• 更新日 : 2026年7月23日

税務調査で追徴課税が発生したら?3原則と対応方法を解説

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Point税務調査で追徴課税が発生したら、どう動けばよい?

追徴課税は本税に加算税と延滞税が加わるため、通知のあとは早めの納付準備と相談が要になります。

  • 加算税と延滞税が本税に上乗せされる
  • 原則1か月以内に一括で納める
  • 日々の帳簿管理で発生を防ぐ

延滞税は納付が遅れるほど膨らみます。一括での納付が難しいときは猶予制度を相談できます。

税務調査で申告の誤りが見つかると、本来の税額に加算税や延滞税が上乗せされた追徴課税を求められます。中小企業や個人事業主にとっては資金繰りや信用にかかわる負担となりやすく、通知を受けてから慌てるケースも少なくありません。この記事では、追徴課税が発生したときの3原則と、払えないときの対応や日頃の備えをわかりやすく整理します。

税務調査で発生する追徴課税とは?

追徴課税は、申告した税額が本来より少なかったときに、不足分の本税へ加算税と延滞税が上乗せされて課される税金です。税務調査で誤りが見つかった場面で生じやすく、本税・加算税・延滞税の三つで組み立てられています。

税務調査と追徴課税の関係

税務調査は申告内容が正しいかを確認する手続きで、誤りが見つかると追徴課税につながります。

税務調査には、調査官が事業所を訪れて帳簿を確認する任意調査と、令状に基づく強制調査があります。一般の企業や個人事業主が対象になるのは任意調査で、売上の計上漏れや経費の過大計上などが見つかると、修正申告を求められることがあります。

悪質と判断された場合は、より重いペナルティが課されることもあります。

税務調査の流れは別記事でも整理しています。

追徴課税は本税・加算税・延滞税の三つで決まる

追徴課税は、不足していた本税に、加算税と延滞税が積み上がる仕組みです。

本税は本来納めるべきだった税金そのもの、加算税は申告の誤りに対するペナルティ、延滞税は納付の遅れに応じた利息にあたります。三つが重なるため総額は膨らみやすく、申告漏れの金額以上の負担になりやすい点に注意が必要です。

種類ごとの税率や計算は次の章で整理します。

参照:No.9205 延滞税について|国税庁

計算方法や対象期間は別記事でも詳しく解説しています。

追徴課税はいくらかかる?種類・税率とさかのぼる期間

追徴課税の重さは、加算税の種類と延滞税、そしてさかのぼる期間で決まります。令和5事務年度の法人税調査では、申告漏れが把握された法人1件あたりの追徴税額が約550万円にのぼり、金額は小さくありません。

加算税の種類と税率

加算税には、過少申告加算税無申告加算税・不納付加算税・重加算税の四つがあります。

過少申告加算税は申告額が少なかった場合に原則10%、当初申告税額か50万円のいずれか多い額を超える部分は15%です。

無申告加算税は期限内に申告しなかった場合の税金で、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、50万円超300万円までは20%、300万円超の部分は30%の税率がかかります。

不納付加算税は源泉所得税の納付が遅れた場合には、納付税額に対して10%の税率がかかります。

重加算税は仮装や隠ぺいなど悪質なケースに課され、過少申告加算税などに代えて35%、無申告加算税に代えて40%となります。

過去5年内に重加算税(または無申告加算税)を課されている場合には税率が10%加重され、重加算税は最大で50%になります。

種類 課されるケース 税率
過少申告加算税 申告額が本来より少なかった 10〜15%
無申告加算税 期限内に申告しなかった 15〜30%
不納付加算税 源泉所得税の納付が遅れた 10%
重加算税 仮装・隠ぺいなど悪質なケース 35〜40%(加重で最大50%)

税務調査の前に自分から修正申告をすると、過少申告加算税はかからず、無申告加算税も軽くなります。誤りに気づいた段階で早めに直すほど、負担はおさえられます。

延滞税の率と計算方法

延滞税は、納期限の翌日から納付の日までの日数に応じて利息のようにかかります。

令和8年(2026年)の率は、納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を超えた部分が年9.1%です。日割りで計算されるため、納付が遅れるほど金額は増えていきます。

延滞税は未納となっている本税に対して日割りで発生するため、本税を早めに納付すれば、その分の延滞税の増加を抑えることができます。

平均額とさかのぼる対象期間

税務調査は実務上3年程度をさかのぼることが多く、不正があると最長7年まで広がります。

更正できる期間は原則5年で、偽りや不正があった場合は7年まで延びます。期間が長くなるほど本税も延滞税も積み上がり、負担は大きくなりやすい状態です。

こうした背景から、帳簿や領収書は原則7年間(欠損金の繰越がある法人は10年間)保存し、調査に備えておくと安心です。

参照:令和5事務年度 法人税等の調査事績の概要|国税庁

追徴課税が発生したときの3原則

追徴課税には、突然の通知でも知っておきたい共通のルールがあります。一括で納める、原則1か月以内に支払う、免除は原則認められないという3点をおさえておくと、延滞や追加の負担を防ぎやすくなります。

一括での納付が原則

追徴課税は、原則として一括での納付が求められます。

分割は例外的な扱いで、税務署の審査を経て認められる必要があります。納付は金融機関や税務署の窓口、インターネットバンキングなどから行えます。

資金に余裕がないときは、後述する猶予制度の利用も選べるため、通知を受けたら早めに納付計画を立てておくと落ち着いて対応できます。

通知の翌日から原則1か月以内

加算税は、税務調査結果の通知の翌日から原則1か月以内に納めます。

期限内に納付しないと督促状が届き、それでも応じないままだと催告書や財産の差し押さえへと進むことがあります。強制的な手続きを避けるには、通知を受け取った時点で納付の見通しを立てておくことが役立ちます。

資金繰りへの影響が大きい中小企業や個人事業主ほど、早めの準備が安心につながります。

免除は原則認められない

追徴課税は法令に基づく義務で、原則として免除は認められません。

経済的に苦しい状況でも、課税そのものがなくなるわけではありません。災害などやむを得ない事情がある場合は救済措置が用意されていますが、これは期限の延長や分割といった形であり、税額が取り消されるものではありません。確実に納める前提で資金計画を整えておくと、突然の通知にも対応しやすくなります。

参照:換価の猶予の申請手続|国税庁

追徴課税は経費にできる?損金算入の可否

加算税や延滞税は経費にできず、損金には算入できません。

法人税法では、加算税や延滞税はペナルティの性質を持つため、損金に算入しない決まりです。本税についても、法人税・地方法人税・住民税は損金に算入できません。一方で、事業税の追徴分のように損金へ算入できる税金もあり、税目によって扱いが分かれます。

ここを取り違えると翌年も誤った処理が続きやすいため、追徴課税を支払ったあとの会計処理は分けて考えることが役立ちます。

参照:No.5300 損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期|国税庁

追徴課税を払えないときの対応方法

追徴課税の通知を受けたら、落ち着いて段取りを整えることが対応の軸になります。調査結果の確認、救済制度の利用、資金繰りの見直しを順に押さえておくと、慌てずに動けます。

調査結果の確認と修正申告・不服申立の判断

追徴課税が確定すると通知書が届くため、まずは金額と理由を丁寧に確認します。

不明点があれば税務署へ問い合わせ、必要に応じて税理士に相談すると判断しやすくなります。指摘に納得できないときは、修正申告をせずに更正処分を待ち、不服申立てを行う道もあります。

いずれも期限が決まっているため、放置せず早めに方針を決めることが負担をおさえる助けになります。

納税の猶予・換価の猶予の活用

一括での納付が難しいときは、納税の猶予や換価の猶予を相談できます。

納税の猶予が認められると、事情に応じて納付期限の延長や分割での納付が認められる場合があります。 また、延滞税が軽くなる場合もあります。換価の猶予では、差し押さえや財産の処分を一定期間避けられるケースもあります。

申請には書類の提出や担保が必要な場合があるため、資金繰りが厳しいと感じたら早めに税務署へ相談しておくと選択肢が広がります。

資金繰りが厳しいときの対応策

資金が不足しそうなときは、資金の用意とリスク管理を並行して進めます。

短期的には金融機関の融資やビジネスローンの利用を検討し、中長期では資金繰り表を作って返済の見通しを立てると判断しやすくなります。外注費や経費の支払いスケジュールを見直し、支出の優先順位を整理することも役立ちます。入金待ちの売掛金があれば、ファクタリングで早めに現金化できる場合もあります。

対応を先延ばしにするほど選択肢は狭まりやすいため、早めに専門家へ相談する姿勢が安心につながります。

参照:延滞税の割合|国税庁

追徴課税を防ぐための備え

追徴課税の多くは、日々の記録漏れや申告の誤りといった基本的なところから生じます。日常の経理を整え、税理士と連携しておくことで、余計なリスクを避けやすくなります。

日々の経理体制と早期修正

追徴課税を防ぐ近道は、日々の取引を正しく記録し、誤りを早めに直すことです。

領収書や請求書の管理を整え、会計ソフトを使って定期的に仕訳を記録しておくと、誤りに気づきやすくなります。月次決算や内部チェックを習慣にすれば、小さなずれの段階で修正できます。

気づいた時点で自主的に修正申告をしておくと、加算税の負担も軽くなりやすい状態を保てます。

証憑の保存と税理士との連携

帳簿や証憑を整え、税理士と連携しておくと、税務調査に落ち着いて備えられます。

税務は判断が難しい場面があり、自己判断のままだと申告漏れや解釈の誤りが生じやすくなります。日頃から顧問契約を結んでおけば、定期的な助言を受けながら正確な申告を続けやすく、税務署とのやり取りも任せやすくなります。

経営者は本業に時間を向けやすくなり、調査への備えも整います。

参照:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁

税務調査による追徴課税への備えと対応

税務調査で追徴課税が生じると、不足分の本税に加算税と延滞税が上乗せされ、総額は膨らみやすくなります。発生したときは原則として一括で、通知の翌日からおおむね1か月以内に納める必要があり、免除は原則認められません。

一括での納付が難しいときは、納税の猶予や換価の猶予を相談でき、融資や資金繰りの見直しとあわせて資金不足に対応できます。加算税や延滞税は経費にできないため、負担を軽くする近道は、日々の帳簿管理と早めの修正申告で追徴課税そのものを防ぐことです。

会計ソフトを使った記帳と税理士との連携を続けることで、税務調査にも落ち着いて備えられます。

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