• 更新日 : 2024年8月8日

法人税申告書の別表10(5)とは?見方や書き方、注意点まで解説

法人税申告書の添付書類は別表1から別表20までと数多くの種類があります。さらに、別表10を見てみると(1)から(11)までの書類があります。ただし、別表10の各書類はどの法人でも使うものではなく、業種・法人がかなり限られているのも事実です。

今回は法人税申告書別表10内の(5)についてご紹介します。どのような業種が利用するのか、および記載方法について確認しましょう。

法人税申告書の別表10とは

法人税申告書別表10には以下の11種類があります。

※下記以外にも付表があります。

書類名内容
別表10(1)沖縄の認定法人の所得の特別控除及び要加算調整額の益金算入に関する明細書
別表10(2)国家戦略特別区域における指定法人の所得の特別控除及び要加算調整額の益金算入に関する明細書
別表10(3)探鉱準備金又は海外探鉱準備金の損金算入及び新鉱床探鉱費又は海外新鉱床探鉱費の特別控除に関する明細書
別表10(4)対外船舶運航事業者の日本船舶による収入金額に係る所得の金額の損金算入又は益金算入に関する明細書
別表10(5)収用換地等及び特定事業の用地買収等の場合の所得の特別控除等に関する明細書
別表10(6)特定事業活動として特別新事業開拓事業者の株式の取得をした場合の特別勘定の金額の損金算入に関する明細書
別表10(7)社会保険診療報酬に係る損金算入、農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得の特別控除、特定の基金に対する負担金等の損金算入及び特定業績連動給与の損金算入に関する明細書
別表10(8)特定目的会社の支払配当の損金算入に関する明細書
別表10(9)投資法人の支払配当の損金算入に関する明細書
別表10(10)特定目的信託に係る受託法人の利益の分配の額等の損金算入に関する明細書
別表10(11)関西文化学術研究都市における文化学術研究交流施設の設置等を行う会社への出資に係る特別勘定の益金算入に関する明細書

ご覧いただいたとおり、別表10を利用する法人は業種がかなり限定されているため、一般的な法人にはほとんど関連がないものが多いのが特徴です。

その中でも、今回は別表10(5)の「収用換地等及び特定事業の用地買収等の場合の所得の特別控除等に関する明細書」について詳しく解説していきます。

法人税申告書の別表は以下からダウンロードしてください。

参考:国税庁「令和5年4月以降に提供した法人税等各種別表関係(令和5年4月1日以後終了事業年度等分)」

法人税申告書の書き方については下記記事を参考にしてください。

法人税申告書の別表10(5)に記載する主な項目と書き方

法人税申告書別表10(5)で記載する項目は以下の2つです。

  • 収用換地の用地買収に関しての明細
  • 特定事業の用地買収に関しての明細

収用換地の用地買収に関しての明細

収用換地の用地買収に関しての明細

通常、土地等の譲渡益があった場合、その収益は課税所得として扱われます。しかし、公共事業目的などで法人が持つ土地が収用換地に該当し収用された場合、5,000万円までは特別控除を受けられるという規定があります。

法人税申告書別表10(5)は、法人が措置法第65条の2「収用換地等の場合の所得の特別控除」規定で控除を受ける場合に記載するというものです。

特定事業の用地買収に関しての明細

特定事業の用地買収に関しての明細

国や地方公共団体が土地区画整理事業のために土地を買収することがあります。その際は別表10(5)の「特 定 事 業 の 用 地 買 収 等 の 場 合 の 所 得 の 特 別 控 除 等 に 関 す る 明 細 書」に記入してください。譲渡益から5,000万円までの特別控除が受けられます。

法人税申告書の別表10(5)を書く際の注意点

法人税申告書別表10(5)を記載する際に気を付けたい点は、 一般の用地買収の場合は別表10(5)は使えないことです。

別表10(5)は収用換地や特定事業の用地買収の特別控除を適用する際に使う書類です。一般の用地買収の場合は使えませんので注意してください。

収用換地などの場合は法人税申告書別表10(5)の提出を

法人税申告書別表10(5)を提出すると、収用換地や特定事業の用地買収の際、譲渡益から5,000万円の特別控除が受けられます。現時点で収用換地などの予定がない法人もいざという時のために覚えておきましょう。

ただし、一般の土地買収の場合は特別控除がないため、別表10(5)の提出は不要です。こちらも把握しておいてください。


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