- 作成日 : 2025年9月9日
月次決算の締め日はいつ?遅れる原因や対策のポイントを丁寧に解説
1か月ごとに実施する月次決算ですが、締め日はいつが適切なのかご存知でしょうか?この記事では、月次決算の締め日について詳しく解説します。
いつまでに処理すべきなのか、締め日に間に合わない主な原因・対策から、スムーズに締め日を迎えるための工夫も紹介します。
月次決算のスケジュール全体を俯瞰できるよう、大まかな流れもわかりやすくまとめているので、月次決算をスムーズに行いたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
月次決算とは?
月次決算とは、企業が1か月ごとに取引を締め、損益や財務状況を整理する会計処理のことです。当月末で取引を締め切り、翌月初の3〜10日程度で記帳や資料作成などの決算業務を実施します。
月次決算を行うことにより、単月や四半期ごとの業績や資産等の動きを把握でき、経営判断に役立てることが可能です。実施は法律で義務づけられていないため、各企業が必要性に応じて実施します。
一方、年次決算は年度末に1年分の取引をまとめるものです。会社法等により、すべての企業に義務づけられています。月次決算は、主に内部管理や報告を目的とし、社内向けの資料の作成が中心です。
月次決算の締め日はいつ?
月次決算は、基本的に月末を締め日とします。締め日から2〜3日以内に請求書の整理や、経費精算をするのが一般的です。
その後、月次決算書を作成し、翌月10営業日を目処に会議等で報告できるのが理想的なスケジュールになります。
年次決算のように十分な時間をかけられないため、スケジュール管理と手順の明確化が重要です。毎月発生する業務なので、社内で統一されたプロセスを整備すれば、締めから報告までの期間短縮と精度向上が期待できます。
月次決算はいつまでにやるべき?
月次決算は経営状況を迅速かつ正確に把握するため、月初5〜10営業日での完了が理想です。一般的な月次決算のスケジュールを、下記の表にまとめました。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 当月(〜月末) |
|
| 翌月初(1〜3営業日頃) |
|
| 3〜7営業日頃 |
|
| 7〜10営業日頃 |
|
| 10営業日以降 |
|
まずは月内で締めを行い、翌月初に請求書の受領や発行を行います。さらに、決算整理と試算表作成を経て、経営層へ報告する流れです。決算整理については、後程詳細を記載します。
月次決算が締め日に間に合わない主な原因
ここでは、月次決算の締め日に遅れが生じる主な要因について解説します。月次決算が締め日に間に合わないケースを把握することで、改善につなげやすくなるでしょう。
各部署での処理が遅れる場合
各部署での会計処理が遅れると、経理部門の月次決算全体に影響します。とくに、正社員だけでなく部門管理のアルバイトやパートの給与・残業代も反映が必要なため、労働時間の集計遅延も問題となります。
さらに、仕入先から請求書が届かない、営業部門から売上の報告が遅れるなどのトラブルが発生することもあるかもしれません。
ほかにも、在庫確認に時間がかかったり、証憑の承認が遅れたりするなど、細かな業務の遅れが月次決算の遅れにつながります。
チェック作業に時間がかかる場合
月度締め日には、経理部門に大量の請求書や経費精算の証憑が集まり、確認作業に時間を要します。
普段から伝票を処理せずに、まとめて処理する習慣があると、月次決算期に業務が集中するおそれがあるでしょう。
さらに、請求書と納品書の突き合わせや入力内容確認を複数人で実施すれば、精度が高まる一方で、チェックに時間がかかりやすくなります。手作業が多い場合は、会計ソフトなどで自動化する仕組みが必要です。
月次決算の締め日を守るには?押さえておきたい3つのポイント
ここでは、月次決算を予定どおり締めるための重要なポイントを解説します。効率化と正確性を両立するための工夫を押さえておきましょう。
社内に締め日・スケジュールを共有する
月次決算を期限内に終えるには、目的とスケジュールを全社的に共有し、重要性を理解してもらうことが大切です。
月次決算は、経営判断に直結する業務であるため、迅速な処理が求められます。たとえば、月初3日間を決算専用期間と定め、ほかの業務が入らないように社内で調整するなどの工夫が有効です。
さらに、部署ごとにルールを設けて取り組めば、遅延を防ぎ、計画どおりに進行しやすくなります。
必要書類の提出期限を設ける
月次決算を期日どおり進めるには、請求書や納品書、経費精算の伝票を、各部署から期限内に確実に回収することが重要です。
各部署での処理が遅れると、経理部門の集計・整理作業にも大きな影響がおよびます。そのため社内には締切日を周知し、早めの提出を促す体制づくりが必要です。
社内だけでなく、社外の取引先にも締切日の厳守を依頼し、書類の遅延を防ぎましょう。
必要に応じてリマインドを行うなど、提出期限を意識させたり忘れるのを防いだりする対策も必要です。
会計ソフトなどで効率を上げる
会計ソフトを活用すれば、月次決算の業務負担を軽減できます。
小規模企業や個人事業主など、経理担当者がいない場合は自身で記帳するか、従業員や会計事務所に代行を依頼する方法もあります。Excelでテンプレートを作成しておくのも有効です。
たとえば、会計ソフトのマネーフォワードでは、日々の仕訳入力により決算書を自動作成できます。複数の拠点やメンバー間で、リアルタイムにデータを共有可能です。顧問税理士や経営層と連携させられるのでで、確認や提出の手間も省けます。
月次決算をスムーズに進める決算整理事項やスケジュール
ここでは、月次決算を円滑に進めるための決算整理事項やスケジュールについて解説します。
各工程の流れを理解し、計画的に進行するポイントを押さえましょう。
1. 現金・預金残高をチェックする
月次決算では、まず会社の金庫現金や通帳、ネットバンキングの入出金明細を確認し、月末の現預金残高を把握します。
残高が帳簿上の現金預金勘定と一致しているかどうか、照合しましょう。もし差異が見つかった場合は、原因を特定し、正しい金額を帳簿に修正記入することが必要です。
月末時点での現金・預金残高を正確に反映させましょう。
2. 棚卸資産を確認する
月次棚卸を実施する場合は、下記の在庫がどれくらいあるのかカウントします。
- 月末時点で未販売の製品・商品
- 材料
- 仕掛品
- その他在庫管理する必要があるもの
カウントした在庫が、帳簿と一致しているかどうかチェックしましょう。
棚卸が半年ごとや年1回のみの場合は、受払記録をもとに、月末の正しい在庫残高を帳簿に反映させる必要があります。
3. 仮勘定を整理する
仮払金や仮受金などの仮勘定は内容を確認し、正しい科目に振り替えて整理する必要があります。
仮勘定のままでは、月次の経営状況が把握しにくくなります。入金や支払いの漏れもチェックすることで、正確な財務情報の反映が可能です。
4. 経過勘定を計上する
当月に支払いや受取が発生していないものは、未払費用や未収収益として経過勘定に計上します。とくに、月次決算時に届いた請求書の未払計上は漏れやすいため、注意が必要です。
経過勘定を用いることで、該当月の費用や収益を損益計算書に正確に反映できます。これにより、経営状況をより適切に把握することが可能です。
5. 引当金・減価償却費などを計上する
賞与や退職金の引当金を年次決算で計上する場合、月次決算では当月分の負担額を計上します。
また、減価償却対象の固定資産がある場合は、年間の減価償却費を月割りで計上してください。
退職給付費用や賞与引当金などの期末確定費用は、年間見積額をもとに月次費用として12分の1ずつ反映させます。
6. 月次決算書を作成する
月次決算では、法律上の書類作成義務はありません。そのため、会社の状況に応じて必要な書類を作成し、経営判断に活用します。
月次決算書の主な例は、下記のとおりです。
なかでも、小売業やメーカー・EC通販事業など在庫管理が重要な業種では、在庫管理表を作成するのがおすすめです。
ほかにも、借入金の返済状況を把握する必要がある場合は、借入金一覧表を作成するなど、業務内容に応じた資料を準備します。
7. 月次業績報告資料を作る
月次決算書を作成したら、経営層への報告が重要です。前月までとの比較ができる資料を準備し、特異な増減があれば原因を説明できるようにします。
各項目の変動理由や当月の会社の状況を正確に読み解き、経営層に共有することが重要です。これにより、経営計画の改善や意思決定に役立てられます。
月次決算の締め日に関するよくある質問
ここでは、月次決算の締め日に関してよく寄せられる疑問を取り上げ、理解を深めるためのポイントや注意点をわかりやすく解説します。
- 提出期限を守らない従業員に対する対応は?
- 自社に合った会計ソフトの選び方は?
- 毎月の棚卸が間に合わない場合は?
- 消費税の扱いについてどうすればいい?
- 締め日が統一されていないときは?
- 月次決算の早期化の必要性を社内に伝えるためには?
ぜひ参考にしてください。
提出期限を守らない従業員に対する対応は?
提出期限を守らない従業員に対しては、待たずに月次決算を進めることが基本です。催促しても「忙しい」と提出が遅れる場合でも、特別な対応は不要になります。
ルールは一度破られると、再度破られる可能性が高いため、守る社員と守らない社員の評価を明確に分けることが重要です。評価制度の項目に、ルールを守っているかどうかを含めるのもよいでしょう。
ルール遵守の重要性を伝える努力が、求められます。
自社に合った会計ソフトの選び方は?
自社に合った会計ソフトを選ぶ際は、経理担当者の使いやすさだけでなく、会社全体の事務効率向上につながるかが重要です。
会計ソフトは、機能面での大きな差は少ないといえます。そのため、既存の販売管理や銀行システムとの連携によってもたらされる、業務時間や人件費の削減効果を予測しましょう。
全社的な費用対効果を踏まえて、導入するかどうかを決めます。
毎月の棚卸が間に合わない場合は?
在庫が多く毎月の棚卸が困難な場合は、場所や商品を絞り、金額が大きい重要な部分から優先的に実施しましょう。
ただし、棚卸の間隔が長くなるほど帳簿と実際の差異は拡大しやすくなります。利益に影響するレベルの差異は、問題です。
差異の許容範囲は在庫量や金額で変わりますが、決算時に利益の5%以上の誤差が出る場合は重大な問題になります。基本的には、半期や四半期ごとの実地棚卸が必要です。
消費税の扱いについてどうすればいい?
消費税の経理は「税込み」と「税抜き」のどちらかを社内で統一することが重要です。方式が混在すると利益や業績評価がばらつき、管理が難しくなります。
税込み方式では、月次決算時に消費税分が売上や利益に影響するため注意が必要です。
納付予定の消費税は「租税公課」勘定で、経費計上します。消費税の計上漏れにより、年次決算時に、赤字となるリスクを回避する運用が望まれます。
締め日が統一されていないときは?
得意先によって締め日が異なる場合でも、原則として自社の締め日で統一し、すべての売上や仕入等を同じ締め日に計上することが基本です。
例外として、締め後の取引が少額で全体に影響が小さい場合は、請求書ベースで処理しても差し支えありません。
ただし、営業担当の都合で締め日や計上金額を変更することは認められないため、統一したルールを守ることが大切です。
月次決算の早期化の必要性を社内に伝えるためには?
月次決算を早期化している企業は、社長や経営層自らがトップダウンで推進しているケースが多くあります。そのため、社員任せでは進捗が遅れやすく、早期化は困難です。
社長や経営層が明確に方針を示し、社内全体で取り組む体制を整えることが成功の鍵となります。
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