- 更新日 : 2024年8月8日
レンタル料の仕訳と勘定科目をリースとの違いを含めて解説
事業では、あまり使わないものや高額なものをレンタルすることがあります。レンタル料を経費として仕訳する際、使用する勘定科目は「備品」や「機器」などレンタルするものにより異なります。主に使うのは、「賃貸料」「地代家賃」「旅費交通費」などです。
本記事ではレンタル料の勘定科目や仕訳例、リースとの違いについてご紹介します。
レンタル料を仕訳するときの勘定科目
事業に関して物品等をレンタルしたとき、レンタル料の仕訳はレンタルするものによって勘定科目が変わります。主に使う勘定科目は「賃貸料」「地代家賃」「旅費交通費」で、「雑費」を使用してもかまいません。
レンタル料を仕訳する際の勘定科目について、紹介します。
貸借料
賃貸料は、主に事業に必要なOA機器やオフィス家具、車両などをレンタルする際に使う勘定科目です。具体的には、以下のようなレンタルの使用料が該当します。
- レンタルオフィス
- 販売スペース
- 家具・OA機器
- イベント機材
- 機械・工具・器具
- ユニフォーム
- 貸金庫
- レンタカー
レンタルオフィスの使用料は、利用の形態によって勘定科目が変わります。例えば、開放的なスペースの一部の空間を借りる場合や、レンタルオフィスにOA機器の使用やサービス料が含まれている場合は賃借料として計上します。
一方、オフィスとして区切られた空間を独占的に使用する場合、「地代家賃」の勘定科目が適しているといえるでしょう。
レンタルオフィスの仕訳については、以下の記事で詳しく説明しています。
地代家賃
土地や建物などを借りる場合は「地代家賃」の勘定科目を使います。地代家賃に該当するのは、主に以下のレンタル料です。
- 事務所や店舗の家賃・管理費など
- 事業用車両を停める月極駐車場の使用料
- 倉庫やトランクルーム
- レンタルオフィス
- 20万円以下の礼金・更新料・権利金
個人事業主の自宅兼事務所の家賃も、家事按分により「地代家賃」として計上できます。
レンタル倉庫やトランクルームについては、以下の記事も参考にしてください。
旅費交通費
レンタカーを借りる場合、主に出張で利用する場合は「旅費交通費」の勘定科目を使います。レンタカーのレンタルに付随して支出したガソリン代や保険代も同じく「旅費交通費」に含めて問題ありません。
会社の引越しでレンタカーを借りたり、定期的にレンタカーを借りてビジネスをしたりする場合は「車両費」を使います。
レンタカーの仕訳については、以下の記事も合わせてチェックしてください。
レンタル料の仕訳例
ここでは、レンタル料の仕訳について、レンタルの対象別に仕訳例を紹介します。
まず「賃貸料」を使う場合の仕訳は、以下のとおりです。
【例】イベント用の機材をレンタルして、レンタル料の5万円を振り込んだ。
「地代家賃」を使用する場合、以下のように仕訳します。
【例】レンタル倉庫を借り、使用料2万円を口座に振り込んだ。
「旅費交通費」を使う仕訳例は、以下のとおりです。
【例】社員が出張でレンタカーを利用し、1万円を支払った。
レンタル料とリース料の違い
レンタル料とリース料は、異なります。
リースとは、半年から10年程度といった中長期で借りるものです。コピー機などのOA機器やパソコン・サーバなどのIT機器、工場の機械など、長く使い続けるものが対象になります。
一方のレンタルは、日単位や週単位・月単位などの短期で借りるものです。
リース料とレンタル料の違いについてまとめると、下記のようになります。
リース料の仕訳については、以下の記事が参考になります。
レンタル備品の費用を雑費として仕訳する時の注意点
会計にはどの勘定科目を使用してもいい経理自由の原則があり、レンタル料の勘定科目に「雑費」を使用することも特に問題はありません。
ただし「一度採用した会計処理の原則は継続して適用するべき」とする継続性の原則により、一度利用した勘定科目は以後もずっと使用し続ける必要があることは把握しておきましょう。
レンタルするものが一時的であれば雑費を使用してもかまいませんが、頻繁に使用する予定がある場合はそれぞれに適した勘定科目を使うことをおすすめします。
レンタル料の仕訳は勘定科目に注意しよう
事業ではレンタルするものも多く、レンタルの対象によって使用する勘定科目は異なります。主に使うのは「賃貸料」「地代家賃」「旅費交通費」で、該当する勘定科目を正しく選んで仕訳することが大切です。
雑費を使用する場合は、今後もレンタルするかどうかをよく検討するようにしてください。また、レンタル料とリース料は異なるため、両者の違いも確認しておきましょう。
よくある質問
レンタル料を仕訳する際に使える勘定科目は?
主に「賃貸料」「地代家賃」「旅費交通費」を使います。詳しくはこちらをご覧ください。
レンタル料とリース料の違いは?
契約期間の長さや対象物件、料金体系などが異なります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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