• 作成日 : 2022年7月22日

初穂料の勘定科目は?玉串料や祈禱料との違いも解説

初穂料の勘定科目は? 玉串料や祈禱料との違いも解説

法人が神社仏閣等に初穂料を支払った場合、寄附金あるいは雑費の勘定科目で経費計上できます。しかし、個人事業主は経費に計上できないとする判例があり、個人事業主が初穂料を支払った場合は事業主貸で仕訳しなければなりません。

本記事では初穂料の勘定科目や仕訳について説明し、消費税の取り扱いについても紹介します。

初穂料の勘定科目

初穂料は神社仏閣等にお参りし、祈祷への謝礼として支払うお金です。仕訳をするときの勘定科目は、法人と個人事業主で異なります。

ここでは、初穂料の勘定科目について、法人と個人事業主に分けて紹介します。

初穂料とは

初穂料とは、神社等の宗教法人が公益事業として行う祈祷に対する謝礼です。お祝いや厄払い、地鎮祭、棟上げ、葬儀などで祭祀祈祷のお祓いをしてもらったときに支払います。

初穂料という言葉の由来は、文字からもわかるように稲穂と関係があります。古い時代には、豊作を祈ってその年の最初に収穫したお米を神社に奉納する風習がありました。このお米が「初穂」です。

初穂はもともとその年の最初に収穫したお米という意味でしたが、現代では意味が変わり、「初穂料」としてお金を捧げるようになったのです。

法人の場合の勘定科目

法人が神社仏閣等に初穂料を支払った場合、「神社の祭礼などの寄贈金」として、「寄附金」の勘定科目で経費計上するのが一般的です。少額の場合は「雑費」に計上することもできます。

寄附金として計上する場合は注意しなければなりません。国や地方公共団体への寄附金は全額経費に計上できますが、その他の寄附金は金額に制限があるためです。神社など宗教法人への支払いもその他の寄附金となり、限度額は会社の資本金や所得により異なります。

経費計上の限度額を求める計算式は、以下の通りです。

[資本金の額×(当期の月数÷12)×(2.5÷1,000)+所得の金額×(2.5÷100)]÷4

 

例えば、資本金が1,000万円で所得が1,500万円の法人では、1年決算で経費に計上できる初穂料の限度額は10万円です。

参考:寄附金を支出したとき|国税庁

個人事業主の場合の勘定科目

法人が初穂料を支払った場合は経費にできますが、個人事業主が初穂料を支払っても経費計上はできないとされています。

個人事業主が経費にできないことについて法律に定めはありませんが、個人事業主は初穂料を経費計上できないというのが複数の判例における見解です。

そのため、個人事業主が初穂料を支払った場合は事業に無関係な支出となり、仕訳は「事業主貸」の勘定科目を使うことになります。

初穂料と玉串料や祈禱料の違い

神社仏閣等に支払う謝礼には、初穂料のほかに玉串料や祈祷料があります。玉串料は祈祷の際に神様に捧げる謝礼であり、祈祷料は神様に対してではなく御祈願をしてくれた神職に対する謝礼です。そのため、祈祷料以外に、神様に対する何らかのお供え物をするのが一般的です。

初穂料と玉串料、祈祷料の違いについて見ていきましょう。

玉串料と初穂料の違い

初穂料も玉串料も祈祷に対する謝礼ですが、初穂料は基本的に婚礼やお宮参りなどの慶事に使うものです。弔事に支払う場合は「初穂料」という言葉を使いません。

玉串料の玉串とは榊の枝のことで、神道の神事で参拝者や神職が神前に捧げるものです。この玉串に代えてお金をお供えすることを「玉串料」とするようになったのです。

玉串料は慶事だけでなく、弔事にも使うことができます。

祈禱料と初穂料の違い

初穂料はお供えするべきお米の代わりであり、神様への謝礼となります。玉串料も神様に捧げる玉串の代わりで、初穂料と同じく神様に捧げる謝礼です。

一方、祈祷料は祈祷をしてくれた神職への謝礼であり、初穂料とは異なります。

初穂料の仕訳

初穂料の支出を仕訳する際は、法人と個人事業主で勘定科目が異なります。法人は初穂料を経費計上できるため、「寄附金」もしくは「雑費」の勘定科目を使います。一方、個人事業主は経費にできず、「事業主貸」で仕訳します。

ここでは、初穂料の仕訳例を紹介しましょう。

法人の場合の仕訳

法人は「神社の祭礼などの寄贈金」を寄附金として経費に計上できます。

A社が神社に初穂料として5万円を支払った場合、仕訳例は以下の通りです。

借方
貸方
摘要
寄附金
50,000円
普通預金
50,000円
初穂料

個人の場合の仕訳

先述したように、個人事業主は初穂料を経費計上できない法律上の根拠はありません。しかし、判例上は否定されています。仮に経費に計上して確定申告の際に税務署から指摘された場合、経費として認められない可能性があるでしょう。

基本的には経費に計上せず、事業主貸として処理します。

個人事業主のBが神社に初穂料として3万円を支払った場合、仕訳例は以下の通りです。

借方
貸方
摘要
事業主貸
30,000円
普通預金
30,000円
初穂料

初穂料の消費税の取り扱い

初穂料は「神社の祭礼などの寄贈金」として寄附金となりますが、寄附金は資産譲渡の対価や役務提供の対価でないため、消費税の課税対象になりません。

ここでは、初穂料の消費税の取り扱いについて説明します。

神社の祭礼などの寄贈金は課税対象外

初穂料は「神社の祭礼などの寄贈金」として寄附金となりますが、寄附金は資産譲渡の対価や役務提供の対価でないため、消費税の課税対象になりません。

一般的に寄附金や拠出金、見舞金と呼ばれるものは寄附金に該当しますが、このような名義の支出でも交際費等、広告宣伝費福利厚生費にあたる場合は寄附金から除外します。どちらにあたるかの判断は、それぞれの実態を検討して判断しなければなりません。

ただし、「神社の祭礼などの寄贈金」は事業に直接関係がないため、原則として寄附金になります。

したがって、初穂料をはじめ玉串料やお祓い料、地鎮祭、車のお祓いなどは寄附金として消費税の対象外です。

参考:交際費等と寄附金との区分|国税庁

初穂料の勘定科目は法人と個人事業主で異なる

初穂料は神社仏閣等に、神様への謝礼として支払うお金のことです。法人では寄附金の勘定科目で経費に計上できますが、個人事業主は基本的に経費計上できず、事業主貸で処理します。寄附金は消費税の課税対象にならず、初穂料にも消費税はかかりません。

初穂料の勘定科目を理解し、正しく仕訳しましょう。

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よくある質問

初穂料の勘定科目は何ですか?

法人の場合は寄付金もしくは雑費として経費計上し、個人事業主の場合は事業主貸として処理するのが一般的です。詳しくはこちらをご覧ください。

玉串料と初穂料の違いは何ですか?

玉串料は神様への捧げ物として支払うお金のことで、慶事・弔事どちらでも使えます。これに対し、初穂料は慶事のみに使うものです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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