- 更新日 : 2025年2月19日
長期借入金とは?仕訳例も解説
長期借入金とは、会社が金融機関や特定人から受けた融資のうち、弁済期限が貸借対照表日の翌日から起算して1年以上のものを指す。貸借対照表では固定負債の部に記載される。
なお、弁済期限が貸借対照日の翌日から起算して1年以内のものは短期借入金となる。
長期借入金の考え方
長期借入金の借入先として一般的なものは、銀行などの金融機関、関係会社、取引先、個人、役員などである。貸借対照表に記載する際は株主、役員、従業員からの長期借入金や関連会社からの長期借入金に対しては区分表示されることが求められる。
たとえば役員からの借入金は「役員長期借入金」、従業員の場合は「従業員長期借入金」、関連会社の場合は「関連会社長期借入金」となる。なお、長期借入金の内訳明細については借入金等明細表で開示されることとなっている。
また、契約上は長期借入金であっても、1年基準(ワン・イヤー・ルール)によって返済期限が貸借対照表日の翌日から1年以内に迫ったものは短期借入金へ振替処理される。
長期借入金の仕訳例
銀行から2年間の契約で借り入れた運転資金10,000,000円が当座預金に入金された。
借方・当座預金10,000,000円/貸方・長期借入金 10,000,000円
長期借入金の元金分500,000円および利息10,000円が預金口座から引き落とされた。
借方・長期借入金 500,000円/貸方・普通預金 510,000円
支払利息 10,000円
長期借入金20,000,000円が翌期に返済期限を迎えるため、決算時に短期借入金に振替処理した。
借方・長期借入金 20,000,000円/貸方・短期借入金 20,000,000円
通常、借入金の返済日には元本と支払利息が一緒に引き落とされるが、経費としては別々に計上する。保証料も支払利息に含むことができるが、金額が大きい場合は「保証料」や「支払手数料」などの勘定科目で処理することが望ましい。
<関連記事>
資金調達の基本!経営者が知っておくべき3つの方法
財務分析によって会社の状態を知ろう
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
利益準備金とはどんな勘定科目?計上しなければならない理由を解説
利益準備金とは法定準備金の1つであり、会社法によって規定されているものです。剰余金を株主に配当する場合に、法務省令の会社計算規則で規定された計算方法で求めた額を利益準備金に回すことが義務化されています。 この記事では利益準備金とはどのような…
詳しくみる受取手数料とはどんな勘定科目?仕訳まで解説
受取手数料は、事業者が本来の業務外で取引相手などから受け取った手数料を示す勘定科目です。手数料による収入が主な事業の場合は、受取手数料の勘定科目を使用しない点に注意が必要です。この記事では、受取手数料の性質と仕訳例を解説します。 受取手数料…
詳しくみる什器備品の購入費用の勘定科目とは?経費計上する際の仕訳を解説
什器備品(じゅうきびひんとは、家具や器具など幅広い資産を指します。事業に関係がある什器備品の購入費用は経費にでき、耐用年数1年以下、もしくは10万円以下のものは消耗品費で処理します。 上記の年数や金額以上の什器備品は、固定資産の一種として工…
詳しくみる創立費と開業費の会計処理について
会社の創立と開業準備にかかる費用である創立費と開業費は、繰延資産として資産計上でき、償却方法としてはいつでも必要経費として償却することができる、任意償却が適用されます。創立費、開業費、繰延資産についてとその償却方法を説明します。 繰延資産と…
詳しくみる本や書籍を経費にするときの仕訳に使う勘定科目まとめ
書籍を購入したときは、事業の用途に使用する場合であれば経費として計上できます。例えば、従業員が事業にかかわる知識を得るために書籍を購入した場合であれば、「新聞図書費」の勘定科目を用いて経費計上し、適切に仕訳をすることが可能です。その他にも、…
詳しくみる為替予約の仕訳や会計処理とは?振当処理・独立処理をわかりやすく解説
為替予約は、将来の外貨建て取引に関して為替レートの変動リスクを避けるために結ばれる契約です。経理処理では、この為替予約にともなう為替差損益や評価損益をどう仕訳するかで、実務が大きく分かれることがあります。特に「独立処理」と「振当処理」の違い…
詳しくみる