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  • 更新日 : 2021年1月26日

為替手形とは?仕組みや仕訳例、印紙税の金額などを解説

為替手形という手形がありますが、通常の約束手形工業手形とは何が違うのでしょうか。今回は為替手形という手形独特の仕組みと流れと項目を説明した上で、為替手形を理解するために必要な、支払人・受取人・振出人の役割や裏書、印紙税の取扱いなど、為替手形全般について解説します。

為替手形とは

為替手形とは、ある一定の期日において指定の金額の支払い義務を表明する「手形」という仕組みに対し、三社間の取引における、支払方法として制度化したものです。
為替手形という取引において登場するのは、振出人、支払人、受取人です。

振出人・・・手形を発行する人。
支払人・・・手形の券面金額を、指定の日付に支払う義務のある人。
受取人・・・指定の日付に手形の券面金額の受け取り権利を有する人。

為替手形とは、振出人が発行した手形に基づいて、支払人が受取人に、指定の期日に支払う手続きを行うための手形のことを言います。具体的な為替手形の取引形態については後述します。

為替手形の種類

為替手形は種類としては一つですが、その発行方法によって、以下の三種類に分類されます。その場合の違いは以下の通りです。

他人宛為替手形

本来の形式で発行する為替手形です。つまり振出人が支払人に対して、受取人に対する支払い手段として、為替手形を発行します。受取人は、為替手形について、支払人からの引受をもって、振出人からの支払いを手形として受け取った形として処理します。

自己受為替手形

振出人が自分を受取人として発行する為替手形です。この場合、この為替手形は振出人・受取人の2名での契約となり、支払人による約束手形とほぼ同等の機能を有します。
後述しますが、この場合、為替手形に貼付する収入印紙は、受取人が負担するところがポイントです。

自己宛為替手形

振出人が自分を支払人として発行する為替手形です。この場合、この為替手形は自己受為替手形と同様に、支払人による約束手形とほぼ同等の機能となります。
この場合約束手形と同様に、為替手形に貼付する収入印紙は支払人が負担することとなるため、約束手形との差異はほとんどありません

為替手形取引の仕組み

為替手形の記載事項と、その取引の流れについて図示しました。以下はA社からB社への売掛金100万円と、C社からA社への売掛金100万円に対して、為替手形によって支払われるときの関係図です。

為替手形の項目

為替手形には、以下の項目があります。

振出人:為替手形を振り出した人です。
支払人:為替手形の券面金額を支払う人です。
支払期日:この券面金額を支払う日です。この日に支払呈示をする必要があります。
受取人:券面金額を受け取る人です。
引受:支払人がこの手形を支払う旨を引き受けたことの表明です。
裏面には、手形の受取人を変更するための裏書欄があります。

為替手形の裏書

為替手形を受け取った受取人は、その権利をさらに他者に譲り渡すことが出来ます。
その際には、手形の受取人が裏書をすることで、別の者が受取人となることが出来ます。

振出人が空欄の場合

振出人が空欄の場合、手形要件が満たされていないため、そのままでは効力を持ちません。
いわゆる白地手形とよばれる状態であり、補充することが必要です。
為替手形として事実上成立するためには、支払人による引受が必須のため、引受欄のみ記載されているケースがあります。
この場合、通常は、受取人が自社の名義で補充することになります。

印紙税

印紙税とは、課税文書を作成した者か負担する税金です。
納税方法は文書に印紙を貼付する形で行われ、課税文書の種類やその文書に記載された金額等によって、課税額が異なります。
手形は課税文書のため、手形の振出人が印紙税相当の印紙を購入して貼付することとなります。
ここで、「振出人が空欄の場合」と絡むのですが、印紙税は前述の通り、手形の振出人が負担することになります。振出人が空欄の場合には受取人が振出人欄を補充することになるため、結果として、印紙税を受取人が負担することになります。

為替手形取引の仕訳

前述の例の場合、以下のような 仕訳となります。

(発行時)
振出人:買掛金 100万円 / 売掛金 100万円
受取人:受取手形100万円 / 売掛金 100万円
支払人:買掛金 100万円 / 支払手形100万円

(支払時)
振出人:なし
受取人:現金  100万円 / 受取手形100万円
支払人:支払手形100万円 / 現金  100万円

約束手形との違い

約束手形も為替手形も、指定期日における支払手段という点では一緒です。
約束手形は2者間での取引であり、振出人が支払い義務を負うところが特徴です。
一方で為替手形は、3者間取引を念頭においた仕組みのため、振出人が支払人と違う可能性がある点が最大の違いです。
また、約束手形は2者間取引のため、振出人と受取人の表記のみが必須です。為替手形は三者間契約のため、振出人・受取人・支払人の表示が必要です。名目上は振出人と支払人が異なるため、引受も重要となります。
それ以外の手形の機能としては、約束手形と為替手形は同じ機能を有しています。

為替手形の利用シーン

今回は為替手形について、全般的に説明しました。もともとの機能としては、三者間での支払手段として制度化されたものです。ただ、実際の利用シーンとしては、本来の意味で使われる事は稀で、むしろ約束手形の代わりとして、支払人の印紙代節約のために活用されてきたものです。
手形取引は減少傾向にあり、なかなか目にする機会はないかもしれませんが、いつ為替手形の受取人になるかはわかりませんので、しっかり理解しておくことは必要です。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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