1. クラウド会計ソフト「マネーフォワード クラウド会計」
  2. 会計の基礎知識
  3. 中小企業におすすめ会計ソフトの選び方・種類と比較方法
  • 作成日 : 2019年10月17日
  • 更新日 : 2020年10月2日

中小企業におすすめ会計ソフトの選び方・種類と比較方法

初めて会計ソフトを導入する場合や、今まで使用していた会計ソフトを更改したい場合、どの会計ソフトを選べばいいのかについて悩んでいませんか?

新たに会計システムの導入を検討する際はまず、自社が必要とする機能をピックアップしつつ、事業規模にあったものを選定します。パッケージ製品やクラウドサービスなど選択肢も豊富です。

会計ソフトとは?

会計ソフトとは、企業の財務内容を数値化するスキルである「簿記」を、パソコンを使って効率的に管理するためのソフトです。

「簿記」では、現金出納帳や売掛帳、仕訳帳総勘定元帳など、実に様々な帳簿を作成します。これらの帳簿を全て手書きで作成すると、ひとつの仕訳を複数の帳簿に転記処理する必要がありますし、転記漏れや転記ミスなどが発生します。

会計ソフトは、ひとつの仕訳が関連する全ての帳簿に自動連動されますので転記する手間が省けますしミスもなくなります。煩雑な会計処理の効率化には今や欠かせない存在となっています。

会計ソフトの種類とは?

パソコン用会計ソフトの種類は、パッケージ会計ソフト、クラウド、ERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)に大別できます。それぞれの特徴について見てみましょう。

会計ソフトの種類特徴
パッケージ会計ソフトパソコンにインストールして使用するタイプ。スタンドアローン(インターネットやサーバーにつながなくても単独で使える)製品と、クライアント・サーバーシステムで、複数のパソコンとデータ共有ができる製品がある。ある程度会計知識を必要とする場合が多い。
クラウド会計サービスインターネット経由で会計ソフトを利用するサービス。サーバーを自社で用意したり、ソフトウェアをインストールしたりする必要もなく、既存のパソコンやスマホ、タブレットなどからのアクセスが可能。会計知識がなくてもすぐに使い始めることができる。
ERP経営上不可欠な業務ソフト(営業、経理、人事など)を統合したソフトウェア。会計ソフトは、数ある業務ソフトのひとつ。各業務ソフトで扱う情報を統合したデータベースで一元管理するため、全社で情報共有がしやすく、業務効率化が可能。大企業向けであったが、中小企業向けのものもある。

さらに同じソフト名であってもパッケージ利用とクラウド利用が用意されているシステムもあります。また、パソコンにインストール作業はするけれども、会計データはクラウド上で保管するシステムもあります。この場合はパッケージ型ソフトに分類されます。

パッケージ会計ソフトとクラウド会計ソフトの比較

全業務をシステムに一元化するERPは、導入までの期間や導入費用も企業の利用形態によって変動が大きいです。そこで、ここでは中小企業や個人事業主を想定し、パッケージ会計ソフトとクラウド会計ソフトを比較します。

パッケージ会計ソフトとクラウド会計ソフトの早見・比較表

パッケージ会計ソフトとクラウド会計ソフトの違いを分かり易く早見表にしてみましょう。

 パッケージ会計ソフトクラウド会計ソフト
価格(初期導入時)

初期費用が必ず発生し、料金も高めになる場合が多い

初期費用が安いものが多く、初期費用が無料のものもある
セキュリティ
ネット環境のないパソコンにインストールすれば安全に運用できる

データが必ずインターネットを経由するので常にリスクが
作業効率
環境依存する必要がないため動作は安定している

通信速度が遅かったり、サーバーが混雑していたりすると動作が不安定になる
料金
月額料金は発生しないものが多いが、税制改正などがあった場合には更新パッケージを追加購入しなければならないケースが多い

割安な月額料金のものがほとんどであり、税制改正への対応は月額料金に含まれている
データの共有
パッケージをインストールしたPCからデータを外部に持ち出す際にはメディアが必要となる

データがクラウド上にあるので
ネット環境さえあればデータ共有が容易にできる
データの保全
ハードディスクが破損したらデータも消失するので、作業終了の都度バックアップが必要となる

データセンターにてバックアップされているので自身でバックアップをとる必要がない
バージョンアップ
ネット環境がない場合、バージョンアップの時期を自分で判断し、手作業で行わなければならない

バージョンアップは運営会社が行うので、バージョンアップを気にする必要がない
デバイス
使用できるデバイスはパソコンのみ

ネット環境さえあればパソコンはもちろん、スマホやタブレットでも操作可能(アプリのインストールが必要になる場合がある)
OS
会計ソフトが対応するOSを使わなければならない

使用するOSは問わない
(ソフトをインストールするタイプのクラウド型は除く)
利用台数
パソコン1台に1ライセンス

1ライセンスで複数台処理が可能
(ソフトをインストールするタイプのクラウド型は除く)

パッケージ型とクラウド型のメリット・デメリット

上記の早見表に基づき「パッケージ型会計ソフト」と「クラウド型会計ソフト」のメリット・デメリットについて詳しく解説していきましょう。

【パッケージ会計ソフト】

<メリット>

  • 社内回線(イントラネット)での利用なのでセキュリティ面で安心
  • ブラウザ画面に比べて、画面の操作性が良い
  • メーカーサポートが手厚く、動作不良などへの対応も早い
  • インターネット回線に依存せずに運用が可能なので作業効率が良く、主に社内で経理をする方におすすめ

<デメリット>

  • サーバー構築、インストールや更新が手間
  • サーバーなどハードウェアも合わせて初期パッケージ価格が高くなる傾向にある
  • 運用コスト(サーバー運用の人件費やメーカーサポート料金、バージョンアップ費用)がかかる
  • サーバークライアントシステムの場合、社外からアクセスできない場合もある
  • ネット環境がない場合、税理士とのデータ共有に手間がかかる

【クラウド会計ソフト】

<メリット>

  • 入出金取引について金融機関の口座情報との連携で自動仕訳・自動入力が可能
  • パッケージ製品に比べ、初期費用が少なくて済む
  • サーバーの運用もメンテナンスも不要
  • インターネット環境と対応ブラウザ搭載の端末(パソコン、スマホ、タブレット)があればいつでもどこでも使えるので、外出している時間が長い方におすすめ(スマホ・タブレットの場合はアプリのインストールが必要な場合がある)
  • 月額料金が安いものが多い
  • 税制改正への対応が無料のものが多い
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  • 経営分析やレポートを最新の情報で作成できる

<デメリット>

  • 自動仕訳後の見直しが必要で製品によっては修正に手間がかかる
  • 通信環境速度に影響されて動作が遅くストレスになる場合がある
  • オンラインでの処理が必須となるため常にネット環境が必要となる
  • 月額利用料は毎月かかるため、ユーザー数や利用年数によってはパッケージ製品より高くつく場合がある
  • 不正アクセスなどセキュリティが気になる

作成可能な帳簿や使用する勘定科目・補助科目など、ソフトの機能そのものに大きな差はありませんが、総合的に見れば中小企業にとってはクラウド会計ソフトの方が導入しやすいメリットを多く備えています。ただ、パッケージ会計ソフトは、操作性の良さや豊富な機能などクラウド会計ソフトにない魅力もあり、どちらを選ぶかは悩ましいところです。

中小企業が導入するべき会計ソフトの選び方

中小企業が会計ソフトを選定する際に気を付けるべきポイントを紹介します

  • 経理担当者のレベルに合っているか
  • 経理の担当者には、複式簿記を理解しているだけの初心者から、経営分析やERPの管理までこなすベテランまで、その実務レベルは様々です。簿記知識が浅い方には多機能のソフトより仕訳入力や伝票入力が簡単なソフトを選択すべきですし、ベテランの方には経理データを資金繰りや融資対策、ワークフローなどと併用できる機能が搭載された複合システムをおすすめします。

  • 会社規模に合っているか
  • 上場企業のように支店単位で会計処理を行い、レポート結果を本社で一括して取りまとめグループ損益を計算するような形態であれば、本社や顧問税理士とのデータのやりとりに手間がかかるパッケージ型よりクラウド型の会計ソフトがおすすめです。

  • 主に経理処理をする場所がどこか
  • 担当者が社内での作業時間を充分にとれる場合にはパッケージ型でも可能ですが、例えば経理担当者が外回りを兼務している場合など、外出している時間が長いときにはスマホやタブレットでの携帯処理が可能なクラウド型の方が効率よく仕事が進められます。

  • どれくらいのコストをかけられるか
  • パッケージ型は自社独自のカスタマイズがしやすい反面、システム導入の初期費用や更新費用がクラウド型より割高となります。予算があまりかけられずコストを抑えたい場合にはクラウド型がおすすめです。

上場を目指す中小企業におすすめの会計ソフト

では、これから上場を目指す中小企業が会計ソフトを導入する際のおすすめポイントを挙げてみましょう。

株式上場(IPO)するためにはまず、証券取引所における上場審査があります。しかし、IPO準備として審査前に監査法人によるショートレビューを受けなければなりません。また上場審査をクリアするため、決算書は最新の会計基準を適用する必要がありますし、予算組みや事業計画は精度の高いものが求められます。会計処理もあらかじめ早期決算化しておかなければ上場審査で予実差異を分析する時間が足りなくなってしまいます。

また、上場後も「内部統制報告制度」による報告義務がありますが、これらの審査・報告を全て、自社で作成した財務諸表で行わなければなりません。

したがって「最新」「スピーディ」「精度の高い」が会計ソフト選定のキーワードです。

中小企業と大企業における会計ソフト選びの違い

中小企業と大企業では会計ソフトに求められる機能に大きな違いがあります。

中小企業では、会計ソフトと法人税申告ソフトだけで経理から税務申告までこなすことができるケースがほとんどです。
しかし、大企業になると「有価証券報告書」のように、外部の利害関係者に向けた財務内容の報告義務が課題となります。また企業内部でも、会計、生産管理、労務管理など管理しなければならない項目が増えてきます。
このようなニーズから、基幹情報を統合的に管理できるERPパッケージを導入するケースが増えているのは必然の流れといえるでしょう。

中小企業者でも将来的に事業規模を拡大し大企業を目指している方は、業務の効率化やリアルタイムでの情報管理ができるERPと、ERPをサポートする会計ソフトを今から選択すべきです。

比較検討し自社にあった会計ソフトを選ぼう

現在の会計ソフトは、会計のデータを利用して税務申告や販売管理、財務分析、資金繰りなどができる多機能なものが増えてきました。しかし、せっかく高いコストをかけても機能を活かしきれないようでは導入する意味がありません。まずは複数の会計ソフトを実際に操作し、自社の経営スタイルや事業規模で必要となる機能が何なのかを把握したうえで、経理レベルに合わせた会計ソフトを選びましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

【監修】マネーフォワード クラウド会計

会計・経理業務に関するお役立ち情報をマネーフォワード クラウド会計が提供します。
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