• 更新日 : 2026年7月23日

税務調査で修正申告を求められたら?流れとペナルティを解説

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Point税務調査で修正申告を指摘されたら、何をどう進めればよい?

申告税額が少なかったときに正しい内容へ直す手続きで、指摘後は早めの対応が負担を抑えます。

  • 申告漏れや経費の誤りが見つかると求められる
  • 申告書を出し、不足分の税金と延滞税を納める
  • 調査の前に自ら直すと加算税が軽くなる

延滞税は納付が遅れた日数に応じて増えるため、指摘を放置せず期限内に動くことが大切です。

税務調査で修正申告を指摘されると、手続きやペナルティの負担に不安を感じる個人事業主や中小企業経営者は少なくありません。本記事では、修正申告の流れ、必要書類、加算税・延滞税の種類を国税庁の情報にもとづいて整理します。調査の前に自ら直す方法や、指摘に納得できないときの選択肢までわかりやすく解説します。

税務調査そのものの流れや必要書類については、次の記事で詳しく解説しています。

税務調査における修正申告とは?更正の請求との違い

修正申告とは、提出済みの確定申告に誤りがあり、申告した税額が本来より少なかった場合に、申告期限後に正しい内容へ直す手続きです。不足していた税金を追加で納めます。

修正申告の意味と対象

修正申告は、申告した税額が少なかったときに正しい税額へ直す手続きです。

対象は所得税や法人税消費税など幅広く、自ら誤りに気づいて行う場合と、税務調査で申告漏れや経費の誤りを指摘されて行う場合があります。
税務調査では、調査官が帳簿や領収書を確認し、申告誤りがあると判断した場合には修正申告を勧奨されることが一般的です。
納税者が内容に納得した場合は修正申告を提出し、納得できない場合は修正申告を提出せず、更正処分を受けたうえで不服申立てを行うこともできます。 更正の請求との違い

更正の請求は、納めた税額が多過ぎたときに返してもらう手続きで、修正申告とは逆の関係にあります。

修正申告が「少なかった税額を増やす」手続きであるのに対し、更正の請求は「多過ぎた税額を減らす」手続きです。更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内とされています。混同しやすい言葉ですが、向きが反対と覚えておくとよいでしょう。

参照:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

修正申告が必要になるケース

修正申告は、申告内容に誤りがあると指摘された場合に必要です。税務調査で発覚しやすい代表的なケースを整理します。

売上の漏れや経費の誤り

売上の計上漏れや、認められない経費の計上は、修正対象になりやすい項目です。

現金売上や少額取引の申告漏れは見落とされやすい一方で、預金口座や取引先との照合で把握されやすい項目です。実際には発生していない経費や、私的な支出を事業経費に含めた場合も修正対象になります。意図的な水増しと判断されると重加算税の対象となり、負担が大きくなりやすいため、帳簿の整備と証憑の保管を日頃から心がけることが大切です。

第三者への調査で売上の状況が把握される反面調査については、次の記事もあわせてご覧ください。

参考:反面調査とは?税務調査との違いや企業が押さえておくべき注意点を解説

領収書・帳簿の不備による否認

記録が不十分な支出は経費として認められず、課税所得が増えて修正につながりやすくなります。

領収書が残っていない支出や、帳簿の記録と整合しない取引は、経費として認められにくくなります。さらに、架空経費の計上など、仮装・隠ぺいが認められる場合には重加算税の対象となることがあります。 とくに、本来は翌期に計上すべき経費を当期に含める「期ズレ」は、請求書仕訳帳の確認で指摘されやすい論点です。

過去の申告誤りの発覚

税務調査では数年前まで遡って確認される場合があり、過去の誤りも修正対象になります。

ケアレスミスや勘違いによる単純な誤りでも、調査の過程で発覚すれば修正申告が必要です。年度をまたいで誤りが繰り返されていた場合、累積分が一度に見つかると多額の追徴課税につながるおそれがあります。過去の帳簿を定期的に点検しておく姿勢が、負担の回避につながります。

参照:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

修正申告の流れ

修正申告は決められた手順に沿って進めます。ここでは「作成」「提出」「支払い」について確認します。

修正申告書の作成

国税庁の様式に従い、訂正箇所や差額を明確にして修正申告書を作成します。

売上漏れが判明した場合は正しい金額を反映させ、経費の誤りであれば認められる範囲に直します。内容が曖昧なまま提出すると再度の修正を求められることがあるため、帳簿や領収書と突き合わせながら作成しましょう。国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、金額を入力すると税額が自動計算され、修正申告書を作成できます。

修正申告書の提出

作成した修正申告書は、所轄の税務署へ窓口・郵送・e-Taxのいずれかで提出します。

税務調査で指摘を受けた場合は、合意した内容に沿って速やかに提出するのが原則です。提出方法のうち、24時間提出できるe-Taxは手間がかかりにくい方法です。

税額の支払い

修正申告書の提出後は、追加で納める本税と延滞税を、修正申告書の提出日までに納付するのが原則です。

本税と延滞税は、税務署窓口や金融機関のほか、口座振替やクレジットカードでも納付できます。過少申告加算税などの加算税がある場合は、後日届く賦課決定通知書にもとづき、発行日から1か月以内に納付します。延滞税は納付が遅れるほど増えるため、早めの対応が負担を抑えます。

参照:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

修正申告で課されるペナルティにはどのようなものがある?

税務調査で修正申告となった場合、本税のほかに加算税と延滞税が課されることがあります。種類ごとに整理します。

名称 課される場面 税率の目安
延滞税 納付が法定期限に遅れたとき 年2.4〜9.1%(年により変動)
過少申告加算税 申告した税額が少なかったとき 10%(一定額を超える部分は15%)
無申告加算税 期限内に申告していなかったとき 15〜30%
不納付加算税 源泉徴収税を納期限までに納めなかったとき 10%
重加算税 仮装・隠ぺいがあったとき 35%または40%

延滞税

延滞税は、本来の納期限の翌日から納付日までの日数に応じて課されます。

税率は年ごとに変わり、納期限の翌日から2か月以内と2か月超で異なります。令和8年(2026年)は2か月以内が年2.8%、2か月超が年9.1%です。令和7年(2025年)までは年2.4%・年8.7%でした。納付が遅れるほど負担が増えるため、最新の割合は国税庁のページで確認しましょう。

参照:No.9205 延滞税について|国税庁

過少申告加算税

過少申告加算税は、申告した税額が本来より少なかった場合に課されます。

税率は原則10%で、新たに納める税金が当初の申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%です。調査の事前通知の前に自ら修正申告をした場合は課されず、事前通知後から調査前までであれば5%(同じく超過部分は10%)に軽くなります。

無申告加算税・不納付加算税

無申告加算税は申告がなかったとき、不納付加算税は源泉徴収税の納付が遅れたときに課されます。

無申告加算税は、納める税額のうち50万円までが15%、50万円超300万円までが20%、300万円超が30%です。不納付加算税は源泉徴収税額の10%で、いずれも事前の自主的な対応で税率が下がる場合があります。

重加算税

重加算税は、仮装・隠ぺいなど悪質と判断された場合に課される重いペナルティです。

過少申告加算税や不納付加算税に代えて35%、無申告加算税に代えて40%が課されます。過去5年以内に重加算税を課された経緯があるなど常習性が認められると、さらに10%が加算されます。追徴課税の全体像は、次の記事もあわせてご覧ください。

税務調査の前に修正申告をするとどうなるのか

誤りに気づいた段階で自ら修正申告をすると、加算税の負担が軽くなります。タイミングによって扱いが変わります。

タイミング 過少申告加算税 ポイント
事前通知の前に自主修正 課されない 負担を最も抑えやすい
事前通知の後〜調査前に修正 5%(超過部分10%) 通知後でも軽減はある
調査を受けた後に修正 10%(超過部分15%) 原則どおりの税率

誤りに心当たりがある場合は、できるだけ早く動くことが負担の軽減につながります。調査の結果が通知されるまでの期間は、内容により数週間で終わる場合もあれば、確認事項が多いと長くかかる場合もあります。通知までの流れは次の記事で詳しく解説しています。

参照:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

修正申告をすると税務調査を招くのか

調査の前に自ら修正申告をすると、加算税が軽減または免除される仕組みが設けられています。

「自ら修正申告をすると、かえって税務調査を招くのではないか」と考えて、対応をためらう方がいます。国税庁の制度では、事前通知の前に自主的に修正申告をした場合、過少申告加算税は課されません。誤りを放置したまま調査で指摘されると、重い加算税につながりやすくなります。修正申告をしたことだけを理由として税務調査が行われるとはいえませんが、修正申告を契機として内容を確認するために調査が行われる場合もあります。 早めに自ら直すほうが、結果として手元に残る資金の差は小さくなりやすいといえます。

申告から1年以上経って修正申告をした場合、不正がなければ一定期間を延滞税の計算に含めない特例も設けられています。誤りに気づいた時点での対応が、負担を抑える方向に働きます。

参照:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

指摘に納得できないとき修正申告を拒否できるのか

税務調査で誤りを指摘されても、修正申告を提出するかどうかは納税者が判断できます。納得できないときの選択肢を整理します。

修正申告を提出しない場合の扱い

修正申告に応じない場合、税務署が更正処分により税額を決定します。

修正申告を出さないと税額が確定しないため、税務署が法令にもとづいて税額を定める更正処分を行います。更正処分の内容に納得できないときは、再調査の請求や審査請求といった不服申立ての制度を利用できます。

安易に応じることのデメリット

修正申告は納税者が自ら税額を申告し直す手続きであるため、修正申告書に基づく税額については、原則として不服申立てを行うことはできない点に注意が必要です。

修正申告は、納税者が自ら誤りを認めて申告し直す性質を持つため、いったん提出すると「本当は指摘が誤っていた」といった主張が認められにくくなります。指摘内容に明確なズレがあり、税理士からも争う余地があると助言を受けた場合は、更正処分を待ち、不服申立てで対応する選択もあります。判断に迷うときは、税理士に相談しながら進めると安心です。

参照:No.2026 確定申告を間違えたとき|国税庁

税務調査の修正申告は早めに対応しよう

税務調査で修正申告を求められたら、指摘を放置せず、正しい内容で期限内に対応することが負担の軽減につながります。修正申告は申告税額が少なかったときに正しい税額へ直す手続きで、本税のほかに延滞税や加算税がかかる場合があります。延滞税の割合は年ごとに変わるため、最新の数値は国税庁のページで確認しましょう。誤りに気づいた段階で自ら修正申告をすると加算税が軽くなり、調査前の自主的な対応ほどメリットは大きくなります。

指摘に納得できないときは更正処分を待つ選択もあるため、判断に迷う場合は税理士に相談しながら進めることをおすすめします。

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