• 更新日 : 2026年3月11日

決算期はいつ?3・9・12月の時期が多い?決め方や変更方法を解説!

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Point決算期とは?

決算期とは事業年度の最終月のことで、会社の資産や損益を計算し確定させる時期です。

  • 大企業は3月が多いですが、自由に設定可能
  • 繁忙期を避け、資金繰りを優先して決めるのが一般的
  • 定款変更の手続きを行えば、設立後でも時期の変更可能

法人には個人と違って「事業年度」があり、自社の定款に事業年度を記載するのが一般的です。事業年度の最終日が決算日となり、決算日の次の日から新たな事業年度が始まります。

3月決算の法人が多いようですが実際はどうなのでしょうか?

この記事では事業年度の決め方や、決算時期変更における注意点などについて解説します。

決算期とは?

法人を設立した場合、いくら利益があったのか、資産がどれくらいあるのかを計算します。これを「決算」といいますが、その決算をするための区切った期間を「事業年度」といいます。

事業年度は、例えば「4月1日から3月31日まで」などと決めます。そして、事業年度の「最後の月」、この例えで言えば3月を決算期または決算月と呼びます。決算期になれば、その事業年度の決算書を作成して、その後株主総会や申告納税などが続きます。

事業年度は英語で「Fiscal year」と表しますので、2021年度の3月決算は「fiscal year ended March 31, 2021」となります。事業年度は会社法法人税法で用いますが、「会計期間」の表現方法はいくつかあり、2021年度であれば、「fiscal year 2021」、「fiscal 2021」、「FY 2021」などと表します。

会社法435条では「株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない」としています。また、法人の定款においては、株式会社の「事業年度」は任意的記載事項であり、必須ではありません。

しかし、税務署に提出する法人設立届書には事業年度を記載する欄があり、、提出実務上も定款に事業年度を記載するのが通常となっています。そして、一旦、定款に事業年度が記載されれば、事業年度変更の際には、定款の変更手続き(株主総会の特別決議)が必要となります。

法人の決算期は3月・9月・12月が多い?

国税庁の令和5年度統計によると、3月が最多で、次いで9月、12月と続きます。 これら上位3つの月だけで全体の約4割前後を占めますが、その他の月も平均的に分散しており、多くの企業が業種や個別の事情に合わせて決算期を調整していることがわかります。

【決算期別の普通法人数】

決算月法人数割合
1月108,4253.7%
2月195,3186.6%
3月533,38918.0%
4月205,0716.9%
5月243,3278.2%
6月287,2329.7%
7月224,8937.6%
8月257,0848.7%
9月324,54511.0%
10月151,7825.1%
11月116,1903.9%
12月312,04710.5%
合計2,959,303100%

参照:第149回 国税庁統計年報(令和5年度版)|国税庁

3月の決算が多い理由は、日本の多くの企業や上場企業が3月決算を採用している慣行があり、取引関係やグループ会社との都合を合わせやすいためです。また、日本の「公的機関」や「教育機関」の年度区切りが3月であり、それに合わせるのが事務処理上スムーズだからです。

国や地方自治体の会計年度は「4月1日〜翌年3月31日」です。これに合わせることで、以下のようなメリットがあるため、大企業や公共事業関連の企業が3月を選択しています。

  • 税制改正への対応:政府の制度変更や予算の年度区切りが4月始まるとなることが多く、期首を合わせると会計処理が楽になる。
  • 取引先との連携:主要な取引先や親会社が3月決算の場合、予算消化や請求の締め日を合わせやすい。

しかし、海外の企業は一般に12月を決算期とするところが多いため、海外取引が中心となっている法人などは12月決算にするメリットはあるかと思います。

また、これは「事務処理上の都合」であり、中小企業にとっては必ずしもメリットばかりではありません。

法人の決算期の決め方

決算期をどのように設定するかは、繁忙期を避けたり、逆に繁忙期の売上高の多い月に持ってきたりする方法があります。

他にも、資本金が1,000万円未満の法人であれば消費税の免除期間がなるべく長くなるような考え方もあります。

ここでは、資金繰りに猶予を与えるという観点から消費税の免税期間を長くすることを狙って、新たな法人の決算期を考えてみましょう。

まず、次の2点を押さえておきましょう。

  • 法人設立時の資本金が1,000万円未満で、かつ、大法人の子会社などとなっていない法人は、原則として設立第1期は消費税については免除されます。ただし、第2期目については特定期間の判定によって課税事業者となる場合があります。
  • 法人の場合、消費税は基準期間(前々年度)の課税売上高が1,000万円超えた場合という要件以外に、特定期間(前事業年度の日から6カ月間)の課税売上高または給与支払額が1,000万円超えた場合に課税事業者となります。

以上の2つから、新設法人の設立第1期目の月数によってたとえ売上高が同様であっても、免税期間が異なってくるのです。

例を挙げて見ていきましょう。

法人A

法人設立にあたり決算期を検討中
設立当初の月間売上高を170万円と想定
資本金1,000万円
他の法人との親子関係はない

【パターン1】法人Aの設立第1期目が8カ月以上ある場合

第2期目において、設立事業年度である前事業年度の特定期間は事業開始から6カ月間です。

したがって、特定期間の売上高は170万円×6カ月=1,020万円となり、1,000万円を超えますので第2期目から課税事業者となります。

【パターン2】法人Aの設立第1期目が7カ月半ある場合

設立事業年度の開始日が月の半ばであった場合の特定期間の考え方は、納税者にとっては少し有利になります。

例えば、8月15日に事業開始したとすると、特定期間は事業開始から6カ月後の前月の末日、つまり1月末までの5カ月と15日が特定期間となります。

したがって、特定期間の売上高は170万円×5.5カ月=935万円(推定値)となり、1,000万円を超えませんので、第2期目から課税事業者となりません。

【パターン3】法人Aの設立第1期目が7カ月以下である場合

設立事業年度が7カ月以下であった場合の特定期間の考え方は納税者にとってはもっと有利になります。この場合、前事業年度が7カ月以下であるため、この期間が特定期間に該当しないこととなります。

したがって、前事業年度の課税売上高による判定の必要はありません。

以上より、法人Aが最も免税期間が長くなるのは、設立事業年度を7カ月と設定することでしょう。この場合、7カ月と25日と設定したほうがより有利となる場合もありますが、売上高が変動すれば課税事業者となる可能性も出てくるからです。

これをチャートで表すと次のようになります。

特定期間における判断

決算期の変更に必要な手続き

決算期は変更できます。

変更理由はさまざまですが、決算期変更によって変更前の事業年度は12カ月が経過していなくても、決算、申告納税という手続きとなります。

決算期変更のメリットとしては、例えば大きな売上の波が同じ期に2回きたため、ある期だけ著しく売上が多くなる場合には決算期変更により課税所得や納税時期の平準化(納税の繰延)につながったり、資金繰りを助けたりが可能になります。

決算期の変更手続きは、定款を変更後、税務署等へ異動届を提出し、都道府県税事務所、市役所などへも届出することで変更できます。

STEP1:株主総会で定款変更を決議する

決算期(事業年度)は会社の定款で定められています。まずは臨時株主総会を開き、定款の変更を決議します。

  • 手順:株主総会を開催し(オーナー企業なら書面決議で可)、新しい事業年度を決定します。
  • 書類:「第◯条の事業年度を、毎年◯月1日から翌年◯月月末までとする」旨を記載した『株主総会議事録』を作成・保管します。

STEP2:税務署へ「異動届出書」を提出する

変更が決まったら、管轄の税務署へ届け出を行います。

  • 提出書類:「異動届出書」(変更後の決算期などを記載)
  • 添付書類:原則として添付書類は不要ですが、内容確認のため議事録や変更後定款の提示を求められる場合に備えて準備しておくと安心です。
  • 提出期限:変更後の事業年度終了日など、異動後速やかに行う必要があります。

※参照:C1-8 異動事項に関する届出|国税庁

STEP3:都道府県税事務所・市町村へも届け出る

国税(税務署)だけでなく、地方税(法人住民税・事業税)の関係で、自治体にも同様に「異動届出書」を提出します。提出期限や添付書類は自治体ごとに異なるため、各自治体の案内に従います。

【注意点】 決算期を変更した年は「1年に満たない事業年度(例:7カ月など)」が発生します。減価償却費の計算や消費税の課税期間が変則的になるため、必ず顧問税理士と相談しながら進めてください。また、変更後の最初の事業年度が長期化する場合、会社計算規則では最長1年6カ月まで認められますが、税務では1年ごとに区分して申告が必要となる場合があります。

決算期は会社にとって非常に重要!決定する際は慎重に

個人事業主から法人成りをする場合には、12月を決算期とするケースが多いかと思います。しかし決算期は、通常の取引以外に残高確認等、決算のための手続きもありますので、できるだけ繁忙期は避けたいものです。また、決算期変更は、定款変更を伴う手続きとなって手数も費用もかかります。

法人設立の際は、決算期の決定をできるだけ多くの視点から検討し、慎重に決定したいものです。

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よくある質問

決算期とは?

事業年度の最後の月を決算期または決算月といいます。

会社の決算時期は3・9・12月が多い?

全体で見ると決算期を3月とする法人が18%程度あり、大企業では半数以上の法人が決算期を3月としています。

決算期の決め方は?

繁忙期に合わせる方法のほか、消費税の免除期間を考慮した決め方もあります。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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