• 作成日 : 2025年9月9日

ESPPはやるべき?仕組みから税金・確定申告・売却方法まで徹底解説

社員が割引価格で自社株を購入できるESPP(従業員株式購入プラン)は、資産形成や会社への参加意識を高める制度として注目されています。

しかし、自分はやるべきか迷う方も多いでしょう。

この記事では、ESPPの仕組みやメリット・デメリットだけでなく、参加判断に役立つポイントや税金・確定申告の注意点までわかりやすく解説します。

ぜひ最後までご覧いただき、自分に合った判断をしてみてください。

ESPP(Employee Stock Purchase Plan)とは?

ESPPとは、企業が従業員に提供する自社株購入制度のひとつで、社員は一定期間のあいだ給与から自動的に積み立てをおこない、その後まとめて割引価格で株を購入できる仕組みです。

アメリカでは広く導入されており、日本でも外資系企業を中心に利用されています。

日系企業では、持株会という仕組みで運用されていることが多く、ESPPはその国際版のような制度と考えると理解しやすいでしょう。

通常の株式投資と異なり、株の知識がなくても参加できる点が特徴で、給与から少額ずつ始められるため初心者でも取り組みやすい仕組みです。

ESPPの仕組み|給与天引きから株の受け取りまでの流れ

ESPPに参加するには会社を通じて申込みをおこない、その後は給与から一定額が自動で控除されて積立に回されます。

積立期間は半年から1年程度に設定されている場合が多く、終了後に自動的に自社株が購入されます。

購入された株式は提携している証券口座に入庫され、従業員はそこから売却や保有の判断をおこなうのがESPPの制度です。

上記の一連の流れは会社によって細部が異なるため、就業先の制度を確認しておくことが大切です。

ESPPの利用条件は企業ごとに異なる

ESPPの制度は企業によって条件が異なります。

割引率は10%前後が多いですが、15%など高めに設定している企業もあるようです。

また、参加条件として一定期間以上の勤務が必要とされる場合があり、積立の上限額や購入できる株数も会社の規定に従います。

参加前には割引率や上限などをしっかり把握しておきましょう。

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ESPPとRSU・ストックオプションの違い

ESPPとRSU、ストックオプションはすべて株式報酬制度ですが、仕組みや資金負担、課税タイミングに大きな違いがあります。

ESPPは従業員が自ら給与天引きで積み立てをおこない、割引価格で株を取得できる制度です。

一方、RSU(譲渡制限付株式ユニット)は会社から無償で株が付与される仕組みで、一定の在籍条件を満たした時点で権利が確定するものです。

ストックオプションはあらかじめ決められた価格で株を購入できる権利を付与されるもので、実際に株を取得する際はその価格を自ら支払う必要があります。

課税面でも違いがあり、ESPPは購入時の割引分が給与所得として課税され、RSUは譲渡制限が解除された時点の株価が給与所得となります。ストックオプションのうち税制非適格ストックオプションは、権利行使時点の株価と行使価額の差額が給与所得課税の対象です。

また、いずれの制度でも、取得した株式を譲渡して売却益が出た場合には、譲渡所得として取り扱われます。

どの制度を利用するかによって、手元資金の負担や税金の発生タイミングが異なり、自分の資金状況やリスク許容度に応じて選択しましょう。

ESPPの課税と確定申告が必要なケース

ESPPで課税が起こるのは、株式を割引購入したときと、株式を売却して利益が出たときです。それぞれ申告を行わなかった場合、延滞税や加算税などのペナルティを受ける可能性があります。

外資系企業の株式は外国証券口座を通じて取引されることが多く、申告の手続きが複雑になりがちです。

そのため、参加前に税務処理の流れを理解しておくことが大切です。

利益が20万円以下なら申告は不要?

所得税法上、給与を1か所から受けており、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合、給与所得・退職所得以外の所得の合計額が20万円以下であれば確定申告の義務はありません。

ESPPにより株式を割引購入した場合、割安で購入できたという経済的利益は給与所得に該当するため、「給与所得・退職所得以外の所得」にはあたらず、20万円ルールの対象外です。

また通達において、源泉徴収をすることを要しない者から給与等を受ける居住者は、確定所得申告を要する旨が示されていることから、ESPPによる経済的利益についても、同様に確定申告が必要であるものと考えられます。

一方、割引購入した株式の売却益は譲渡所得にあたり、20万円以下の場合には申告不要です。ただし、20万円以下であっても住民税の申告は必要となる点には注意が必要です。

企業側は申告を基本的に従業員に任せるため、自分で判断して申告を進めなければなりません。

不安がある場合は税務署に相談したり、税理士に依頼しましょう。

税金がかかるタイミングは購入時と売却時

ESPPの課税は2つのタイミングで発生します。

まず株を割引価格で購入したとき、その差額分が給与所得として扱われ、購入年の翌年に確定申告が必要になるケースがあります。

売却時には譲渡所得として課税され、売却益が生じた場合には売却年の翌年に申告をおこないます。

通常は翌年2月から3月にかけて手続きすることになり、購入時と売却時で課税内容や税率が異なる点を理解しておくことが大切です。

割引分と売却益はそれぞれ別の所得区分に当たるため、混同せずに正しく処理する必要があります。

申告漏れは追徴課税などのリスク

確定申告を怠ると追徴課税や延滞税、無申告加算税などが発生する可能性があります。

外国株の場合は証券会社からの年間取引報告書が海外形式で届くことも多く、内容を誤解して申告漏れになるケースが少なくありません。

後から税務署に指摘されると、本来払うべき額より多くの税金を負担することになりかねません。

複雑な取引がある場合は専門家に相談して正確に申告しましょう。

ESPPの売却方法は主に2つ|即売りと長期保有どちらがお得?

ESPPで購入した株は売却方法によって得られる利益やリスクが変わります。

もっとも一般的なのは、購入後すぐに売却する「即売り」と、長期間保有して株価上昇や配当を狙う「長期保有」の2つです。

即売りは確実に利益を現金化できる一方で、将来の値上がりを逃す可能性があります。

長期保有はリターンの幅を広げられる反面、相場の変動に左右され損失リスクもあります。

両方の特徴を理解して選択することが大切です。

即売りのメリット・デメリット

即売りの大きなメリットは、株を購入した瞬間に割引分の利益をほぼ確実に手にできる点です。

株価の変動を気にせず、制度を利用するたびに安定して収益を得られます。

また、すぐに現金化できるため生活費や他の投資資金に回せる利便性も高いです。

一方で、株価が購入後に上昇した場合、その追加利益を受け取れないデメリットがあります。

安全性を重視したい人には有効ですが、株の値上がり益を狙いたい人には物足りなく感じる点もあるでしょう。

長期保有のメリット・デメリット

長期保有のメリットは、株価が上昇した際に大きな利益を狙える点です。

さらに、配当が支払われる企業であれば保有している間に配当収入を得られるため、資産形成を強化できます。

短期的な相場の上下に一喜一憂せず、腰を据えて投資できるのも特徴です。

ただし、株価が下落すれば元本割れのリスクがあり、場合によっては割引で購入した利益を超える損失が発生することもあります。

また、売却のタイミングを誤ると資産を減らす可能性があるため、資金に余裕がある人やリスクを取れる人に向いています。

安定した現金化よりも、将来の資産拡大を重視する場合に多く選ばれる方法です。

ESPPに関するよくある質問

ESPPに参加する前に、多くの人が疑問に思う点を整理しておくことで、不安を解消し安心して制度を利用できます。

確定申告の時期や割引率、参加するメリットは必ず確認しておきたいポイントです。

以下では代表的な質問に答える形でわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

①ESPPの確定申告はいつ必要ですか?

ESPPでは株を割引で購入した時点で、その割引分が給与所得として課税されます。

さらに売却した際の利益は譲渡所得となり、両方とも確定申告が必要になるケースがあるので注意しましょう。

購入時は購入した年の翌年、売却益は売却した年の翌年に申告することになり、期限は通常2月から3月に設定されています。

申告を怠ると追徴課税や延滞税が課される可能性があるため、期日を守ることが大切です。

適切なタイミングで確定申告をおこないましょう。

②ESPPの割引率はどれくらいですか?

ESPPの割引率は企業によって異なりますが、多くの場合は10%前後に設定されています。

なかには15%程度の割引をしている企業もあり、割引率が高いほど参加する魅力は大きいです。

ただし、上限額や積立可能な割合は会社ごとにルールが設けられており、必ずしもすべての給与を対象にできるわけではありません。

また、勤務年数などの条件がある場合もあるため、実際に参加する前には就業先の規定を確認する必要があります。

割引率は利益を得るための重要な要素なので、しっかり把握して判断しましょう。

③ESPPに参加するメリットは何ですか?

ESPPの大きなメリットは、株を市場価格より安く購入できるため、利益を確保しやすい点です。

給与から自動的に積立できるため、投資経験が少ない人でも無理なく始められます。

さらに、資産を分散する手段にもなり、預金だけに頼らず株式を通じた資産形成が可能になります。

長期的に保有すれば配当金を得られることもあり、安定した資産運用につなげられる可能性があるのです。

初心者にとっては投資の第一歩として参加しやすく、効率的に資産を増やす方法のひとつとして注目されています。

まとめ

ESPPは給与から自動的に天引きして積み立てられた資金で、自社株を市場価格より安く購入できる魅力的な制度です。

少額から始められるため投資初心者でも取り組みやすく、効率よく資産形成を進められます。

ただし、購入時には割引分が給与所得として、売却時には譲渡所得として課税されるため、確定申告が必要になる点は理解しておくことが大切です。

最近ではe-Taxを利用すれば自宅から手続きを完了でき、申告の手間や時間を大きく減らせます。

制度の仕組みと税務面を事前に確認し、安心して活用していきましょう。

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