- 更新日 : 2025年4月23日
月間100万PVの人気ブロガー「ヒトデ」が税理士から法人化を学ぶ!
今年も年末調整の季節がやってきました。
個人事業主の方なら、誰もが「税金ってこんなに高いのか!」と驚いた経験があるのではないでしょうか。
今回のスペシャルゲスト、月間100万PVを超える人気ブログ「今日はヒトデ祭りだぞ!」を運営するヒトデさんもその一人です。そこで、株式会社マネーフォワードが日頃からお世話になっている税理士の萩口義治先生に、節税とビジネスを最大化するという2つの観点から、「法人化」のメリット・デメリットを教えていただきました。
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3ヶ月前に会社を退職。好きなことをして生きる道へ
萩口
初めまして。税理士の萩口です。
ヒトデ
初めまして!ヒトデです!
萩口
……。
ヒトデ
どうかされましたか?
萩口
いや…その…僕はこれに向かって話す感じでいいんですかね(笑)。
ヒトデ
はい(笑)。すみませんが今日はよろしくお願いします!
萩口
分かりました(笑)。こちらこそよろしくお願いします。ヒトデさんはいつからブログを書いてらっしゃるんですか?
ヒトデ
このブログ自体を始めたのは約3年前です!最初は会社員をしながら書いていたんですが、3ヶ月前に会社を辞めました。
萩口
勇気ある決断ですよね。所得がどれくらいあるのかって、聞いちゃっても大丈夫ですか?
ヒトデ
ぼやかしてお伝えすると、4桁万円は超えています(笑)。
萩口
おおすごいな……。実際に会社を辞めてみてどうですか?
ヒトデ
自分の自由な時間が取れて楽しいです!会社員時代と違って、会いたいときに会いたい人に会えますし。ただ、お金周りのことは心配ですね。特に節税対策は、知っている人と知らない人とで大きな違いがあると聞いているので、ぜひ教えていただきたいです。
節税は手段であって、目的ではない
萩口
節税対策というのは、具体的にどんなことをやっているんですか?
ヒトデ
今やっているものだと、「青色申告」「確定拠出年金」「小規模企業共済」「ふるさと納税」とかですね。正直自分でもこのやり方が合っているのか分からずやっているところがあるんですよね……。これ、どうなんでしょうか?
萩口
1つ言えることは、節税は手段であって、目的にならないようにした方がいいかもしれないですね。あくまで目的は、手元にできるだけ多くのお金が残るようにすること。節税が目的になって、無駄な支出を増やす節税方法に労力を割いてしまっては、もったいないですから。
ヒトデ
なるほど。具体的に僕はどうしたらいいでしょうか…!
萩口
青色申告のように、支出を変えずにできる節税対策はやっていいと思います。また、ヒトデさんのような方には、法人化することをおすすめしたいです。
節税だけじゃない!法人化のメリット・デメリット
ヒトデ
法人化ですか!実は前から興味がありました。ただ、法人化って得体が知れないものっていう印象が強くて、なかなか踏み出せずにいたんですよね。
萩口
確かにそうですよね。では、法人化のメリットとデメリットをご説明しますね。
ヒトデ
お願いします!
萩口
法人化というのは、その名の通り「◯◯株式会社」みたいな会社を作ってしまうということです。法人化の1つ目のメリットは、「所得の分散」。所得を個人と法人の2つに配分することができるので、1つの大きな箱に入れておくよりも全体の税率を下げることができるんです。
ヒトデ
なるほど。
萩口
2つ目のメリットは、「税率の選択可能性」です。法人に残したお金には法人税が、自分に払ったお金には所得税と、別の税がかかるので、それぞれ税率や段階を見ながら、最適な配分を考えることができるんですよ。
ヒトデ
かかる税金が一番少なくなるように、配分を調整できるということですね!
萩口
そうです。3つ目のメリットは「給与所得控除」。自分に給料として支払ったお金は控除を受けられるので、課税対象となる金額を下げることができるんです。
ヒトデ
法人化は節税対策として大きな効果があるんですね!
萩口
法人化のメリットは、節税以外のところにもあるんですよ。例えば「融資を受けるときのリスク軽減」。個人で融資を受けるとそのまま自分の借金になってしまいますが、法人として融資を受ければ、万が一返済できなくなったとしても、会社をなくせば借金がなくなるケースもあるんです。
他にも、法人化することで「社会的信用」を得られるようになったり、「自社株の上場」も目指せるようになったりするので、自分のビジネスを最大化させるという観点において、法人化するメリットは大きいんですよ。
法人化のメリット
【節税の観点】
- 所得の分散
- 税率の選択可能性
- 給与所得控除
【ビジネス最大化の観点】
- 融資を受けるときのリスク軽減
- 社会的信用
- 自社株の上場
ヒトデ
こうして見てみると法人化は本当にたくさんのメリットがあるんですね!逆に何かデメリットはあるんですか?
萩口
デメリットは、「コストがかかる」ことですね。かかるコストはこのようなものがあります。
法人化のデメリット (かかるコスト)
※ 2017年12月時点での制度を前提としています。
基準所得は800〜1,000万円?
ヒトデ
考えておかなきゃいけないコストって結構多いんですね。ちなみに、法人化はどのくらいの収益を上げていたら考えるものなのですか?
萩口
かかるコストは基本的に固定のものなので、事業規模が大きくなればなるほど、法人化のメリットは大きくなります。メリットがデメリットよりも大きくなるタイミングは、税金に話を絞って考えると、所得が800万円〜1,000万円を超えるくらいですかね。ヒトデさんは、法人化を検討する価値は十分あると思いますよ。
ヒトデ
そうなんですね!まだ自分がするものではないのかなと思っていたのですが、前向きに検討してみようと思います!法人化するときには、税理士さんにお願いすればいいのでしょうか。
萩口
法人化自体は基本的に司法書士の仕事なのですが、法人設立の相談をされることのある税理士でも対応はできますよ。
ヒトデ
税理士さんにお願いするときの価格相場は、大体どれくらいですか?
萩口
ピンきりですね。法人だと30万円〜100万円くらいの幅があるんじゃないでしょうか。僕らの仕事って2つあって、1つが事務代行。もう1つが財務全般のアドバイス。だから安い価格で事務代行だけお願いするのもいいでしょうし、少し高いお金を払って事業を前に進めてくれるような、ちゃんとしたアドバイザーのいる事務所に頼むというのも、ありですよね。そこにどれだけ価値を感じるかという話です。
ヒトデ
かなり幅があるんですね。実は僕、まだ税理士に相談したことがないのですが、良い税理士かどうかって、どうやって見極めたらいいのでしょうか…(笑)。
萩口
お客様の悩みや希望ありきで考えられる人が良い税理士だと思います。自分のスキルや能力ありきで、「とにかく節税はやめて利益を出しなさい。」みたいなアドバイスしかしない税理士も中にはいると思いますが、それではお客様は幸せにならない。アドバイスの内容は人によって変わるはずなので、ヒトデさんの悩みや将来設計を伝えた上で、それを汲み取った形でアドバイスをしてくれる税理士なら、良い税理士だと思いますよ。
法人化のハードルはそこまで高くない
ヒトデ
最初は法人化についてぼんやりとしたイメージしか持てていなかったのですが、法人化の具体的なメリット・デメリットや、法人化を検討する基準の所得を理解することができました。ありがとうございました!
萩口
こちらこそありがとうございました。ヒトデさんは将来のビジョンは何かあったりするんですか?
ヒトデ
正直まだ見えていないですね。ただ、このまま事業をどんどん伸ばしてお金持ちになるというよりは、できるだけ苦痛に感じることを排除して、自分の好きなことだけやりながら生活していけたらいいなと思います。最近は、あるゲームを買ってどっぷりハマってしまったんで、その様子を YouTubeで配信 して収益化につなげようとしています。ゲームをするただの言い訳なんですけどね(笑)。
萩口
ゲームを買ったことすら、商売にしちゃうんですね。すごいな……。
ヒトデ
最近、リアルの世界でも良くしてくださる方が増えてきて、ありがたいことに「ヒトデさんが仕事を辞めてもし路頭に迷うことがあっても、僕が農家をやっているので野菜を送りますよ!」って言ってくださる方もいるんです!あとは米と肉をくれる人がいたら死ぬことはないなって(笑)。
萩口
心強いですね(笑)。ヒトデさんとお話していると、ブログやYouTubeみたいに、若い人が活躍できるチャンスがどんどん増えてきていると感じます。
ヒトデ
そうだと思います。今回お話いただいた「法人化」は、やるやらないは別にして、若い人であっても選択肢として知っておいて損はない話ですよね。
萩口
法人化ってハードルが高そうなイメージがあるんですけど、実際はそんなことはないので、若い人でも稼いでいればやっていいと思いますよ。僕は法人化の回し者でも何でもないですけど(笑)。あくまで選択肢の1つとして持っておいてもいいかもしれませんね。
ヒトデ
そうですね!今日は本当にありがとうございました!
萩口
ありがとうございました!
<プロフィール>
「社畜辛い……」っていいながらブログを書いていたら、いつの間にかそのブログがきっかけで会社を辞めて独立した26歳。文章を書くのが好きでブラック企業が嫌い。雑記ブログ「今日はヒトデ祭りだぞ!」脱社畜サイト「今日は社畜祭りだぞ!」を元気に運営中!
株式会社HG&カンパニー / はぎぐち公認会計士・税理士事務所
中小企業から上場企業まで支援するキャリアを経て、大きくなる事業に必要なものは「財務」であるという。「税務」最適は経営最適と一致しないことが多く、税務だけでなく、財務・経営の視点から起業家の事業成長を支援することをミッションとする。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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