- 更新日 : 2026年7月23日
洗車代の仕訳に使う勘定科目まとめ
業務で使う車両の洗車代は、車両費で経費処理することが基本です。
- 用途で迷ったら車両費に揃える
- 少額や頻度が低ければ雑費で処理する
- 一度決めた勘定科目を継続して使う
自家用車と兼用しているなら、走行距離などをもとに家事按分を行います。
社用車の洗車代は、業務遂行に必要な費用として経費に計上できます。ただし、車両費・修繕費・雑費のいずれを選ぶかは事業の状況によって異なり、判断に迷う経理担当者も少なくありません。本記事では洗車代の勘定科目の選び方や仕訳例、個人事業主の家事按分や消費税の取り扱いまで整理します。
目次
洗車代は経費にできる?対象になる範囲と対象外のケース
業務に使用する車両の洗車代は、必要経費として計上できます。ガラスコーティングなど車両の維持や美観に関わる支出も同様に経費の対象となりますが、趣味目的の装飾や私用部分は対象外となります。ただし取引先を訪問する車両に限らず、車両を事業に使用していることを説明できれば、通常の洗車費用は経費の対象になります。
業務で使う車両の洗車代は経費に算入できる
業務で使う車両の洗車代は、車両費などの勘定科目で経費に算入できます。
取引先への訪問が多い社用車は、外観の清潔さが取引上の信頼にもつながるため、洗車費用は事業遂行に必要な支出として扱えます。ガラスコーティングや撥水加工なども、車両の維持を目的とする限り経費に含められることが多いです。
ドレスアップや趣味目的の装飾は経費にしづらい
車両のドレスアップや趣味の装飾は、業務遂行に直接必要とは言いにくく、経費計上が認められにくい支出です。
過度な装飾やカスタムは、業務との関連性を説明しづらく、税務調査で指摘を受けるケースもあります。社用車であっても、業務に必要な範囲を超えた支出は事業主や役員への給与とみなされる可能性があります。
車両の名義が事業主でないと経費にしづらい
車両の名義が法人または事業主でない場合、洗車代を経費に計上できないことがあります。
法人で個人名義の車両を使用しているケースでは、車両費全般の経費性が問題になります。会社の事業に使う車両であれば、原則として法人名義へ変更しておくのが安全です。
ただし、最終的には車検証上の名義だけでなく、実際の使用実態、費用負担、契約関係、会社の業務に必要かどうかから判断される点には留意しましょう。
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洗車代に使える勘定科目と選び方
洗車代の処理に使える勘定科目は、車両費・修繕費・雑費の3つが代表的です。車両関連の経費が多いほど車両費にまとめ、頻度が少なければ雑費で処理するなど、状況に応じて選びます。
洗車代を車両費で仕訳する
車両関係の支出が多い場合は、洗車代を車両費にまとめると管理しやすくなります。
車両費は、業務に使用する自動車やバイクにかかる費用全般を処理する勘定科目です。自動車税や車検費用、ガソリン代、オイル交換代なども含められます。車両に関する支出を1か所に集約することで、年間の維持コストが見渡しやすくなります。
ただし、自動車税、車検代、ガソリン代をすべて車両費へまとめる場合には、税務上の内訳を区分できるようにする必要がある点に留意しましょう。
例:ガソリンスタンドで洗車を行い、800円を現金で支払った。車両関連費用は車両費でまとめて計上している場合。
| 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|
| 車両費 800円 | 現金 800円 | Aガソリンスタンド |
洗車代を修繕費で仕訳する
車両の維持費として整理するなら、洗車代を修繕費で処理することもできます。
修繕費は、固定資産の維持や原状回復にかかる支出を処理する勘定科目です。車両は事業用の固定資産にあたり、その美観や性能を保つための洗車代も修繕費に該当するという考え方ができます。修理代と同じ科目で管理することで、修繕全体の支出が把握しやすくなる利点があります。
例:ガソリンスタンドで洗車を行い、800円を現金で支払った。車両は資産維持のための支出として修繕費で計上している場合。
| 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|
| 修繕費 800円 | 現金 800円 | Bガソリンスタンド |
洗車代を雑費で仕訳する
洗車の頻度が少ない場合や車両費を設けていないときは、雑費として処理することもできます。
雑費は、他の勘定科目に当てはまらない少額の支出を計上する勘定科目です。年に数回しか洗車をしない場合や、車両費・修繕費を設けていない場合は、雑費に含めて処理することもできます。
なお、従業員の通勤用車両の洗車代を会社が負担する場合は、給与の一部として扱われる可能性があるため、雑費ではなく給与の勘定科目で処理します。
例:ガソリンスタンドでレンタカーの洗車を行い、800円を現金で支払った。社用車はなく、洗車は年1回程度の場合。
| 借方 | 貸方 | 摘要 |
|---|---|---|
| 雑費 800円 | 現金 800円 | Cガソリンスタンド |
洗車用品を購入したときは消耗品費で処理する
カーシャンプーやワックスなどを購入して自分で洗車する場合は、消耗品費で処理できます。
スポンジやカーシャンプー、コーティング剤といった少額の物品を購入して自分で洗車するときは、外部サービスの洗車代とは性質が異なります。こうした物品の購入費は消耗品費に計上するとわかりやすく、サービス利用料と物品の購入費を分けて管理できます。洗車機やガソリンスタンドでの洗車など外部サービスへの支払いは、これまでと同様に車両費や雑費で処理します。
クレジットカードで支払ったときは未払金で計上する
クレジットカードで洗車代を支払ったときは、利用日にいったん未払金で計上します。
例:ガソリンスタンドで洗車を行い、800円をクレジットカードで支払った場合。
カードの利用日に費用と未払金を計上し、口座から引き落とされた日に未払金を消し込みます。利用日と引落日を分けて記帳すると、費用の発生時期と帳簿上の支出が一致します。
| 取引日 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 利用日 | 車両費 800円 | 未払金 800円 |
| 引落日 | 未払金 800円 | 普通預金 800円 |
参照:所得税基本通達37-12(少額又は周期の短い費用の特例)|国税庁
個人事業主が洗車代を経費にする方法と家事按分
個人事業主が自家用車を業務と私用の両方で使う場合、洗車代を全額そのまま経費にすることはできません。事業で使った割合だけを家事按分し、その金額を必要経費として計上します。
走行距離で按分する方法が客観的
家事按分は、走行距離をもとに事業使用の割合を算出する方法も客観的な方法の一つとされています。
例えば、月間の走行距離が合計1,000kmで、そのうち事業で使った距離が700km、私用が300kmなら、洗車代の70%を必要経費に算入できます。走行距離は運行記録に残しやすく、税務調査でも合理的な按分根拠として説明しやすい指標です。
日数や使用頻度での按分も認められる
走行距離の把握が難しい場合は、使用日数や週単位の頻度で按分する方法も認められます。
1週間のうち5日を事業、2日を私用で使用しているなら、おおむね7割を事業使用とみなすことができます。いずれの方法でも、按分の根拠を記録に残しておくことが大切です。
洗車代を経費計上するときの注意点
洗車代を経費にする際は、消費税の課税区分、勘定科目の継続使用、インボイスの保存といった実務上のポイントに留意する必要があります。
課税区分は標準税率の課税仕入れになる
洗車代は国内事業者から受けるサービスであり、原則として標準税率10%の課税仕入れに該当します。
インボイス制度のもとで仕入税額控除を受けるためには、原則として適格請求書発行事業者から交付される適格請求書の保存が必要です。コイン洗車機などレシートの発行形態によっては、簡易インボイスの記載要件を満たすかをあらかじめ確認しておきましょう。
またコイン洗車機の場合、税込3万円未満であれば、インボイス制度の自動販売機・自動サービス機特例の対象となる可能性もあります。
一度決めた勘定科目は継続して使う
洗車代の勘定科目は、一度採用した科目を継続して使用するのが原則です。
企業会計原則の一般原則五では「企業会計は、その処理の原則及び手続を毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない」と定められています。年度ごとに科目を変えると経費の比較可能性が損なわれるおそれもあります。
定額制の洗車を前払いしたときは原則として前払費用で処理する
定額制の洗車サービスを1年分まとめて前払いしたときは、前払費用で処理します。
月額制やサブスクリプション型の洗車サービスを1年分まとめて支払った場合、その期の費用にあたる部分と翌期以降にあたる部分に分かれます。支払時にいったん前払費用として計上し、各月の経過に応じて車両費などへ振り替えると、期間に応じた費用配分ができます。
支払った日から1年以内に役務の提供を受ける前払いを、継続して同じ方法で処理している場合は、支払時に全額を経費に算入する方法も認められます。
洗車代の仕訳など勘定科目の判定で悩む経理担当者は多い
洗車代を経費計上する際、車両費や修繕費、雑費のどれを使うべきか迷う方は少なくありません。マネーフォワードが経理業務に関与する方を対象に実施した調査で、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業を尋ねました。その結果、最も多かったのは「適切な勘定科目や消費税区分(課税・非課税等)の判定」で、36.8%でした。次いで、「銀行明細やクレジットカード明細と帳簿の突合作業」で34.5%でした。
勘定科目のルール化で仕訳作業を効率化
このデータから、洗車代に限らず、日常の業務において「どの勘定科目を使うべきか」という判断に多くの時間が割かれている実態が読み取れます。本記事で解説した通り、洗車代の仕訳に使う勘定科目は自社の状況に合ったものを選択し、継続して使用することが大切です。勘定科目の選択ルールをあらかじめ社内で明確にしておくことで、判定にかかる時間を削減し、毎月の仕訳作業をスムーズに進めることができるでしょう。
出典:マネーフォワード クラウド、仕訳作業の工程において最も工数がかかっている作業【勘定科目に関する調査データ】(回答者:アンケート回答者707名、集計期間:2026年3月実施)
洗車代の勘定科目は継続して使えるものを選ぶ
洗車代の勘定科目は、車両費・修繕費・雑費の中から自社の状況に合うものを選び、継続して使用するのが基本です。車両関連の支出が多い場合や、車両ごとの維持コストを把握したい事業者は車両費が向いています。洗車の頻度が少なく他の勘定科目で処理しきれない場合は雑費が、車両という資産を維持するための支出と整理するなら修繕費が選択肢となります。
個人事業主は走行距離や使用頻度を基準に家事按分を行い、消費税はインボイスの保存要件も確認しておきましょう。
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よくある質問
洗車代は経費にできる?
洗車したのが業務に使用する車両であれば、経費に計上しても問題ないでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。
洗車代を車両費で仕訳するポイントは?
頻繁に洗車を行う場合や、車両関連の費用計上が多い場合には車両費を用いるのが適しています。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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