で仕訳する

租税公課とは、国税や地方税(租税)または、国や地方公共団体の賦課金(公課)を支払ったときに使用する勘定科目です。たとえば以下のような支出を租税公課で処理します。

  • 固定資産税
  • 自動車税
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 延滞税

など

以上のように、租税公課は租税と公課に分類される支出を広くカバーした勘定科目です。印鑑証明を取得したときの手数料は、法務局または地方公共団体に支払うものですから、租税公課で処理するのが一般的です。

(仕訳例)印鑑証明1通の取得にあたり手数料450円を現金で支払った。

借方
貸方
租税公課450円  現金  450円  

支払手数料で仕訳する

支払手数料は、取引で生じた手数料などを管理するための勘定科目です。例として、以下のような支出が支払手数料に区分されます。

  • 不動産会社へ支払う仲介手数料
  • 銀行の振込手数料
  • 登録手数料

など

印鑑証明を取得する対価として法務局や地方公共団体にお金を支払ったととらえれば、印鑑証明の取得費用も支払手数料と考えることができます。そのため、租税公課や雑費以外に支払手数料として計上することも可能です。

(仕訳例)印鑑証明1通の取得にあたり手数料450円を現金で支払った。

借方
貸方
支払手数料450円   現金   450円   

雑費で仕訳する

雑費とはどの勘定科目にも当てはまらないような内容で、重要性が低い支出を計上するために使用する勘定科目です。印鑑証明の取得にかかる費用は法人の場合で1通あたり450円、オンライン請求だと390~410円となっています。個人が市役所などで取得する場合も1通あたり300円程度と、1通あたりの支出は少額です。金額的な面で、印鑑証明の重要性は低いといえるでしょう。

また事業内容にもよりますが、印鑑証明を事業で使用するケースは多くなく、年に数回、あるいは数年に1回というケースもあります。このように取得の頻度が高くない場合、経常的に発生する租税公課にあえて含める必要はなく、雑費の勘定科目を使えます。

ただし、雑費にはそのほかの支出も含むため、むやみやたらに雑費で計上してしまうと金額が大きくなり、使用用途が分かりにくくなってしまいます。そのため、印鑑証明の取得がほとんど発生しないようなケースに適しているでしょう。

(仕訳例)印鑑証明1通の取得にあたり手数料450円を現金で支払った。

借方
貸方
雑費 450円 現金 450円 

消費税の取扱い

印鑑証明の取得は非課税となり、消費税は課されません。これは、消費税の非課税取引である「国等が行う一定の事務に係る役務の提供」に該当するためです。一定の事務とは、登記や登録、証明などの事務のことで、役務の提供とはサービスの提供を意味します。印鑑証明はこのような一定の事務に該当し、印鑑証明の取得というサービスの提供を受けるため、非課税となります。

ここで注意したいのは、会計ソフト上で設定されている消費税の扱いです。租税公課など消費税が課されないことが多い取引に関しては、標準で非課税設定になっていることが多いですが、支払手数料や雑費に関しては、特に設定しない限り課税仕入のままになっています。支払手数料や雑費の科目を使いたいときは、補助科目を作成した上で、消費税の設定を適切に変更しておきましょう

なお、消費税の申告が必要ない免税事業者については、会計ソフト上の消費税の設定について深く考える必要はありません。

印鑑証明の取得費用は租税公課などで処理する

印鑑証明を取得する際に支払った手数料は、租税公課で処理するのが一般的です。そのほか重要度などに合わせて、支払手数料や雑費でも処理できます。ただし支払手数料や雑費で書類する場合は、会計ソフトの消費税の区分設定が課税仕入のままになっている可能性があるため注意しましょう。また、印鑑証明の取得に要する費用は非課税です。

よくある質問

印鑑証明とは?

印鑑の登録を公的に証明する書類です。詳しくはこちらをご覧ください。

印鑑証明の取得で使える勘定科目は?

租税公課のほか、支払手数料や雑費が使えます。詳しくはこちらをご覧ください。

印鑑証明の取得費用は非課税?

印鑑証明の取得で発生する手数料は非課税で、支払手数料や雑費で仕訳をするときは会計ソフト上の消費税の設定に気をつけましょう。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。