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  3. クラウドファンディングの仕訳とは?タイプ別の消費税の扱いや会計処理を解説
  • 更新日 : 2025年4月30日

クラウドファンディングの仕訳とは?タイプ別の消費税の扱いや会計処理を解説

監修:守山幸史朗(公認会計士・税理士)

新しい資金調達の方法として注目を集めているクラウドファンディングは、個人や企業がアイデアやプロジェクトを実現するために、多くの人から資金を集める仕組みです。資金を受け取った際の会計処理や仕訳(しわけ)は、どのようにすればよいのでしょうか。この記事では、クラウドファンディングの実施者の観点から、その種類ごとに、会計処理の考え方や具体的な仕訳の方法について、わかりやすく説明します。

目次

  • クラウドファンディングの4つのタイプと仕訳の考え方
  • 購入型クラウドファンディングの仕訳
    • 資金を受け取ったときの仕訳(前受金)
    • リターンを提供したときの仕訳(売上計上)
    • 手数料・広告費などの費用処理
    • 個人事業主の場合
    • 法人の場合
    • 消費税の取り扱い
  • 寄付型クラウドファンディングの仕訳
    • 資金を受け取ったときの仕訳(受贈益、雑収入など)
    • 手数料など関連費用の仕訳
    • 個人事業主と法人の違い
    • 消費税の取り扱い
  • 投資型クラウドファンディングの仕訳
    • 資金調達時の仕訳(資本金、資本準備金など)
    • 手数料など関連費用の仕訳
    • 消費税の取り扱い
  • 融資型クラウドファンディングの仕訳
    • 資金調達時の仕訳(借入金)
    • 利息の支払い
    • 返済時の仕訳
    • 個人事業主と法人の違い
    • 消費税の取り扱い
  • クラウドファンディングの仕訳を理解して正しく会計処理しよう

クラウドファンディングの4つのタイプと仕訳の考え方

クラウドファンディングは、その形式や支援者へのリターンの有無によって、主に以下の4つのタイプに分類されます。どのタイプを利用するかによって会計処理の方法が変わります。

  1. 購入型 (リターンあり): 支援者は、お金を出す代わりに商品やサービスなどの「リターン(お返し)」を受け取るタイプです。商品の予約販売や先行販売とよく似た仕組みです。リターンがあるため、通常の売上取引に近い処理を行います。
  2. 寄付型(リターンなし): 支援者は、アイデアやプロジェクトに共感して資金を提供します。基本的にリターンはなく、寄付金として扱われます。
  3. 投資型(株式や配当がある): 資金提供者は、出資の見返りに株式や配当といった経済的なリターンを得ることができます。スタートアップ企業などが使うことが多く、資本金等として会計処理されます。
  4. 融資型(利息がある): 支援者は、お金を貸して利息と一緒に返してもらうことを目的とします。会社や個人が「借入金」として受け取ります。

これらの違いを踏まえ、どのタイプのクラウドファンディングを利用したかによって、適切な勘定科目を用いた仕訳が必要になります。

クラウドファンディングの種類資金調達時の主な勘定科目リターン提供の有無消費税の課税対象主な関連費用
購入型前受金あり(商品・サービス)課税(リターン提供時)手数料、広告宣伝費
寄付型受贈益、雑収入、受取寄附金なし対象外手数料
投資型資本金、資本準備金あり(株式・配当)対象外株式交付費
融資型借入金あり (利息 )対象外手数料、支払利息

購入型クラウドファンディングの仕訳

購入型クラウドファンディングは、支援者に対して商品やサービスなどのリターンを提供するため、会計処理は通常の売買取引と類似しています。

資金を受け取ったときの仕訳(前受金)

プロジェクトが成立し、支援者から資金が振り込まれた時点では、まだリターンである商品やサービスを提供していません。そのため、この時点では収益として認識せず、「前受金」という負債の勘定科目で処理します。これは、将来のリターンを渡す義務があることを意味しています。

仕訳例:100万円の支援振り込まれた場合

借方貸方
普通預金1,000,000円前受金1,000,000円

リターンを提供したときの仕訳(売上計上)

支援者に対して約束していた商品やサービスを提供した時点で、「前受金」として計上していた金額を「売上」という収益の勘定科目に振り替えます。

借方貸方
前受金1,000,000円売上1,000,000円

この仕訳により、リターンを提供する義務を意味する前受金が減少し、売上が計上されます。

手数料・広告費などの費用処理

クラウドファンディングには、プラットフォームへの手数料やプロジェクトを告知するための広告宣伝費などの費用が発生します。これらは、「経費」として会計処理を行います。

仕訳例:クラウドファンディングプラットフォームに10万円の手数料を支払った場合

借方貸方
支払手数料100,000円普通預金100,000円

広告宣伝費の仕訳例:5万円の広告費用を支払った場合

借方貸方
広告宣伝費50,000円普通預金50,000円

個人事業主の場合

個人事業主が購入型クラウドファンディングを実施した場合、プロジェクトが本業と関連する場合は「事業所得」、そうでない場合は「雑所得」として扱います。いずれの場合も、商品の原価や製作費用などは必要経費として計上できます。

法人の場合

法人が購入型クラウドファンディングを実施した場合、リターンを提供した時に、受け取った支援金前受金から売上に振り替えられ、法人税・消費税の課税対象となります。上記のように、資金を受け取った時点では「前受金」として処理し、リターンを提供した時点で売上に振り替えるという流れは法人も個人も同様です。

消費税の取り扱い

購入型クラウドファンディングは、商品やサービスの提供を対価とするため、原則として消費税の課税取引となります。売上を計上する際には、消費税の処理も検討する必要があります。

寄付型クラウドファンディングの仕訳

寄付型クラウドファンディングは、支援者から資金提供を受けるものの、リターンを提供しないため、収益として処理します。

資金を受け取ったときの仕訳(受贈益、雑収入など)

寄付として受け取った資金は、「受贈益(じゅぞうえき)」または「雑収入」といった収益の勘定科目で処理します。非営利団体などの場合は、「受取寄附金」の勘定科目を用いることもあります。

仕訳例:寄付型クラウドファンディングで50万円の支援金が口座に振り込まれた場合

借方貸方
普通預金500,000円受贈益500,000円

手数料など関連費用の仕訳

寄付型クラウドファンディングでも、プラットフォーム手数料などの費用が発生した場合は、通常通り費用として処理します。

仕訳例:5万円のプラットフォーム手数料を支払った場合

借方貸方
支払手数料50,000円普通預金50,000円

個人事業主と法人の違い

個人事業主が寄付金を受け取った場合、法人からの寄付であれば「一時所得」として、個人からの寄付であれば贈与として扱います(贈与税には年間110万円の基礎控除があります)。

法人の場合は、受け取った寄付金は原則として「受贈益」または「雑収入」として計上され、法人税の課税対象となります。

消費税の取り扱い

寄付型クラウドファンディングは、支援に対する直接的な対価が存在しないため、原則として消費税の課税対象にはなりません。

仕訳例:NPO法人が寄付金を受け取った場合

寄付型クラウドファンディングを通じて、10万円の寄付金が振り込まれた。

借方貸方
普通預金100,000円受取寄附金100,000円

投資型クラウドファンディングの仕訳

投資型クラウドファンディングは、資金提供者が出資という形で事業に参加するため、会計処理は株式発行と同様の処理をします。

資金調達時の仕訳(資本金、資本準備金など)

投資家から払い込まれた資金は、「資本金」や「資本準備金」の勘定科目で処理します。

仕訳例:投資型クラウドファンディングで、新たに株式を発行し、500万円の払込があった場合

借方貸方
普通預金5,000,000円資本金4,000,000円
資本準備金1,000,000円

手数料など関連費用の仕訳

プラットフォームへの手数料は、「株式交付費」として処理します。

仕訳例:20万円のプラットフォーム手数料を支払った場合

借方貸方
株式交付費200,000円普通預金200,000円

消費税の取り扱い

投資型クラウドファンディングは、資本取引に該当するため、消費税の課税対象にはなりません。

融資型クラウドファンディングの仕訳

融資型クラウドファンディングは、資金提供者からお金を借り入れる形となるため、会計処理は「借入金」として扱います。

資金調達時の仕訳(借入金)

支援者から融資を受けた資金は、「借入金」という負債の勘定科目で処理します。

仕訳例:融資型クラウドファンディングで、100万円の融資を受けた場合

借方貸方
普通預金1,000,000円借入金1,000,000円

利息の支払い

融資に対して利息を支払う場合は、「支払利息」の勘定科目で処理します。

仕訳例:1万円の利息を支払った場合、以下のように仕訳します。

借方貸方
支払利息10,000円普通預金10,000円

返済時の仕訳

借入金を返済した際には、「借入金」の残高を減らします。

仕訳例:借入金100万円を返済した場合

借方貸方
借入金1,000,000円普通預金1,000,000円

仕訳例:3万円のプラットフォーム手数料を支払った場合

借方貸方
支払手数料30,000円普通預金30,000円

個人事業主と法人の違い

個人事業主、法人のいずれの場合も、融資を受けた際の会計処理は同様に「借入金」を使用します。

消費税の取り扱い

融資型クラウドファンディングで受け取る融資金の元本は、消費税の対象外です。利息の支払いについても、課税対象とはなりません。

クラウドファンディングの仕訳を理解して正しく会計処理しよう

クラウドファンディングの仕訳は、代表的な4つのタイプ(購入型、寄付型、投資型、融資型)によって会計処理が異なります。購入型であれば売上、寄付型であれば受贈益や雑収入、投資型であれば資本金、融資型であれば借入金といったように、取引の実態に合った適切な勘定科目を選択しましょう。また、プラットフォーム手数料などの関連費用についても、忘れずに計上しましょう。

クラウドファンディングを活用する際には、どのタイプで資金調達を行うのかを明確にし、それぞれの会計処理の方法を正しく理解することが、スムーズな会計処理につながります。

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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
  • 監修:守山幸史朗(公認会計士・税理士)

    2013年に公認会計士試験合格後、事業会社及び監査法人勤務を経て、2022年にもりやま会計事務所を開業。事業会社では経理・税務を、監査法人では上場会社・大会社・医療法人などの会計監査やリクルート委員を経験。独立後は主に関西の中小企業を中心に税務顧問のサービスを提供。趣味は魚釣り。

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