- 更新日 : 2024年8月8日
お茶を経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
プライベートではなく、業務に関するものであればお茶代を経費化できます。仕訳に使う主な勘定科目は、消耗品費・福利厚生費・会議費・交際費です。
お茶代の仕訳にどの勘定科目を用いるかは、シーンによって異なります。本記事で、どの場面でどのような勘定科目を用いることが一般的か確認しておきましょう。
お茶の仕訳に使える勘定科目
「お茶を経費にする」といっても、個人事業主が自分自身のお茶代(コーヒー代)を支払う場合、従業員のためにお茶を用意する場合、取引先との打ち合わせでお茶を提供する場合など想定できるケースはさまざまです。国税庁によると、以下の金額が事業所得などを計算する際に必要経費として算入可能であることから、基本的に私的なお茶代でない限りお茶代を経費にできます。
お茶の仕訳に使える主な勘定科目は、消耗品費・福利厚生費・会議費・交際費です。状況に応じて異なるため、各仕訳を使うシーンをこれから解説していきます。
お茶を消耗品費で仕訳する
使用可能期間が1年未満か、取得価額が10万円未満の什器備品の購入費が消耗品費に該当します。使用可能期間が1年以上かつ、取得価額が10万円以上の場合、減価償却資産として計上しなければならない可能性があるため、注意しましょう。
消耗品費の具体例は、日々の事務作業で使用する帳簿・文房具・用紙・包装紙や、ガソリンなどの購入費用です。職場にお茶を常備する場合、お茶代は一般的に消耗品費となります。
たとえば、勤務中や休憩時間に職員が飲むお茶(10,000円分)を現金で購入した場合、仕訳方法は以下のとおりです。
(社内用) |
来客用ではないことがわかるように、適用欄に「社内用」などの記載をしておくとわかりやすいでしょう。
お茶を福利厚生費で仕訳する
専ら従業員の慰安のために行われる費用は、福利厚生費に該当します。
具体例は、運動会・演芸会・旅行などです。また、会社の創立記念日に従業員に一律で提供する飲食費用や、従業員や親族のお祝いやご不幸に際して一定の基準に基づき支給される金品も福利厚生費に該当します。
従業員全員が飲むお茶を用意する場合、消耗品費以外に福利厚生費で仕訳できます。たとえば、自社の従業員全員が飲めるように、お茶代(15,000円)を会社の普通預金から支払った場合、仕訳方法は以下のとおりです。
(従業員用) |
なお、個人事業主であっても、従業員を雇っていれば福利厚生費で処理できる可能性があります。
お茶を会議費で仕訳する
会議に関連して飲食物を供与する際の費用は、会議費に該当します。具体例は、会議の場で提供するお茶やお菓子・弁当などです。
国税庁では、会議費についての規定はありません。ただし、会議に関する費用でも、条件を満たすと交際費になる場合があるため注意しましょう。
業務上必要な会議で提供するお茶代は、会議費として処理できます。たとえば、お茶や飲料水を現金で購入して(5,000円)、社内会議で参加者に提供した場合の仕訳は以下のとおりです。
(10/1社内会議用) |
実態がはっきりしないものは、会議費として認められない可能性があるため、後でわかるよう摘要に情報を入れておくとよいでしょう。
お茶を交際費で仕訳する
得意先や仕入先など関係者に対する接待や供応、慰安、贈答などのために支出する費用は、交際費に該当します。
法人の場合、交際費は原則として全額が損金不算入のため、税金の計算上費用として認められません。ただし、法人の種類によって一部金額を損金に算入できることがあります。
取引先に対する接待で提供するお茶代は、基本的に交際費として処理しなければなりません。たとえば、取引先の代表者や担当者とレストランなどで会食し、現金で支払った場合(20,000円)の仕訳方法は以下のとおりです。
なお、取引先との打ち合わせなどで、総額を参加者人数で割った金額が5,000円以下であれば、会議費を使える可能性があります。
業務に関係あればお茶代を経費にできる
勤務中や休憩時間に職員が飲む、社内会議で提供するなどプライベートではなく業務に関係するお茶代であれば、経費にできます。仕訳に使う際の主な勘定科目は、消耗品費・福利厚生費・会議費・交際費です。
法人で交際費に該当する場合、税金の計算上費用として認められない可能性があります。金額や提供する場から、交際費にすべきか検討するようにしましょう。
よくある質問
お茶代は経費にできる?
プライベートではなく、業務に関するお茶代であれば、経費として処理できます。詳しくはこちらをご覧ください。
お茶を消耗品費で仕訳するポイントは?
購入した理由や、お茶を提供するシーンに応じて、勘定科目(消耗品費・福利厚生費・会議費・交際費)を使い分けることがポイントです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
会計の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
個人事業主が国民年金を支払った際の勘定科目は?仕訳方法を解説
個人事業主の場合、国民年金の保険料を経費に計上はできませんが、社会保険料控除の対象となりますので、所得から控除はできます。また、国民年金保険料を事業用口座から支払っている場合、その際に使用する勘定科目は「事業主貸」です。 今回は個人事業主が…
詳しくみる電報を経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
事業に関して取引先や従業員などに電報を送った場合、経費に計上できます。電報の勘定科目は送り先によって異なり、社外宛の場合は「交際費」、社内宛であれば「福利厚生費」にするのが一般的です。また、「通信費」として計上することもできます。勘定科目は…
詳しくみる返金の勘定科目と仕訳、返品時やキャンセルによる会計処理は?
商品の販売やサービスの提供を行う企業や個人事業では、さまざまな返金処理が発生します。例えばクレームによる返金や、クレジットカード決済のキャンセルによる返金などです。返金という事実だけであれば、敷金や保証金の返金もあります。商品に欠陥があった…
詳しくみるオフィス備品を経費にする時の仕訳に使う勘定科目まとめ
応接セット・家具・パソコンのようなオフィス備品の仕訳に適している勘定科目には、どのようなものがあるのでしょう。オフィス備品の勘定科目は、その物品の取得費用に応じて異なります。端的にいうと、取得価額が10万円以上の場合は「備品」、10万円未満…
詳しくみる請求金額より少なく入金された場合の仕訳方法は?パターン別に解説
請求した売掛金に対して、入金が足りない場合はどのように対応すべきでしょうか。取引先への督促や仕訳の方法がわからない方も多いでしょう。 過少入金が発生した場合、まずは原因を特定することが重要です。本記事では、過少入金が起こる要因や仕訳の方法、…
詳しくみるキャンセル料が発生した場合の仕訳と勘定科目まとめ
本記事では、キャンセル料が発生した場合の勘定科目の使い方や、具体的な仕訳例を解説しています。キャンセル料はその内容によって、課税の取扱いが異なることは意外と知られていません。これまで何となく仕訳をしていたという人は、ぜひこの機会に正しいキャ…
詳しくみる