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  • 作成日 : 2020年10月2日

貸借対照表(B/S)とは?見方やチェックポイントをわかりやすく解説

貸借対照表

会社の財政状況を表す「貸借対照表」は、会社の一会計期間経営成績を表す「損益計算書」と同時に作成される、決算書の一種です。表示形式には、勘定式と報告式の2種があり、通常は借方に資産、貸方に負債と純資産を配置した勘定式が用いられます。

この記事では、資産・負債・純資産の意味、のれんや有価証券など資産の部に含まれる科目の流動・固定・繰延の分け方、貸借対照表の合計額の一致と赤字といった貸借対照表の基本的な見方、さらには、貸借対照表を比較するためのチェックポイントについて説明します。

貸借対照表とは会社の財務状態を表す報告書

貸借対照表とは、会計期間末日の会社の財政状況を表した報告書のことです。事業の投資状況や資金調達の状況を意味する重要な決算書類で、B/S(Balance Sheetの略でBS)といわれることもあります。P/L(Profit and Loss statementの略でPL)といわれる損益計算書とセットで作成する報告書です。

貸借対照表作成の基本として、一般的な勘定式では、左側(借方)に「資産」の科目、右側(貸方)に「負債」と「純資産(資本)」の科目を置きます。

なお、日々の簿記によって各科目の残高を集計した貸借対照表は、法人では作成が必須ですが、個人事業主においては必要なわけではありません。

ただし、個人事業主にとってメリットの多い青色申告を選択する場合は、個人であっても貸借対照表及び損益計算書の作成が必須です。なお、個人と法人とでは貸借対照表の表示科目など違いがありますので、それぞれに適した会計ソフトを利用するのが一般的です。
貸借対照表

「貸借対照表」とは、会社の財政状態を表す報告書です。大まかに言うと、決算時点での各勘定科目の残高を集計した表です。

書き方の基本として、まず、左側に「資産」に分類される科目がまとめられています。右側には「負債」、そして返済の必要のない資本である「純資産(資本)」がきます。

貸借対照表の見方

貸借対照表は、バランスシート(B/S)ともいわれます。会計科目を、「資産」「負債」「純資産」の3つのグループに分け、会社の財政状況、投資の規模を表します。貸借対照表の主な構成要素である資産、負債、純資産は、それぞれ以下のような意味をもつグループです。

資産企業などが支配する経済的資源(基本的には、お金などを生み出すもの)
負債企業などが支配する経済的資源を引き渡す義務や放棄する義務(将来的に返済、あるいは金銭的負担を負わなければならないもの)
純資産資産から負債を差し引いた額(株主から出資を受けた額、当期純利益の増減額などが含まれる)

貸借対照表を見ていくと、「△」で金額が表示されている科目がありますが、この△は各項目からマイナスする金額を意味します。

代表的なのが、負債に属するものの、表示上は資産の部に含まれることのある「貸倒引当金」(売掛金など売上債権が将来回収不能になることを予想して引き当てた額)、「減価償却累計額」(固定資産の減価償却の累計)です。純資産の部では、発行した株式のうち自社で所有する分を示した「自己株式」も△表示です。

このほか、赤字になってしまい、当期純損失が計上されたために繰越利益剰余金がマイナスになる場合も△を付け表示します。

次に、資産、負債と純資産に分けて、各グループの区分について見ていきましょう。

左側の【資産】とは会社が保有する資産のこと

資産に分類される会計科目のほとんどは、利益の獲得を目的として、所有あるいは一時的に支配下に置いているものを示します。資産を貸借対照表の表示項目に分けると、さらに流動資産」「固定資産」「繰延資産に分類できます。

流動資産とは、仕入れから売り上げまで、企業による一連の営業活動で生じる売掛金や商品などの科目と、1年以内に現金化される会計科目の項目です。

固定資産は、建物や機械装置などの設備投資、1年以上の所有(支配含む)が見込まれる会計科目の項目です。営業活動に関連しない会計科目は、1年を超えるかどうかで基本的に判断します。

繰延資産には、開業費や開発費など、費用発生後も数年あるいは長期にわたって利益獲得に貢献すると考えられる会計科目をもってきます。繰延資産に該当する科目は、原則は費用処理です。実態はないため、流動資産や固定資産とは性質が違います。
貸借対照表

右側の【負債・純資産】とは資金の調達方法のこと

負債は、通常の営業活動で生じた買掛金などは「流動負債へ区分します。さらに、支払い義務などが1年を超えるものは主に「固定負債に区分されます。

純資産は、株主資本」「評価・換算差額」「新株予約権などに会計科目を分けます。中でも重要な株主資本とは、株主に属する資本のことです。

また、負債と純資産は、資金の調達方法を示しているともいわれ、負債は「他人資本」、純資産は「自己資本ともいわれます。他人資本は資金調達のうち返す義務のあるもの、自己資本は資金調達のうち返す必要のないもののことです。

貸借対照表 負債

左右の合計値は一致する

貸借対照表の大きな特徴は、勘定式で表示した場合、資産の合計額(左側)と負債・純資産の合計額(右側)が必ず一致することです。バランスシートと呼ばれるのは、左右でバランスが取れていることによります。左右の合計額が合わない場合は、いずれかの会計科目の総額に誤りがあると思われます。

貸借対照表 一致

決算における貸借対照表のチェックポイント

貸借対照表の見方を説明しましたが、それぞれの項目を見ているだけでは、企業の財政状況はよくわかりません。経営者が経営改善に生かす、あるいは投資家が経営状況を適切に判断するには、貸借対照表の項目を利用した分析が必要です。貸借対照表にはどのようなチェックポイントがあるのか、代表的な経営分析と計算方法を紹介します。

健全性のチェックは【自己資本比率】を見る

貸借対照表の見方で、負債は他人資本、純資産は自己資本になると説明しました。つまり、「自己資本比率」とは、何かに対する貸借対照表の自己資本の割合ということになります。自己資本と比較する「何か」とは、総資本(負債と純資産の合計)です。計算方法は以下のようになります。

自己資本比率(%) = 自己資本÷総資本 × 100

上記の計算式を使えば、割合が大きいほど、総資本における自己資本の割合が多いと判断できます。自己資本比率が大きければ、返済の義務がある負債は少ないと考えることができ、負債による倒産のリスクは減ります。

反対に自己資本比率が小さければ、それだけ負債の割合が大きいということです。自己資本比率は、小さければ小さいほど財務の健全性は低いと判断されます。

資金繰りがうまくいっているかは【流動資産>流動負債】

貸借対照表を見れば、会社の資金繰りがうまくいっているかどうかを分析することができます。短期的な資金繰りを確認するのに注目したいのが、貸借対照表の各部門の項目のうち、「流動資産」、「流動負債」に分類されるものです。

前述のように、貸借対照表の流動資産は、営業循環の中の会計科目か1年以内に回収する会計科目で、流動負債は1年以内に支払う義務のある会計科目になります。いずれも短期間のうちにキャッシュ(現金)が動く項目になるため、両者を比較することで会社の資金繰りに問題がないか確認できます。

計算方法は特にありませんが、基本的には「流動資産>流動負債」になっていれば、当面の資金繰りには大きな問題はないといえるでしょう。

支払い能力のチェックは【流動比率】と【当座比率】

会社が支払い能力を十分に有しているか分析したいなら、「流動比率」や「当座比率」といった分析があります。流動比率は、流動資産と流動負債の割合のことです。以下の計算方法で、流動比率を求めます。

流動比率(%)= 流動資産 ÷ 流動負債 × 100

流動比率は高いほど、支払い義務のある流動負債の支払いをカバーできると考えられます。少なくとも100%以上は確保しておきたいところです。なお、流動資産の中には、貸倒れになるかもしれない債権、現金化が遅れるかもしれない債権も含まれますので、100%を超えて、高ければ高いほど、返済不能になるリスクを回避できると考えられます。

当座比率については、以下の計算方法で求めます。

当座比率(%)= 当座資産 ÷ 流動負債 × 100

ここでの「当座資産」とは、不確実性の高い棚卸資産などを除いた現金など、より流動性の高い資産を指します。流動比率よりも、より確実性の高い支払い能力をチェックすることが可能です。

貸借対照表の作成には「マネーフォワード クラウド会計」

マネーフォワード クラウド会計は、日々の会計処理を入力することによって、自動的に決算書の作成ができる仕組みになっています。もちろん決算書の一種である、貸借対照表の自動作成にも対応しています。作成された貸借対照表は、PDFに出力したり、アカウント共有によって複数人とデータを共有したりすることも可能です。

そのほかにも、「マネーフォワード クラウド会計」なら、入力したデータから自動で作成される、前期比較、キャッシュフローレポート、得意先・仕入先レポート、財務指標(β)といった、管理会計に便利なレポートも活用できます。レポート機能はグラフ付きで視覚的に判断しやすいようになっており、財務分析に慣れていない担当者や経営者でも使いやすいでしょう。

貸借対照表を正しく理解して決算書を読み解こう

一般的に広く使われている勘定式の貸借対照表は、左側に資産、右側に負債と純資産を並べることで、企業の財政状況を示します。重要なのは、貸借対照表を正しく読み取って、企業の経営状態や財務状況などの分析に役立てることです。

貸借対照表を活用して分析を行えば、短期的または長期的な資金繰りのチェック、健全性チェックなどができます。分析結果を踏まえて、財務的な面から会社をより良い方向へと導きましょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:並木 一真(税理士/1級FP技能士/相続診断士/事業承継・M&Aエキスパート)

並木一真税理士事務所所長
会計事務所勤務を経て2018年8月に税理士登録。現在、地元である群馬県伊勢崎市にて開業し、法人税・相続税・節税対策・事業承継・補助金支援・社会福祉法人会計等を中心に幅広く税理士業務に取り組んでいる。

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