小口現金のデメリットと廃止すべき理由

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クレジットカード、電子マネー、Web決済が普及している現代に、日々小銭を数えなければいけない小口現金。なんとかなくしたいと思う経理担当者の方も多いのではないでしょうか。小口現金なんていっそ廃止してしまえばよいのではないかという、そんな切り口からご説明します。

小口現金とは

小口現金とは、会社の現金を一部手元に置いておき、社員が外出するときの交通費や、急に必要になった備品を買うためなどに使う少額の現金です。小口現金は、基本的に毎日、現金残高と帳簿残高を合わせる必要があります。また、現金の扱いは慎重に行わなければならないため、複数人でチェックする必要があります。

小口現金の精算

経費の立て替えを行った社員は領収証を添付して申請し、小口現金担当から現金を受け取ります。小口現金担当は毎日現金の残高を確認します。月末など、定期的に精算して預金口座から小口現金に現金の補給をします。

小口現金が存在するデメリット

1.毎日小銭を数えなければいけない
2.小口現金出納帳への記帳が面倒
3.現金残高と小口現金出納帳残高が合わない場合の確認作業が大変
4.月末、再び残高を確認しなければならない

小口現金を使う会社と使わない会社

小口現金を当たり前のように使っている会社が、小口現金を使わなくなるとどうなるかを見てみましょう。

小口現金で精算する会社

1.営業員がタクシーの領収書を持って精算にくる
2.手提げ金庫からお金を出して渡す
3.小口現金出納帳に記帳する
4.総務部員が会議用お茶と、在庫をきらしたセロテープを買ってくるというので、手提げ金庫からお金を出して渡す
5.おつりと領収書を受け取り、おつりを金庫にしまう
6.小口現金出納帳に記帳する
7.一日の終わりに、小口現金係は手提げ金庫内の現金をカウントし、出納帳と合っているかを確認
8.他の社員にも現金のカウントをお願いし、出納帳と合っていたので、本日の業務終了

小口現金で精算しない会社

1.営業員はタクシー代を立て替える。帰社後、会社指定の経費申請方法でタクシー代と行き先を入力し領収書は保管
2.月に一度まとめて経理に経費申請する
3.経理は経費申請を集計して給料と一緒に振り込む
4.お茶は給茶機のベンダーサービスを利用。業者が定期的にお茶の補充と機械のメンテナンスを行い、請求書は会社へ送付される
5.事務用品のような消耗品は定期的にネット注文。在庫管理を行っているので発注漏れはほぼなし

こうして見ると、小口現金で精算しない会社の方が効率的なことがわかります。

小口現金を廃止しよう!

大企業のようには効率的にできないという中小企業の方も、思い切って小銭のカウントや、小口現金出納帳をなくしてみましょう。小口現金を廃止するには、以下のような方法があります。

小口現金を廃止する方法

1.社員の立て替え払いは月に一度まとめて請求してもらい、給料と一緒に振り込む。交通費精算や、旅費精算は、社員が立て替え精算書を作成し、領収書と一緒に提出
2.備品の購入はネットを利用して、現金で買わないようにする
3.取引先とのやり取りは振り込みとし、現金では支払わない
4.立て替え払いの多い人には仮払金を支給するか、コーポレートカードを持たせる

それでも残ってしまう切手や収入印紙

カードで買えない切手や、そんなに出番はないけど、たまに必要な収入印紙はどうしたらよいのでしょうか。過去1年間に、月平均でどのくらい使用したかを調査して、ためしにその量をストックしてみてはいかがでしょうか。切手や収入印紙を補充するときは、預金口座から引き出して買ったり、または立て替え払いで後日精算したりするなど、方法はいくつかあります。現在は切手もネットでクレジットカード決済可能です。

店舗の場合

店舗の場合ですと、小口現金の出番が多そうですが、その時にレジからお金を出すようなことはしてはいけません。小口現金を置いているお店は多いと思いますが、それをやめて、事業主や店長のお財布から立て替え払いで出すという方法があります。こまごました出費が多くて小口現金があると便利ですが、「小口現金があると便利」という発想自体を見直しましょう。

そもそも事業は予算があって、経費はそれに沿って使用するものですし、在庫は当然のことながら管理されていることが理想です。そこからはみ出る例外的なものについて、やむをえず小口現金で支払うという意識を持つようにすることが大事です。

まとめ

急に現金が必要になることが多い業種によっては、小口現金の廃止は一見無謀なように思えます。しかし、小口現金を廃止するという気持ちで予算管理や在庫管理を行っていくことは、結果的に経費に対する意識が高まり、効率的な経営へと変化していくことになります。廃止とまではいかなくても、まずは「小口現金を効率化する」、という意識で取りかかるのもよいのではないでしょうか。

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