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  3. 個人事業主が支払った国民年金の仕訳・勘定科目は?経費にできない理由や確定申告手続きも解説
  • 更新日 : 2025年12月11日

個人事業主が支払った国民年金の仕訳・勘定科目は?経費にできない理由や確定申告手続きも解説

監修:橋爪 祐典(税理士)

個人事業主(フリーランス)が支払った国民年金の保険料は経費に計上できませんが、社会保険料控除の対象となるため、大きな節税効果があります。また、事業用口座から国民年金保険料を支払っている場合、勘定科目「事業主貸」を使用した会計処理が必要です。

この記事では、個人事業主が国民年金を支払った際の正しい会計処理、具体的な仕訳例、節税につながる社会保険料控除、関連する制度について詳しく解説します。

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目次

  • 個人事業主が支払った国民年金の仕訳・勘定科目は?
    • 1. プライベート口座・現金から支払った場合
    • 2. 事業用の口座から支払った場合
  • 個人事業主の国民年金が必要経費にならない理由は?
    • 法人化(法人成り)して経費にする方法は?
  • 個人事業主の国民年金は社会保険料控除になる
    • 社会保険料控除とは?
    • 社会保険料控除の対象となる保険料は?
    • 生計を一にする家族の分の保険料も控除対象
    • 未納分・前納・追納の扱いは?
  • 個人事業主が社会保険料控除を受けるための手続きは?
  • 個人事業主が年金を受け取った場合も確定申告が必要
    • 確定申告が不要になるケース
    • 住民税申告は必要
  • 個人事業主の国民年金以外の年金・控除制度は?
    • 国民年金基金
    • 付加年金
    • iDeCo(個人型確定拠出年金)
    • 小規模企業共済
  • 国民年金の社会保険料控除を忘れずに

個人事業主が支払った国民年金の仕訳・勘定科目は?

個人事業主が国民年金を支払った際の勘定科目は、支払方法によって異なります。

1. プライベート口座・現金から支払った場合

プライベート用の口座や現金から国民年金を支払った場合、仕訳は不要です。

理由は、事業資金に影響がなく、事業との関係性がないためです。日々の食費と同様、個人的な支出とみなされます。

2. 事業用の口座から支払った場合

事業用の口座から支払った場合は、「事業主貸」という勘定科目を使って仕訳が必要です。

事業に関係があるとはいえないものの、事業用の資金額に変動が生じているため、記帳の必要があります。この際、年金保険料は事業に関係のない個人的な支出なので、必要経費としてではなく「事業主貸」で仕訳してください。

「事業主貸」は、自身の生活費をはじめ、事業とは関係ない費用を支払うために事業用口座から預金を引き出した場合に使用する勘定項目です。

(仕訳例)事業用の口座から国民年金の月額保険料1万6,610円を支払った

借方貸方摘要
事業主貸16,610円普通預金16,610円国民年金保険料

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事業主貸と事業主借を正しく使い分けるには?事例と仕訳でわかりやすく解説! | マネーフォワード クラウド
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個人事業主の国民年金が必要経費にならない理由は?

個人事業主の国民年金保険料は、事業の経費(必要経費)として計上できません。

理由は、国民年金が事業運営に直接必要な支出ではなく、事業主個人の老後や万が一の事態に備えるための個人的な支出とみなされるためです。

法人化(法人成り)して経費にする方法は?

個人事業主の国民年金保険料は経費になりませんが、法人化(法人成り)した場合は、保険料の一部を経費として計上できます。

個人事業主が法人化して会社の役員になると、年金の区分が「第1号被保険者」から「第2号被保険者」に変わります。これにより、国民年金に加えて「厚生年金」への加入が義務付けられます。

厚生年金保険料は、会社(法人)と役員個人が半分ずつ(折半)して負担します。このとき、会社が負担する分の厚生年金保険料は、「法定福利費」という勘定科目で法人の経費として計上できます。

個人事業主の国民年金は社会保険料控除になる

国民年金の保険料として拠出した金額は、全額「社会保険料控除」に算入できます。これにより、確定申告において年間に支払った保険料を所得から控除することが認められます。

社会保険料控除とは?

社会保険料控除は「所得控除」の一種で、課税対象となる「所得」そのものから一定額を差し引くことができる制度です。

国民年金の保険料は、20歳以上であれば会社員や個人事業主など立場にかかわらず納める必要があるものです。事業上の経費には算入できない一方、所得控除の一種として所得税の負担を減らす一定の効果が認められます。

個人事業主はじめ確定申告を行う人は、 国民年金の保険料を所得控除に含めるかどうかで納税額が大きく変化する可能性もあるので、忘れないように注意が必要です。

参考:No.1130 社会保険料控除|国税庁

社会保険料控除の対象となる保険料は?

社会保険料控除の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までに納付した保険料です。国民年金以外にも以下の保険料が含まれます。

  • 厚生年金
  • 健康保険
  • 国民健康保険
  • 介護保険
  • 後期高齢者医療保険 など

生計を一にする家族の分の保険料も控除対象

社会保険料控除の対象は、ご自身の分だけに限られません。

居住者(あなた)が、ご自身と生計を一にする配偶者やその他親族の分の国民年金保険料を支払った場合も、あなたの社会保険料控除の対象とすることが可能です。

未納分・前納・追納の扱いは?

もし未納分がある場合、年内(12月31日まで)に納付すれば、その年の控除対象に含めることができます。これは過去の未納分を追納した場合も同様で、支払った年の社会保険料控除の対象となります。

また、国民年金保険料を前納(前払い)した場合も、支払った年にその全額を社会保険料控除として申告することが可能です。

個人事業主が社会保険料控除を受けるための手続きは?

個人事業主が国民年金の社会保険料控除を受けるためには、確定申告で所定の手続きを行う必要があります。毎年10月〜11月頃に日本年金機構から郵送される「社会保険料控除証明書」が必要です。

社会保険料控除証明書

出典:令和7年分社会保険料(国民年金保険料)控除証明書の発行について|日本年金機構

この証明書に記載されている金額を、確定申告書の「社会保険料控除」の欄に記入します。書き方は、青色申告・白色申告どちらの場合でも共通です。

なお、e-Tax(電子申告)で確定申告を行う場合、社会保険料控除証明書の添付は省略可能です。 ただし、税務署から内容確認のために提示を求められる場合に備え、5年間は自宅等で保存する義務があります。

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国民年金は、所得税の確定申告では社会保険料控除に分類されます。自営業やフリーランスは、国民年金を確定申告で社会保険料として控除することになります。ここでは国民年金が確定申告で果たす節税の役割について紹介します。

個人事業主が年金を受け取った場合も確定申告が必要

保険料を支払った場合だけでなく、年金を受け取りながら個人事業主として事業所得がある場合も、原則として確定申告は必要です。

年金収入は、所得税法上「雑所得」として扱われます(障害年金や遺族年金など一部の非課税年金を除く)。個人事業主としての「事業所得」と、年金収入である「雑所得」を合算し、そこから各種控除(社会保険料控除など)を差し引いた金額に対して所得税が計算されます。

参考:No.1600 公的年金等の課税関係|国税庁

確定申告が不要になるケース

ただし、年金受給者には「確定申告不要制度」が設けられており、以下の両方の条件を満たす場合は、所得税の確定申告は不要となります。

  1. 公的年金等の収入金額の合計が400万円以下であること
  2. 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下であること

個人事業主の方の場合、事業所得が20万円を超えていれば、年金収入が400万円以下であっても確定申告が必要です。逆に、年金収入が400万円を超えていれば、事業所得が20万円以下であっても確定申告が必要となります。

参考:ご存じですか?年金受給者の確定申告不要制度|政府広報オンライン

住民税申告は必要

注意点として、上記の制度は「所得税」の確定申告が不要になる制度です。所得税の確定申告が不要になった場合でも、事業所得が赤字でない限り、別途「住民税」の申告はお住まいの市区町村へ行う必要がありますのでご注意ください。

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個人事業主の国民年金以外の年金・控除制度は?

個人事業主の年金や節税を考える上では、国民年金以外にも知っておくべき制度があります。これらを活用することで、老後の備えを厚くしつつ、節税効果を高めることができます。

国民年金基金

国民年金基金は、国民年金に上乗せする公的な年金制度(2階部分)です。個人事業主やフリーランス(第1号被保険者)が任意で加入できます。

控除の種類

掛金は全額「社会保険料控除」の対象です。

参考:国民年金基金

付加年金

付加年金は、国民年金の第1号被保険者が、定額の保険料(月額400円)に上乗せして付加保険料を納付することで、将来受け取る老齢基礎年金に上乗せされる制度です。

控除の種類

付加保険料は全額「社会保険料控除」の対象です。

参考:付加年金|日本年金機構

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、自分で掛金を拠出し、自分で運用方法を選んで将来の年金資産を形成する私的年金制度です。

控除の種類

掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。

参考:iDeCo公式サイト

小規模企業共済

iDeCoと並び、個人事業主の節税対策としてよく挙げられる制度に「小規模企業共済」があります。これは年金制度ではなく、個人事業主の退職金を積み立てる制度です。

控除の種類

掛金は全額「小規模企業共済等掛金控除」の対象です。

国民年金の社会保険料控除を忘れずに

国民年金の保険料は、プライベートの口座や現金から支払った場合、仕訳の必要はありません。事業との関係性がないため、日々の食費と同様、個人的な支出とみなされるためです。

しかし、事業用口座から国民年金を拠出したのであれば、事業用資金に移動が生じるので、記帳の必要があります。

普通預金と対になる勘定科目として使用するのは「事業主貸」です。国民年金は厚生年金がなく、老後の保障が薄い個人事業主のセーフティーネットとして重要な制度です。会計処理の必要・不要にかかわらず、保険料をきちんと納付し続けることをおすすめします。

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  • 監修:橋爪 祐典(税理士)

    2018年より税理士法人に勤務し、中小企業の決算・申告から財務デューデリジェンス等の高度な会計分析まで幅広く従事。株式会社・合同会社の設立登記支援を多数手がけ、税務署や自治体への各種届出から、創業融資・事業計画書作成、補助金申請の実務支援まで一貫して対応しています。 実務においては、最新の制度改正を踏まえた解説や、役員報酬のシミュレーション、キャッシュフロー計算書を用いた毎月の収支説明など、経営判断に直結する専門知識を提供。相続案件まで含めた多角的な視点を活かし、起業家の挑戦を実務面から強力にバックアップします。

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