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  • 作成日 : 2020年3月30日
  • 更新日 : 2020年6月1日

会計ソフトの補助科目設定で経理作業がもっと便利に!

使用している会計ソフトで、「もっと細かな項目で集計できたらいいのに」と感じたことはありませんか。勘定科目は業種間比較などである程度固定していた方が便利ですが、勘定科目を変更する以外にも方法があります。それは、補助科目の追加です。この記事では、補助科目の概要と利用のメリット、設定の具体例などを解説していきます。

補助科目とは?

財務諸表と帳簿で、使用する会計科目は異なることがあります。財務諸表で使用するものを表示科目(決算書科目)、帳簿で使用する科目を勘定科目といいますが、帳簿や財務諸表作成のための集計で使う勘定科目は、表示科目と比較して追加・削除するなど割と自由に設定することが可能です。

しかし、勘定科目も独自の科目が多いと分かりにくいため、シンプルにまとめた方が好ましいでしょう。勘定科目を大きな分類としたとき、さらに詳しく内容を分けるのに便利な小さな項目が、補助科目です。

補助科目は、勘定科目の下に置かれる内訳科目で、勘定科目の内訳を集計することができます。必ず設定する必要はありません。

補助科目で何が便利になる?設定するメリット

補助科目は、設定が必要なものではないものの、設定しておくと何かと便利です。ここでは、補助科目を設定するメリットを紹介します。

管理しやすくなる

補助科目を使用せず、勘定科目に預金、売掛金などと設定している場合、合計の残高は分かりますが、預金口座ごとの残高、取引先ごとの売掛金残高などは把握できません。

こうした問題をカバーしてくれるのが補助科目です。預金口座ごと、取引先ごとのように補助科目を設定すれば、それぞれの残高を知ることができるようになります。

あくまで日々、記帳できていることが前提ですが、補助科目を設定すればリアルタイムで設定した項目の状況を知ることができるため、銀行への入金や取引先への督促にも役立てることができるでしょう。会計処理だけでなく、日々の業務にも役立てることができるはずです。

集計しやすくなる

例えば、手数料の支払いが発生した場合、勘定科目ではまとめて「支払手数料」とするのが一般的です。しかし、支払手数料といっても、銀行のATM利用でかかる手数料だったり、代引き手数料だったり、不動産会社への仲介手数料だったりと、さまざまな手数料の支払いが考えられます。

この場合、手数料の性質に分けて補助科目を設定しておくと、残高試算表などを確認したとき、どの項目にどれだけ使ったかが分かりやすくなります。来年度はどの費用を削減するかなど事業の状況分析、来年度の予測などにも役立てることができるでしょう。

どういったものを設定すべき?補助科目設定の具体例

補助科目がどういったケースで活用できるのかお話ししましたが、具体的にどのような勘定科目に補助科目を付けるのが効果的なのでしょうか。補助科目設定の具体例をいくつか紹介します。

預金口座の設定

普通預金や当座預金の口座を事業用に複数持っている場合は、補助科目を利用すると便利です。勘定科目で普通預金などの科目がある場合は、その下に各口座名で補助科目を設定していきます。前述のように、口座ごとに補助科目を設定すると口座ごとの残高が分かるようになります。

銀行口座と連携して入出金が自動取得できる会計ソフトを利用している場合は、リアルタイムで各口座の残高を確認できるため、引き落とし前の入金額や入金のタイミングを逃さずに済むでしょう。ただし、銀行口座などと連携した場合、自動的に補助科目が作成されることがあります。補助科目が重複していると、同じ名前の重複した補助科目に別々に集計され、正しく集計ができませんので、連携後に一度設定の画面で、補助科目が重複していないか確認することをおすすめします。

取引先の設定

仕入先や売上先がある程度固定されている場合、あるいは一期ごとに大きな変動がない場合は、取引先ごとに補助科目を設定しておくと便利です。売上の補助科目、仕入の補助科目に取引先を設定するのはもちろん、以下のような科目にも取引先を設定しておくと、未回収分または未払分を把握しやすくなります。ただし、取引先すべてを登録すると補助科目が膨大になってしまうこともあります。小口の取引は小口やその他でまとめておくのもよいでしょう。

売掛金掛けの売上。売掛金の多い取引先を設定。
買掛金掛けの仕入。買掛金の多い取引先を設定。
受取手形手形による売上、または売掛金の回収など。
支払手形手形による仕入、または買掛金の回収など。
現金現金による売上や仕入にかかわる取引先を設定。
預り金源泉所得税、社会保険料、住民税、財形など。

値引きや返品の設定

企業や個人の営業活動において、販売した商品に欠陥や数量不足などがあり売上値引きを行ったり、返品を受けたりするケースもあります。これは逆の場合も考えられ、仕入れた商品に問題がある場合、仕入値引きや返品を行うこともあるかもしれません。しかし、こうした値引きや返品の発生はマイナスの要素のため、あえて財務諸表に表示することはありません。

ただし、事業を行っている組織や個人として、こうした値引きや返品がどれくらいあったかは知っておくべきです。このようなケースでも補助科目は活用できます。

例えば、売上値引きや返品の総額を知りたい場合は、勘定科目の売上高の下に、補助科目として売上値引きや返品を置きます。会計ソフトを使用していて課税事業者である場合、消費税の調整が必要になるため、消費税の税区分も設定を調整しておきましょう。

経費の設定

補助科目は、経費を細かく分けるのにも便利です。具体的にはどの経費に、どういった補助科目を付けると便利か、いくつか紹介します。

【主な経費の補助科目設定例】

租税公課消費税、事業税、固定資産税、収入印紙などに分けて設定すると便利です。
商工会などの会費も租税公課になります。
水道光熱費水道代、電気代、ガス代などに分けて設定すると便利です。
旅費交通費航空券代、電車代、宿泊費などに分けて設定すると便利です。
通信費電話代、インターネット通信料、切手代などに分けて設定すると便利です。
接待交際費食事代、お中元・お歳暮、冠婚葬祭などに分けて設定すると便利です。
地代家賃複数借りている場合は、事務所ごとなどで分けて設定すると便利です。
車両費複数車両がある場合は車両ごとに分ける方法のほか、車検や修理費、ガソリン代などに分けて設定する方法があります。
リース料複数の機器でリースを利用している場合は種類などに分けて設定すると便利です。
支払手数料金融機関手数料や代引き手数料などに分けて設定すると便利です。

補助科目設定のポイント

会計ソフトで補助科目を設定すると、管理や集計は楽になりますが、何でも設定すればよいわけではありません。ここでは、設定の注意点とポイントを紹介します。

細かく設定しすぎない

補助科目を細かく設定しすぎると、総勘定元帳などがかえって見にくくなることもあります。極端な例ですが、給与を従業員ごとに補助科目で設定するのは、あまりよい使い方とはいえないでしょう。従業員が1~5名程度であれば管理に支障は出ませんが、人数が多いと「給与賃金」の下に表示される補助科目の数が膨大になり、確認するのもかえって見にくくなってしまいます。

従業員ごとの給与管理をしたいなら、給与計算ソフトなどを活用した方が適しているのではないでしょうか。給与計算ソフトに連動している会計ソフトを選んで、個別に管理するのが望ましいでしょう。

給与に限らず、ほかの項目も細かく設定しすぎると、見返すときにかえって分かりにくくなることがあります。補助科目を設定するときは設定後もイメージして追加することをおすすめします。

実務での利便性を重視して設定する

例えば、売上や仕入など、主要な取引先との掛け取引の状況などは重要な項目といえますが、少額の取引や単発の取引は、そこまで重要とはいえません。そうした項目まで、補助科目を作って管理する必要はないでしょう。勘定科目とのずれがなければ補助科目の設定に決まりはありませんので、その他などの項目にまとめてしまっても問題ありません。

補助科目は、実務での利便性を重視して、本当に必要な項目に絞って設定することをおすすめします。残高や分析にあまり意味のない項目、不要な項目の設定は避け、なるべくシンプルにすることを心がけましょう。

まとめ

事業に合わせた補助科目の設定を

補助科目の設定は、絶対ではありませんが、会計ソフトで設定しておくことで、これまで以上に各項目の管理や集計を便利にしてくれるメリットがあります。設定する際は、ご自身の事業に合わせて、使用頻度の高い項目などを中心に補助科目の設定を行ってみてはいかがでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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